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旧静岡市:平成15年第1回定例会(第2日目) 本文 2003-02-19
旧静岡市:平成15年第1回定例会(第2日目) 名簿 2003-02-19

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  1. 静岡市議会 2003-02-19
    旧静岡市:平成15年第1回定例会(第2日目) 本文 2003-02-19


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(沢入育男君) ただいまから会議を開きます。  本日の会議録署名議員は、田形清信君及び中山道晴君を指名します。    ─────────────────    日程第1 一般質問 2 ◯議長(沢入育男君) 直ちに日程に入ります。  日程第1、一般質問を行います。  質問及び答弁は簡明かつ的確に願います。  まず、2番佐野慶子さん。   〔2番佐野慶子君登壇〕 3 ◯2番(佐野慶子君) おはようございます。  通告に従いまして、2つの問題について質問をいたします。  まず最初に、静清合併と市長の政治姿勢についてです。  あと41日で静岡市と清水市がなくなり、新静岡市がスタートです。今、市民の中に渦巻いているのは、議員や職員に対する不満です。議員や職員に優しい合併、市民には冷たい合併になるだろう、こういう批判です。  私は、この1年間事務事業の切ないすり合わせを行い、新市を迎えようとしている職員の皆さんに優しかったとは思いませんが、出口の見えてこない平成不況のただ中で、多くの市民が遭遇している雇用不安や営業の危機、あるいは将来に対する不安、この現実に比べますと比べようもないというのが実感でしょう。  議員に対する批判、これは正論です。昨年4月の臨時議会の際、合併と一緒に議員の在任特例を認めてしまいました。私は、新市の市長選も、市議会議員選挙も同様に実施すべきであるというふうに今でも思っております。合併特例法の極めて例外的な措置である在任特例は、延長の理由、必要性を述べたところで、選挙権、被選挙権を行使する機会を奪うことになったことは事実です。民主主義というのは、逃げたらどこかで再びつかまってしまうものだと痛感している方も多いと思います。  5つの課題で質問いたします。  第1は、地方分権の推進についてです。  我が市の地方分権の取り組みは、2000年4月、地方分権一括法の施行を受け、第1次の関係例規の整備、2001年3月には第2次分権推進計画を策定し、日本一の分権型社会の実現を目標に具体的施策を定め、目標年次も定めて取り組まれることになっておりました。  当時の基本方針は5本ありました。個性豊かで活力あるまちづくりの推進、市民自治の推進、自治権の拡大と財政力の拡大、効率的で開かれた行政の推進、政策形成能力の向上、この5本でした。計画策定から2年、行政を取り巻く環境も変わってきておりますが、分権推進計画に掲げた基本方針の考え方、当時と現在、市長の考え方は変わらないのかどうか。
     第2は、市政運営についてです。  分権時代にふさわしい自治体の自治の確立、自立、市民との協働による分権型自治体の取り組みは、既に先駆自治体を先頭に全国各地で条例化されました。  2000年12月全国初の自治基本条例、ニセコ町まちづくり基本条例を紹介させていただきましたのは、ちょうど2年前の2001年3月定例会でした。ニセコ町は住民投票を条例に位置づけております。住民投票が条例化をされたり、実施される自治体も珍しくなくなりました。逗子、箕面、川崎、三鷹と多くの市の条例も、この議場で紹介させていただきました。  1つ目、市政運営の基本理念、政策の基本原則などを定めた自治体の憲法、自治基本条例、市民との協働のまちづくりを進めるための市民参画条例、市民との情報の共有、情報基本条例、これら3条例は新市を形づくる基本です。市長はどう認識をされているのか。  2つ目、これら3条例は、分権推進計画では2001年度は検討チームを設置し、市民との協働のもとに本年度には条例を策定し、2003年度は実施をする予定でした。どのような作業段階まできているのか。  3つ目、2市のすり合わせの中では、どのような段階まできているのか。  4つ目、新市では3条例の策定に向けどのように取り組まれるのか。  第3、行政評価システムについてです。  行政の透明性を確保しながら市民への説明責任、もう一般的になりましたアカウンタビリティー、この役割を果たすものとして、我が市においても取り組みがされてまいりました。事務事業評価用シートを作成し、システムの試行実施、そして8次総の事務事業評価の本格実施、2001年度からは公表もしてまいりました。2市のすり合わせの中では、まだ手がつけられていない清水市事業についても実施していくことに調整をされたのかどうか。つまり新市においても行政評価というのは、途切れることなく継続されていくということなのでしょうか。  第4、交通政策についてです。  さきの11月議会で、我が市の総合交通体系とLRTの問題を取り上げました。市長の答弁は、新市の都市の活性化を図り、市民が等しく都市の利便性を享受できるような交通環境を実現するために、市民に身近な公共交通が果たす役割は極めて大きいので、その整備を図っていきたい。LRTについては、新たな交通システムとして有効な公共交通である一方、限られた道路空間におけるバス・自動車との共存や軌道敷の確保に加え、採算性などについても十分研究していく必要があるといつもの小嶋流でした。  ところが、その3日後、グランシップで開かれた市長を囲むパーティーでは、新市のまちづくりの夢としてモノレール、清水港湾へのベイブリッジ、日本平の整備と語ったと報道されています。本当なのでしょうか。何だか寂しくなってしまいます。モノレールについて、どのように認識をしているのか、評価をされているのかお伺いいたします。  モノレールは道路上空に建設されますが、跨座型と懸垂型、つまり、またぐタイプのものとつり下がるタイプのこの2タイプがあります。東京モノレール羽田線は跨座型、千葉都市モノレールは懸垂型です。  実は、このモノレール開業は1901年、 100年前です。ドイツのブッペルタールに第1号が開業いたしました。97年、最近の数値によりますと日本が17路線で最も多く、ドイツが4路線、アメリカ6路線、イギリス、イタリア、オーストラリア、アイルランド、ベルギーに1路線のみです。遊園地だとか、レジャー施設にあるものも入れてです。世界が廃止の方向に進んでいる都市交通システムです。ノスタルジアならいざしらず、ましてや福祉の小嶋と言われる市長、バリアフリー時代になじむ交通機関とは言えません。  2つ目、新市の総合交通体系の策定、これも2003年度から着手というふうにされておりますけれども、これについてはどのように考えていらっしゃるのか。  3つ目、静岡市オムニバスタウン計画の清水市エリアへの区域拡大は、どのようなスケジュールで行っていくのか。  第5は、政令指定都市についてです。  1つ目、2月7日の定例記者会見において、市長は、庵原郡地域との合併について、新市が政令市に移行する2005年4月までに合併と発言したようですけれども、その真意、根拠について伺います。  12月17日、蒲原町の山崎町長が町議会全員協議会で、由比町との2町合併と新静岡市への合流を選択肢として検討していく、この発言なのでしょうか。  その後、庵原からの働きかけがあったのかどうか、あるいはこちらからなのか、どのような段階になっているのか伺います。  2つ目、焼津、藤枝、岡部、大井川、人口合わせて28万人余です。この2市2町との合併については、新市が政令市に移行した後、話し合いに入るとも発言をされています。志太2市2町との段階的合併の現段階についても明らかにしてください。  3つ目、2つの地区の動向は、合併後直ちに設置され、年度内に方向性を出すとしております区割り審議会には、どのように影響するのか、またしないのか。  4つ目、庵原地区、志太地区との合併について、県とは協議をされているのかどうか。  5つ目、政令指定都市移行に際しての県からの移譲事務について、協議方針や協議機関の設置についてはどのように考えているのかお伺いいたします。  次に、産業振興プランについて伺います。  日本経済は長期停滞という現象に陥っております。デフレ型の世界同時不況はグローバリゼーションがもたらした帰結、ゆっくりとしたパニックと表現する人もいます。バブル崩壊以降の経済政策や経済学者の発言を信用できないというふうに感じているのは、企業倒産やリストラの憂き目に遭っている人だけではありません。  規制緩和によって価格破壊を、これがいつのまにか規制緩和でデフレ対策をや、規制緩和で 530万人の雇用創出をなど、全く反対の主張にすりかわった10年です。  景気が一瞬がよくなりますと規制緩和対策のおかげ、景気が悪化すれば規制緩和が足りないというふうに至っては、何をかいわんやです。経済が全くわからない迷子の政治家が道案内をして、かえって人々を道に迷わせてしまいました。  銀行の不良債権処理をめぐる失敗は、経済政策の混乱を一層ひどくしました。構造改革の経済改革は、ついに郵貯と道路公団を民営化して、銀行を国営特殊法人化するという支離滅裂な笑えないところまで行き着いています。  こんなこと言っておりますと1日かかってしまいますので、静岡市、清水市の産業振興策について質問いたします。  新市の産業振興策は、ことしと来年2年間かけて産業振興プランを策定することからというふうに示されております。(発言する者あり)1日やりましょうか。  事業所数は静岡市2万 8,200、清水市1万 3,500、合わせて4万 1,700。製造業が静岡市 1,700社、清水市 800社、合わせて 2,500社。商店数が静岡市 8,000、清水市 4,000、合わせて1万 2,000。製造業に従事する人、静岡市2万 9,000人、清水市2万 5,000人、合わせて5万 4,000人。商業に従事する人、静岡市6万人、清水市2万 2,000人、合わせて8万 2,000人。地方税収入が静岡市 870億円、清水市 400億円、合わせて 1,270億円。この一翼を担っております人口46万 8,000人の静岡市、清水市23万 5,000人、合わせて70万 3,000人、世帯数が静岡市17万世帯、清水市8万世帯、合わせて25万世帯。この生活が営まれ、その中で経済活動が行われてきました。  元気が出ない。合併新市に希望を抱けないという声も聞きます。8カ月間のすり合わせの中で、議論を続けてきた中身を明らかにしてください。  1点目、静岡市、清水市の商業、工業の現況について、お互いにどのように認識をされたのか。  2点目、静岡市、清水市が取り組んできた商工業振興策についてはどのように把握をしたのか。具体的にどのような方法で意見交換をされたのか。  3点目、両市商工業が抱えている課題についてはどう分析をし、了解し合えたのか。  1回目といたします。 4 ◯市長(小嶋善吉君) 第2次分権推進計画を策定した当時と新市誕生を目前に控えた現在において、行政を取り巻く環境は変わってきているが、分権計画で掲げた分権推進に関する基本方針に対する考え方は変わらないかという御質問でありますが、第2次分権推進計画の策定から2年が経過をし、本市では計画で掲げた個性豊かで活力のあるまちづくりの推進や市民自治の推進など5つの基本方針に基づき分権の推進を図ってまいりました。  その間、清水市との合併により新市の誕生を迎えるとともに、新たな目標であります政令指定都市の実現を目指すなど、本市を取り巻く環境も大きく変わってはまいりましたが、これらの情勢の変化に的確に対応するためにも、分権推進の必要性は今まで以上に増すことになると認識をしており、分権の推進に関する5つの基本方針は、基本的に新市においても引き継がれていくべきものと考えます。  自治基本条例市民参画条例情報基本条例の3条例は合併新市の顔となる条例だが、どのように認識しているかという御質問でありますが、第2次分権推進計画の施策として定めた自治基本条例市民参画条例情報基本条例の3条例は、新市の都市経営理念を掲げるとともに、市民の行政への参画や情報の共有化を推進する条例でありまして、新市の法体系の骨格となる、いわば憲法に位置づけられる条例であると認識をいたしております。  新交通システムとしてのモノレールについてどのように評価をしているかという御質問でありますが、静岡市と清水市が合併し、今後、政令指定都市を目指していく上で、市民に新市のまちづくりの夢を与え、活発な都市活動を支えるとともに、人と環境に優しい新たな交通システムが必要と考えております。  モノレールにつきましても、ミニ地下鉄あるいは新タイプの路面電車でありますLRTなどと同様に新交通システムの1つであり、それらの中では建設費用が高額である一方、輸送能力にすぐれ、拠点間を結ぶ骨格的な交通網の形成に適した交通システムとして位置づけられているものと認識をいたしております。  合併のことで、庵原地域との合併は政令指定都市移行までに決着と発言しているが、その真意、根拠はという御質問でありますが、現在、静岡、清水両市周辺の市や町におきましても、それぞれの地域の将来を見据えた合併に関する活発な議論が、さまざまな枠組みを模索しつつ、積極的に行われているところであり、庵原郡の地域でも富士川町、蒲原町、由比町の間で、行政はもとより議会や住民の間で合併に関する活発な議論が行われております。両市と庵原3町とは昭和47年に静清庵地区広域市町村圏協議会を設置するなど、これまでも広域行政に取り組んできたところであり、市民の日常生活や経済活動の面でも結びつきは非常に強いものがあるということが言えると思います。  私といたしましては、このような状況を踏まえ、生活圏をともにする市や町の一体化が、究極的には望ましいものと考えております。したがって、今後、庵原郡のそれぞれの町の住民の皆さんを初め、議会や首長さんの意向が、新市と合併という点でまとまるのであれば、これを拒むものではなく、その時期も合併特例法の期限であり、新市が指定都市移行を目指している平成17年3月までが1つの目安になるのではないかと認識しているものであります。  続きまして、志太2市2町との合併のことの御質問でありますが、志太地域では焼津市、藤枝市、岡部町、大井川町の2市2町の間におきまして、昨年の7月に任意合併協議会を設置し、具体的な合併協議が開始されたところであります。両市と志太地域とは、これまでも各般の広域行政の取り組みをともに行ってまいりましたが、私としましては、日常生活圏をともにする圏域の市や町の一体化が適切であるとの考えのもと、新市と志太地域の合併を推進するべきものであると考えております。しかしながら、志太の2市2町の枠組みで、既に平成17年3月までを目途とした合併協議が具体化をしているため、新市とこの2市2町との合併協議を始めるとすれば、その時期は2市2町の合併協議が決着をした後が適切であるとの認識を示したものであります。  以上であります。 5 ◯総務部長(森竹武人君) 自治基本条例市民参画条例情報基本条例の3条例の進捗状況についてでございますが、第2次分権推進計画では、目標年度を平成15年度と定めたところでございますが、合併が決定した現在、新市の顔ともいえるこれらの3条例につきましては、合併後の新市で、両市の市民を交えて一緒になって検討していくべきものと考えております。  そのようことから、現在は関係課職員及び庁内公募による職員でワーキンググループを設置しまして、先進地の事例や学識者の考え方などの研究、検討を行うとともに、条例制定能力を養成するためテーマを定め政策フォームの実践を行っているところでございます。  3条例のすり合わせ作業の状況でございますが、清水市とすり合わせ協議の結果、これら3条例につきましては、基本的に尊重するということで理解を得られているところでございまして、合併後に一緒になって制定を目指すことで合意しております。  次に、3条例の制定に向けた今後の取り組みですが、これらの3条例はお互い密接に関連し、相互の整合性を図りながら体系づける必要性があるため、3条例を一緒に検討していくこととしておりまして、その検討体制は学識経験者、各種団体の代表者、新市全域を対象にした公募市民及び新市職員で構成する自治基本条例等検討懇話会を設置し、新市の総合計画等の整合性を図りつ、政令指定都市への移行も視野に入れ、パブリックコメントタウンミーティングなどを実施し、広く市民の声を取り入れながら制定を目指していきたいと考えております。  次に、新市の事務事業評価につきましてでございますが、合併後も静岡市の評価方法を基本に中断することなく着実に推進してまいります。  以上でございます。 6 ◯都市整備部長(西山隆浩君) 交通政策の2点についてお答えいたします。  最初に、新市の総合交通計画の策定についてどのように考えているのかでございますけれども、円滑な都市活動を支える都市交通を実現していくためには、総合的な都市の交通体系の計画に基づいて、各種の施策を展開していくことが必要であります。  現在、県が主体となり、県中部地区の5市6町のエリアで実施しております静岡中部都市圏総合都市計画交通体系調査や、中距離軌道導入可能性等検討基礎調査などその調査の結果を踏まえ、新市の総合交通体系を策定していきたいと考えております。  次に、静岡市オムニバスタウン計画の清水市エリアの拡大、どのようなスケジュールで実施していくのかということでございますが、オムニバスタウン計画バス交通環境の改善により、バスの利便性の向上を図る施策であります。合併を踏まえ、これまでエリアの拡大について、清水市と事前に調整を行ってきたところ、平成15年度に清水市エリアを含めた計画策定を行うこととなりました。計画策定後は国に対し新市としてオムニバスタウンの指定を受けられるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 7 ◯市理事(井戸一美君) 合併に関します3点につきましてお答えいたします。  まず、庵原、志太地域との合併によります区割りへの影響についてでございますが、新静岡市の指定都市移行に向けて必要な行政区画の編成等につきましては、新市発足後直ちに市長の諮問機関として市民代表等からなる審議会を設置し、十分な審議、検討を行った上で決定をしていくことになるものと考えております。  その際、当面、両市の区域を対象に区割りの検討に入ることとなりますが、庵原地域等との合併協議が仮に進捗をするとしたならば、そのような事情も勘案の上、これを行うことになるものと考えております。  次に、庵原、志太地域との合併について、県との話し合いの状況は、というお尋ねでございますが、現在、庵原郡3町、志太地域2市2町、それぞれの枠組みで、それぞれの地域において合併に関します真剣な協議が行われているところでありまして、本市といたしましては、静岡県はもとより、いずれの機関ともこれらの市や町との合併に関する協議は行っておりません。  次に、県からの移譲事務につきまして、方針や協議機関の設置については、というお尋ねでございますが、指定都市への移行に際しましては、法令等に基づき県から事務権限等の移譲を受け、それらを円滑に処理をする体制を確立していく必要がございます。  このため、新市発足後速やかに静岡県との間で移譲事務に関します協議を開始し、できるだけ早い時期に移譲事務の範囲はもとより、具体の事務引き継ぎ方法等に至るまでの詳細な調整を完了させ、事務の執行に遺漏なきを期する必要がございます。そのためには、協議方針はもとより協議の体制、協議スケジュール等につきまして、新市発足後直ちに静岡県と調整を行う必要がございます。  幸い法定計画であります新市建設計画でも、静岡県は新市の政令指定都市への移行実現に向けて支援を行うと明記されており、石川知事さんを初め県当局の皆さんも、新市の指定都市移行実現に向けての協力方を再三にわたり表明をしていただいておりますので、今後、新市の円滑な指定都市移行に向けた移譲事務協議方針の策定、県庁の全部局を挙げての支援体制の確立等につきまして、正式に要請をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 8 ◯産業振興部長(荒木貞夫君) 産業振興に関する清水市とのすり合わせ状況についての3点の御質問にお答えいたします。  まず、清水市の商工業の現況認識についてでございますが、国際貿易港である清水港を中心に発展を遂げてまいりました清水市は、港湾運送業や倉庫業など物流機能の集積が厚い点が特徴となっております。また、清水港を核とした港湾部には、造船や木材、食料品、機械などの産業が立地をしております。  次に、清水市の産業規模ですが、県が試算をしました総生産額で本市との比較をいたしますと、全産業の規模は本市の約40%でございます。主要産業分野ごとに比較をいたしますと、製造業が本市の約50%、運輸・通信業が約70%、卸売小売業が約30%、サービス業が約30%というような規模になっております。  一方、市民1人当たりの製造品出荷額で比較をいたしますと、本市が約 166万円であるのに対しまして、清水市は約 328万円と約2倍に達しております。全体的にはサービス業、卸小売業などの特化が高い本市が商業・業務都市と言われていますが、清水市は工業・港湾都市であると認識をしております。  次に、両市の商工業の振興策に関する御質問でございますが、両市が取り組んでおります商工業の振興策を比較してみますと、商業振興については、商店街の環境整備や各種イベントへの助成など事業規模は異なりますが、両市とも同様の振興策を実施しております。工業振興策につきましては、中小企業の新商品開発や販路開拓事業に両市とも共通して積極的に取り組んでおります。  しかし、両市の工業は、それぞれの地域特性の中で全く異なった産業が立地しておりまして、現在までの振興施策も地場産業に対する施策が中心の静岡市に対し、清水市は規模の大きい製造業を対象としたものが中心になっております。そのほか創業新事業振興施策としては、清水市では本年度産業情報プラザを開設しましたが、本市においてはSOHOしずおかへの支援、仮称産学交流センターの整備などに取り組んでおります。  両市の産業施策で最も異なる分野となっているのが港湾関係事業でございます。清水港に関する施設整備事業や輸入促進事業、清水港のポートセールスなどは清水市だけ取り組んでいる事業でございます。  次に、両市の商工業の抱える課題についてでございますが、世界的規模で起こっている産業経済のグローバル化などの環境変化により、静岡、清水の商工業は大変厳しい状況にあり、活性化への有効な施策が見出せないのが実情であります。  両市の商業の状況につきましては、近年の推移を追いますと、商店数、従業員数、年間販売額ともマイナス基調が続いており、大半の業種が減少し、その結果、各商店街におきまして空き店舗が増加をしております。工業につきましては、生産拠点の海外流出や輸入品の急増などにより、両市とも事業所数、従業員数、製造品出荷額とも減少傾向が続いております。  このように厳しい経済環境の中、商業におきましては中心市街地活性化、工業におきましては国際化に対応できる競争力のある産業の育成が両市の共通の課題となっております。  これらのことから、両市の商工業施策の共通の課題といたしましては、商業においては個店の魅力づくり、工業においては高付加価値製品の開発などのほか、マーケティングを重視した製品・商品開発、企業の経営革新の推進、新たな事業にチャレンシする人材育成などが重要になっているものと考えます。  以上でございます。   〔2番佐野慶子君登壇〕 9 ◯2番(佐野慶子君) お答えをいただきましたので、2回目の質問をさせていただきます。  まず最初に、静清合併と市長の政治姿勢についてです。  静岡と清水の合併について、市長は平成の大合併というふうに言われることを好まないようです。市民の日常生活圏、経済圏の一体化した地域の30年来の歴史的課題解決の合併であるというふうに語ってきました。ただいまも「生活圏をともにする」というのが2回ほど出てきましたけれども、しかしこの間の議論の経緯というのを振り返るまでもなく、平成の大合併そのものであったというふうに私は思います。国の敷いたレールの上を、しかもきわどいところでは国や県に助けられてたどりついた合併でした。  11月1日、第27次地方制度調査会、西尾勝副会長は、今後の基礎的自治体のあり方について、西尾私案と言われるものですけれども、これを発表いたしました。内容は、もう皆さんも御存じでしょうけれども、合併特例法の期限切れまでに合併しない町村は、人口に応じてランク分けして、県や近傍の市に移管し、その役割を窓口業務に限定してしまうというものです。  西尾勝氏は元東大教授で、政治学を専攻した権威者でもあります。総務省には彼の教え子のキャリアがたくさんおります。政府も2005年3月31日までに当初目的の全国3千2百余の市町村を合併させ、 1,000にするという目標はあきらめたかに見えますけれども、さらに10年、20年かけて第3次の合併で道州制に入ろうという方向が見えております。市長の定例記者会見での10年以内には道州制が本格化すると思うという発言も、このあたりから出ているというふうに思われます。  当然ですが、西尾私案に対し、全国町村議会議長会は、全面的に批判する意見書を地方制度調査会に提出いたしました。また、町村議会意見書も1月10日現在で 1,065が採択され、さらに 177議会が採択の予定です。全国 2,542町村の半分に当たる数です。2月25日には全国町村会と全国町村議会議長会と共催で、日本武道館で町村自治確立総決起大会が開催される予定です。  明治の大合併というのは、小学校をつくるため 500戸を基準に集落をまとめて村にしました。昭和の大合併は 8,000人ぐらいを目標に、新制中学校を1つつくろうということで合併させました。平成の大合併は理念がありません。国は、地方分権改革というふうに言っておりますけれども、税財源の移譲は出てこない、筋が通っていないわけです。市長はどういうふうにお考えなのか。静清合併の理念はどのようなものだというふうに思われるのか、お伺いいたします。  第2、市政運営についてです。  新しい市には、憲法、自治の基本となるものが必要です。市長もこのことは否定しなかったようです。中央大学の佐々木信夫教授、私たちにもなじみですけれども、合併自治体の運営ルールづくりは、自治基本条例にありというふうに語っております。  自治基本条例は、他の条例の指針となる「条例の条例」とも言われております。制定内容は地域性もありますけれども、骨格は住民みずからの自治宣言、住民の権利と義務、自治体の運営原則、議会・執行機関の運営ルール、財政運営の基本原則、住民との協働、自治体間、国との連携、そして改正手続、もう1つ、住民投票の規定、これらが柱になっております。  市制施行40周年を迎える静岡県下浜北市の長谷川市長は、本年6月議会に市民基本条例案を提案するそうです。この間制定してきました行政手続条例、情報公開条例、パブリックコメント制度手続条例に加え、住民投票制度も盛り込む案です。12月に条例化をしましたパブリックコメント制度を早速活用して、市民基本条例について市民意見を募るようです。浜松市も条例制定を目指しております。合併を問う住民投票も全国で相次ぎました。  昨年1月、我が市は住民投票での合併の選択の願いを退けました。昨年だけでも16府県、23市町村で条例が制定されました。13市町村は永住外国人に、8市町村は未成年者までに投票権を引き下げる条例案を可決しました。新市の自治基本条例に住民投票制度を明示する考えを市長に伺います。  第3に、行政評価システムです。3点伺います。  1点目、新市市長選の大きな争点の1つになるでしょう東静岡庁舎建設についてです。  東静岡に新庁舎なんぞなぜ建てるのかという市民の素朴な疑問はもっともです。一方、東静岡庁舎についての市長発言は、剣持さんの認識とは大分違いまして、この1、2カ月間、市長の姿勢は微妙に変化をしているんです。12月10日、清水商工会議所での講演では、新市庁舎の位置は合併方式や合併期日、新市名と同様に合併協定の基本項目、これを撤回するのは合併自体を否定することだと東静岡庁舎建設を高らかにぶち上げました。剣持さんと全く一緒です。ところが、1月21日、静岡市連合町内会主催新年懇親会では、東静岡に立地するのは主に消防防災関連の施設、建設費も25億円程度、政令市移行に際しては、現在の市庁舎や新たに建設する区役所も含め、どの施設にどのような役割を持たせるのかは改めて検討しなくてはならないだろう。主要な中枢部や議会が消えてしまっております。改めて東静岡庁舎の位置づけ、機能、必要性について明らかにしていただきたいと思います。  2点目、東静岡庁舎建設こそ第三者機関による評価、費用対効果、コストの把握が必要ではないのか。新市は中核市になるわけですから、外部監査が義務づけられます。昨年の外部監査の対象は、静岡市と静岡市土地開発公社が保有する土地の管理でした。私は、清水市の土地開発公社も対象であってほしかったというふうに思います。このことは、一般質問の後の議案質疑で十分行わせていただきます。  3点目、第三者評価、外部評価の導入についてです。  我が市の行政評価システムは、職員による事務事業評価及び公表の段階まできました。この計画でも第三者評価についても検討することになっておりました。どのような時期、方法で取り入れようとしているのか、また導入に当たってどのような課題があるのか、お伺いいたします。  第4、交通政策についてです。  1点目、9月議会において予算化され、調査委託をされました、ただいま部長の答弁にもありました中距離軌道交通等導入可能性調査、当初では3月19日までが委託期間でしたが、大幅に延びたようですけれども、どのような段階まで来ているのか、基本的方向性は出されているのかどうか伺います。  2点目、お手元の資料、右側をごらんいただきたいと思います。  どのシステムが市長がおっしゃる人と環境に優しいのでしょうか。まあ地下鉄って言わなくて本当によかったですね。きょうの新聞、皆さんごらんになったと思います。モノレールだけは、私はおやめになった方がよろしいんじゃないかというふうに思うんです。何が何でも恥ずかしい。交通政策、都市政策から考えても矛盾だらけではないだろうかというふうに思います。
     LRTの最新情報を3つ御紹介いたします。11月議会でも紹介しましたが、その続きが出ております。  1つ目、浜松市、浜松都市環境フォーラムの構想でLRT建設案が作成されました。4路線、総延長85キロと壮大なものです。浜名湖市の建設計画に盛り込みたい意向だそうです。  2つ目、富士市、JR新幹線新富士駅と在来線富士駅を連絡する新交通システムの可能性の検討が行われておりますけれども、市議会の特別委員会は5つの検討案を提案いたしました。その1つが、LRTで結ぶもので、最も建設事業費が安いことが試算されております。  3つ目、資料の左側をごらんください。国交省の補助で来年3月には、国内8社共同開発による低床式かつ狭い軌道敷でも走行できる路面電車が低価格で登場します。市街区の路面に進入できるだけでなく、在来の鉄道路線を使ったり、相互乗り入れも可能です。足立助役、国交省の支援やこうした情報をぜひ市長に伝えていただきたいというふうに思います。  次に、産業振興プランについてです。新市の産業振興の展望について5点伺います。  1点目、お互いの市の持つ地域資源の中で、融合化できる産業分野の可能性はあるとお考えなのかどうか。  2点目、商業の実勢と展望についてお聞きいたします。  1つ、静岡都心、清水都心の中心市街地活性化対策については、どのように検討をされたのか。  2つ目、まちづくり条例の制定は検討されているのかどうか。このまちづくり条例、12年間取り上げさせていただいたテーマです。その都度、必要ないというそっけない答弁をいただいてまいりました。中心市街地の空洞化が進み、地域の実情に合わせた都市計画の枠組みの策定が急務となり、全国の自治体でまちづくり条例制定の動きというのが再び広がっております。  東北6県では仙台市の商工会議所がリーダーシップをとり、6県で30会議所が参加した合同の研究会が昨年11月に発足しております。北陸も元気です。既に金沢市は紹介いたしました。敦賀市、昨年6月、条例制定を求める陳情を採択し、ことし秋には条例案ができるでしょう。福井市、ここも商工会議所がリーダーシップをとり、土地利用における課題の最も有効な解決策は、まちづくり条例の制定という問題意識のもとに提案を行っています。  郊外の開発を抑制し、都心の開発を促進するという土地利用で、都心再生と都市力の形成、地域振興を目的としております。市の役割というのが明示されております。固定資産税等税制面、助成奨励措置のメニュー、まちづくりファンドの創設、郊外開発者に協力金を求めるというこういう内容です。また、まちなかまちづくり、まちづくり審議会、トランジットモール、LRVの導入も提案されております。  ただ一口にまちづくり条例といいましても、土地利用調整、環境、景観、地区まちづくり、商業などの類型がありまして、これまで我が市は、これらを条例、要綱、指導基準など、これらにより対応してきました。  我が市の分権推進計画では、分権時代の目指す条例は複合系、総合系の市民参画型まちづくり条例を制定したいと問題意識を持っております。既に複合系条例も各地で制定されております。95年、鎌倉市まちづくり条例、96年、神戸市人と自然との共生ゾーンの指定に関する条例、このタイプは個別法令で解決できない課題を一条例で複合的に対応しようとするものです。もう1タイプあるんです。個別施策を基本条例により体系的に束ねて、複数の条例を施策体系としてシステム化して複合化する仕組みのものです。川口市、宝塚市、箕面市等の条例です。  我が市が目指している条例を一般的に総合系といっても、複合タイプなのか、システムタイプなのか、つまり住民合意の市民参加手続に力点を置いているのか、施策を効率的に行う総合行政を推進する庁内体制の枠組み改編が先なのか、それとも2つのタイプを一体的に運用する道なのか、目的意識を出したきりで2年間が経過してしまいました。ぜひこれは議論を進め、制定の方向を定めてほしいというふうに思います。  3点目、静岡市と清水市の工業の違いについては、プランの中にはどのように反映をされるのか。  4点目、新産業についてです。商都の静岡、物流と製造業の清水の特色を生かし、知恵を絞れば新たな産業の創出につながるというのが市長の認識のようです。どのような産業をイメージしているのか、創出、萌芽の可能性についてはどう検討されているのか。  5点目、開設から27年たちました、流通形態も大きく変わりました中央卸売市場、この今後の位置づけ、役割、課題、方向性についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。 10 ◯市長(小嶋善吉君) お答えいたします。  現在の平成の大合併は、分権改革の受け皿として進められていると言われているが、税財源の移譲等は進んでおらず、不十分なものであると。今回の静清合併は、このような平成の大合併の理念に即して進められたものなのか、それとも違うものなのかという御質問でありますが、静岡・清水両市の合併は4年間に及ぶ合併協議の結果導き出された結論でありまして、両市の各界各層の代表者等からなる合併協議会での極めて透明性の高い市民の意向を尊重した議論の成果を、両市の議事機関であり、団体意思の決定機関であります両市議会が決定された事項であります。これは30年来にわたる歴史的課題に対して、市街地の連担の状況、市民の日常生活圏や経済活動の拡大の実態等を踏まえ、今後の社会経済情勢の潮流や地方分権推進の動向等を的確にとらえた上での将来に対して責任ある判断であるということができると思います。  その理念は、両市の有する潜在能力を最大限発揮できる都市をつくろうとするものでありまして、激変が予想される我が国の社会経済システムの中で、我が国を代表する大都市としての規模、能力を確保し、今後この地に住むこととなる我々の子や孫が、その持てる能力や可能性を最大限発揮できる都市をつくろうとするものであります。  そのためには、現行の都市制度上、最大の権能と財政力を有することとなります指定都市への移行が最も効果的であり、新市においては合併協議会の決定を尊重し、2年以内をめどにその実現に全力を傾注していくことになるものと考えております。(「理念を聞いているのよ、私は」と呼ぶ者あり)それが理念です。  合併に関する住民投票が各地で行われているが、自治基本条例に住民投票を明示する考えはあるかという御質問でありますが、住民投票につきましては現在各地で実施されていることは承知をしているところでありますが、代表制民主主義の関係、有権者の範囲をどのように定めるか、投票の成立要件をどうするか、さらには投票結果の拘束力をどうするかなどといったさまざまな課題もありますので、これを自治基本条例に組み入れるかどうかにつきましては、今後、検討していく必要があると考えます。  東静岡新庁舎の位置づけ、機能、必要性についてどのように考えているかということでありますが、合併協議会で4年間に及ぶ協議を経て決めた新市建設計画は、新市における最大限の努力義務がある計画であると認識をしております。新市建設計画に記載をされています危機管理センターを含む新庁舎建設につきましては、その位置づけ、機能、必要性等について、合併協議会の意向を十分に尊重し、また政令指定都市移行も見据える中で、民間代表からなる検討委員会を組織し、多面的な検討を加え、対応してまいりたいと考えております。  新交通システムの中で全面的にも廃止の方向にあるモノレールに対し、市長はモノレール整備の発言を撤回し、別のものを考えたらどうかという御質問でありますが、市民に新市のまちづくりの夢を与え、活発な都市活動を支える新たな交通システムが必要とは考えております。各市の交通システムには、建設費、ランニングコスト、輸送能力、走行速度などにおいて、それぞれメリットとデメリットがあります。したがいまして、モノレールなどを含め、本市に最もふさわしいシステムを市民とともに研究してまいりたいと考えております。  以上であります。 11 ◯総務部長(森竹武人君) 東静岡新庁舎建設における第三者機関による評価、あるいはコスト、費用対効果の把握という御質問でございますが、新庁舎建設に当たりましては、事業全体のコスト、費用対効果の把握等が必要であると認識しておりまして、事務事業の事前評価を実施していく考えでございます。  次に、第三者評価の導入についての考え方、それから課題という御質問ですが、第三者評価につきましては、事務事業の事前評価を市民の皆様へ周知徹底を図るとともに、今後、施策評価、政策評価の導入を目指す段階で、第三者評価の導入の時期や方法などを含め検討していく考えてございます。想定される課題といたしましては、導入の実例が少ない中で、市民にわかりやすく、かつ実務に即した実効性のある第三者評価のあり方を検討していきたいと考えております。  以上でございます。 12 ◯都市整備部長(西山隆浩君) 中距離軌道導入可能性調査の調査状況と基本的方向性についてお答えいたします。  現在の調査状況は静岡、清水地区の現況特性の把握、都市交通に係る諸問題の整理、他都市の事例研究などを調査しているところでありますが、今後、利用圏域の想定、導入可能性の検討などを進めてまいりたいと思います。中距離軌道システムの基本的方向性につきましては、この調査結果を踏まえ、関係機関や市民と十分議論してまいりたいと考えております。  以上でございます。 13 ◯産業振興部長(荒木貞夫君) 産業振興の展望に関する6点の御質問にお答えを申し上げます。  まず、両市の地域資源の活用についてでございますが、活用できる資源を特定することはできませんが、合併により企業が現在より広い地域の中から素材や技術、人材などの地域資源を選択することができるようになりますので、合併は企業にとってメリットの多いものだと考えております。特に新製品の開発や新事業への進出に取り組む企業のビジネスチャンスが増大するものと考えております。  例えば現在、静岡市、清水市、焼津市の食品、製薬等の企業と県立大学、静岡大学、東海大学が健康関連分野の共同研究に取り組んでいる都市エリア産学官連携促進事業のように、広域圏でなければ成立しにくい産学連携や企業連携事業につきましても、今後、多様な企業や大学が同じ地域内に立地することになりますので、実施が容易になってくるものと考えます。  しかし、産学連携や企業連携には、個々の事業者や企業では収集しにくい専門分野や各業界の情報が不可欠となりますので、素材各種産業の製品、技術、大学等の研究成果などの資源情報について、市が主体になって収集、提供していくことが必要だと考えております。  また、新製品の開発や新事業への進出に意欲を持っている事業者や研究者が交流する場づくりについても、取り組んでいく必要があるものと考えます。  次に、両市の中心市街地活性化対策に関する御質問でございますが、両市の中心市街地活性化対策につきましては、現在、両市それぞれにおいて策定されております中心市街地活性化基本計画に基づき推進をしております。  その中で、本市は駿府の風格が薫り、にぎわいとともに時を過ごすことが楽しい交流型都心を基本計画の将来像とし、多様な機能集積、歩行者中心の交通環境、情報発信と市民協働などの基本方針に基づいて、中心市街地にぎわい創出事業など、活性化に向けた各種事業を実施しております。  清水市では交易と交流によって栄えてきた歴史的背景を踏まえ、新しい交流のための場づくりと、横浜・神戸を超える国際港湾都市を目指し、個性ある都市イメージづくりや都市型商業機能の強化など各種施策を推進しております。  今後はこれらの両地域の特性を生かした活性化策を展開し、広域的な集客に努めていく必要があると考えております。  次に、まちづくり条例の制定に関する御質問ですが、現在、商業振興の観点からのまちづくり条例の制定につきましては検討しておりませんが、今後、清水市の意見も聞きながら、制定の是非も含め研究してまいりたいと考えております。  また、都市計画の観点から進めておりますまちづくり支援システムやまちづくり条例の試案作成等につきましては、引き続き研究にかかわってまいりたいと考えております。  次に、両市の工業の違いを新市産業振興プランにどのように反映するかという御質問ですが、先ほど申し上げましたように、本市と清水市の製造業では支援対象となる業種が著しく異なっておりますので、プランにおきましても、静岡、清水の業種や規模の違いを反映した工業振興の方向性を定める必要性があるものと考えております。  次に、施策で申し上げますと、本市に立地する小規模な地場産業に対しては、後継者育成、技術伝承などきめの細かい施策が中心であったのに対して、清水市では工業団地の造成支援や工場設置奨励など企業立地促進施策が中心でありましたが、プランにおきましては、これらの従来の施策に加えまして、それぞれの工業の特徴を生かしながら、相乗効果の出る方策につきましても検討してまいりたいと考えます。  次に、新市における新産業の創出に関する御質問ですが、現時点では創出が期待される新産業を具体的に申し上げることはできませんが、国におきましては、今後成長が期待される15の新規成長分野を掲げております。これらの産業分野の中には、生活文化や環境、福祉、情報通信関連、流通、物流関連、海洋関連、国際化関連など、両市に比較的立地が進んでいる産業分野がありますので、これらの産業を核として新たな産業の創出、育成、集積のあり方や方策等について、産業振興プランにおいて検討してまいりたいと考えております。  次に、静清卸売市場の役割についての御質問でございますが、今日の卸売市場を取り巻く環境は、流通構造の変化や取引形態の多様化、情報化の進展など大きく変化をしており、卸売市場のあり方が今まさに問われております。しかし、卸売市場は、今後も生鮮食料品を安定的に供給するという食料品流通基幹システムとして重要な役割を担うべきものと考えております。  このようなことから、引き続き効率的な流通や業務運営の実現を図るとともに、消費者の生鮮食料品に対するニーズの多様化に適切に対応するために、卸売業者、仲卸業者、小売業者がそれぞれの機能を発揮し、協調、連携しながら、集荷力を強化できるよう三位一体となった取り組みを推進してまいりたいと考えております。  また、当市場では小売業者の減少、仲卸業者の経営悪化、諸施設の老朽化等多くの課題を抱えておりますが、従来も課題解決に向け、市場組合議会の皆様の御意見をいただきながら検討してまいりましたので、こうした考えを既に策定されております第7次市場整備計画をもとに、新市においても継承してまいりたいと考えております。  今後は消費者や市場関係者の皆様に御意見を伺いながら、さらに市場の活性化に向けて努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。   〔2番佐野慶子君登壇〕 14 ◯2番(佐野慶子君) 3回目の質問をさせていただきます。  まず、静清合併と市長の政治姿勢についてです。  市政運営について、財政の問題を3点伺います。  1点目、合併特例債についてです。  合併特例債を活用することのメリットは、元利償還金の一部が普通交付税の基準財政需要額に算入されることにあります。国が本当に財政上の長期展望を持った上で、15年もの交付税の優遇措置を講ずることができるのか、ある段階で交付税のペイオフ措置がないとはいえないでしょう。  かつてを見てみますと昭和の大合併におきまして、1953年の町村合併促進法にも地方財政の平衡交付金の算定上の特例期間や起債の優遇などの財政支援策が明記されていました。ところが、最も合併が推進された1954年に地方交付税の改革があり、交付金カットと財政支援も半減されました。政府への期待をふくらませた合併町村の多くは、かえって財政危機が深刻化し、そのツケは住民に転嫁せざるを得なかった。歴史の教訓というのは非常に重いと思います。本当に担保されるというふうに考えているのか。  市長も分権改革というなら財政面でも足腰の強い自治体をつくることです。これまで後年度の交付税措置のある起債を活用してまちづくりをすることが、市長の能力かのように考えられていた発想から転換することこそ必要ではないでしょうか。  2点目、新市の新年度予算において、合併特例債の活用というのは考えているのかどうか。  3点目、新市の予算編成の考え方について伺います。  バランスシート、これは両市とも作成されています。我が市は、事務事業評価が実施されています。これらを生かした予算編成、つまり行政評価のできる予算編成に着手する考えはあるのかどうなのか。  最後にもう1つ、静岡市の第8次総合計画、清水市の第4次総合計画、新市建設計画、これらをどのような基準で調整して、新市の総合計画にどう盛り込んでいくのか、考え方を伺いたいというふうに思います。  次に、産業振興プランについてです。  1点目、プラン策定の2年間のスケジュールというのはどんなようなものなのか。それと策定されるプランというのは、政令市での産業振興計画ということなのでしょうか。また、策定までの2年間、これは2市の既存の産業振興策、2回目の質問の中で振興策るる述べていただきましたけれども、それをそのまま継続するということなのでしょうか。  2点目は、産業振興プラン、こういうものを、まちづくり条例は条例化を余り考えてないというお話でしたけれども、産業振興というふうなものをきちんと条例化していく問題意識、そういうものをお持ちなのかどうか。  3点目、新市の経済の一体的振興を図る産業振興プランということが目的のようですから、こういうことになりますと、この策定作業に参加をしていただく産業界のメンバー、これをお願いすることになるというふうに思いますけれども、合併協定書ナンバー8、「清水市域の事業所税については、市町村の合併の特例に関する法律第10条第1項の規定により、合併が行われた日の属する年度及びこれに続く5年度に限り、課税免除を適用する。」静岡、清水の産業界のメンバーがこれに参画をしていただくとき、この項はネックになるというふうには考えられないのか。 15 ◯財務部長(竹内良昭君) 財政に関する3点の質問にお答えいたします。  初めに、合併特例債のメリットは、交付税制度そのものが見直されようとしている中で、担保されると考えているのかと御質問でございますが、総務省は交付税措置のある起債につきましては、過去におきましても何回か見直しを行っておりますが、見直し以前に借り入れた起債に対する取り扱いについては、見直し前の方式に基づき基準財政需要額に算入し、交付税の算定を行っております。  このことからも合併特例債においても現法令に基づき借り入れたものにつきましては、元利償還金の70%が基準財政需要額に算入され、交付税の算定が行われるものと考えております。  次に、新市の15年度予算における合併特例債の活用についてでございますが、合併特例債につきましては、財政運営上大きなメリットがあることから、来年度事業の中で、新市建設事業の適債事業を対象に活用を考えてまいりたいと思います。  最後に、新市の予算編成の考え方でございますが、15年度予算は静岡、清水両市がそれぞれの財源をもとに、おのおのの総合計画等に基づいて通年予算を編成した後に統合し、仮予算を編成してまいります。また、将来的には、バランスシートなどを参考にした予算編成も検討していかなければならないと考えております。  以上でございます。 16 ◯総務部長(森竹武人君) 静岡市の8次総、清水市の4次総、それから新市建設計画のこの3本の計画、どのような基準で調整し、新市の総合計画に盛り込むかということでございますが、静岡市及び清水市の総合計画並びに新市建設計画の理念や事業は、新市総合計画策定における基本となりますが、厳しい社会経済情勢、行政に対するニーズの多様化、官民の役割分担なども変化していくことが予想される中で、具体の事業内容、実施時期等について検討を加えていくことになると考えております。  以上でございます。 17 ◯産業振興部長(荒木貞夫君) まず、プラン策定スケジュールと、それから策定までの間の現在の各種施策の取り扱いについての御質問でございますが、新市産業振興プランにつきましては、平成15年度、16年度の2カ年で策定をしてまいります。  策定作業は、まず新市の産業経済に関する基礎データの収集や整理を行いまして、次に、これらの資料をもとに広く産業各界、学識経験者等の皆様から御意見や御提言を伺ってまいります。  策定に当たっては、産業各界、学識経験者等の皆様からなる第三者機関として策定委員会を設置し、同時に策定しております新市の総合計画との整合を図りながら、産業経済の将来像を見定めて取り組んでまいりたいと考えております。  また、プラン策定までの間は、現在の地場産業界に対する新製品開発や販路開拓などの支援事業、また商工業などに対する各種の融資制度なども一部合併により適用の地域を広げて実施するほか、原則継続をしていくことになっております。  次に、新市産業振興プランの内容を盛り込んだ条例の制定に関する御質問でございますが、プランに盛り込まれます振興施策につきましては、新市の総合計画との整合を図り位置づけることで実効性は確保されるものと考えておりますので、現在のところ条例を制定することは考えておりませんが、今後プラン策定の中で検討してまいりたいと考えております。  最後に、プラン策定上、事業所税の扱いがネックになることはないかという御質問でございますが、事業所税の扱いについては、平成14年2月20日開催の第27回合併協議会において、合併が行われた日の属する年度及びこれに続く5年度に限り、清水市域において課税免除を適用することを決定しております。この決定は、平成10年4月1日の合併協議会設置以来、徹底した市民参加と完全な情報公開で計画的に協議を進め決定した事項であり、両市長が合併協定書で合意している事項でありますので、産業振興プラン策定時においても、このことを前提とすることになると考えております。  以上でございます。    ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 18 ◯議長(沢入育男君) 次は、17番千代公夫君。   〔17番千代公夫君登壇〕 19 ◯17番(千代公夫君) おはようございます。  私からは前向きで、活発で、責任のある質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  この演壇に立つのは何回目になるでしょうか。8年前は原稿があるにしても足が震え、大変緊張したものでございます。重厚なこの静岡市の議場、いつも身が引き締まり、議員である存在を感じました。きょうも大変緊張しております。それというのも、この3月で静岡、清水両市は終了し、新しく新静岡市が生まれるからで、議場は清水ということになったからでもあります。最後の質問になるわけでありまして、感慨深いものがあります。  また、本来なら当初予算と市長の施政方針が示され、それに対しての代表質問が行われるところであります。今回は、この変革の真っただ中であり、変則の議会であります。  それでは、限られた時間であります。合併論は議会で、協議会で十分やってきてのこの実現であります。私からは、2年先の政令市を見据えた施策の方針をただしていきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。  まず最初に、静岡市制 115年、清水市制79年がここに終わろうとしている今、長い準備期間と4年間の合併協議、46カ所にも及ぶ地区説明会に携わってこられました市長の感想、多くのすり合わせを精力的にこなしてこられた市長の思いを聞かせていただきたいと思います。  市長の政治姿勢の2番目としまして、合併後2年先を目指しております政令指定都市について、何点かお伺いしていきたいと思います。  まず、このほどの合併新市につきましては、合併協で大いに議論をし、グランドデザインを作成してまいりました。この4月からそれに基づいて施策が進められているのでありますが、政令市につきましては、これからの議論であります。市長は、新静岡市が目指すこの政令市はどんなものか、どんな姿なのか、まずお聞かせください。  次には、具体的にお伺いしてまいります。政令市は簡単にはなれない、相当腹をくくってかからないと自動的になるなどと思ったらとんでもないことだと聞いております。混乱が起きると同時に、市民にも多大な迷惑をかけます。この辺を考え伺ってまいりたいと思います。  政令指定に向けてどのような手続があり、またクリアしなければならない課題は何があるのかお聞かせください。  次には、政令指定都市においては、より高度で専門的な業務を、権限を持って独自で実施していく必要があるわけであります。さらに、県からの移譲業務も確実に処理するためには、その人材育成あるいは体制、現機能のより一層のレベルアップが求められますが、どのように整えていくのかお伺いいたします。  政令市になりますと国からの直接関与が多くなるわけであります。これらの業務において、国、県、市の関係はどうなるのか、また税など財政上の特例にはどんなものがあるのかお示しをいただきたいと思います。  この項の最後でありますが、特例に区の設置があり、区役所組織を早期に決めていかなければならないのでありますが、区割り審議会について、前議会でも大まかに示されたわけでありますが、その役割などについてお聞かせください。  市長の政治姿勢の3番目でありますが、これについてはよく勉強されております足立助役にお聞きしてまいりたいと思います。  本市が政令市になったとしましても、現静岡駅は静岡市の顔であります。人が動くもと、ステーションであり、玄関口とも言われています。この静岡駅については、新幹線利用客も、ひかりが全部とまる岡山駅より乗降客は多いのであります。JRは平成12年以降、この数を発表しておりませんが、平成12年における乗車数──乗る人の数です。1日1万 8,155人となっており、来て、帰ることを考えるとちょうど倍の3万 6,310人の乗降客数があると見てよいと思います。それは別としまして、これら多くの来訪者にとって第一印象を与えるのが、この静岡駅周辺であり、政令市を目指す本市の風格といいましょうか、まさに第一印象であります。  近年、小嶋市政により長年の懸案であった2つの再開発事業や地下駐車場が着々と進められ、電線地中化による都市景観も飛躍的に改善され、評価も大なるものであると思っております。しかし、まだ課題も残っているわけでありまして、駅南、駅北、それにつながる中心市街地への連絡も脆弱であり、一層の努力が必要であると思っています。
     そこで3点をお伺いしたいと思います。  まず第1、駅北口であります。地下駐車場はこの秋完成を見まして、違法駐車場も減り、駐車場待ちの長蛇の列も減ることが期待されております。安心、安全と町の景観からもよいことであり、すっきりすると思います。この駐車場の地上部分の北口駅前広場の整備でありますが、これも大いに期待されております。どのような整備になるのか、また地下道や国道に面する部分及び駅の正面となる紺屋町の再発事業についての取り組みはどうされるのかお伺いをいたします。  次は、駅南口であります。昨年、我が会派の駅南の代表であります佐地議員が質問されておりますが、この南口も静岡の顔であります。今の動線は大変交錯しており、危険でもあり、玄関口にもふさわしくありません。この拡張計画でこの動線を考えるとき、駅舎と再開発ビルを連携した周回できる2階レベルデッキの整備が最良と思います。  既に再開発第1地区ではエレベーターの完備したデッキがあり、さらにエスカレーターの設置が計画されているので、これらと機能を整合させるべきと思います。子ども科学館への多くの子供たちの動線があるわけでありまして、今、検討を始めるべきであります。駅北口は地下、駅南口は地上2階デッキ、これが面的に整備された風格と思います。  新市の顔の最後でありますが、人の流れとして静岡駅から静鉄ターミナル、市役所、県庁あるいは駿府公園があります。これは通勤、通学や業務ばかりでなく、観光客も、あるいは駿府公園や文化会館などで行われる各種イベントなども関連をしており、商店街への回遊にもつながってくるわけであります。この整備も早期にしなければと、御幸町の通りを歩くといつも感じるのであります。交通バリアフリー法への対応とあわせ、その取り組みをお聞かせいただきたいと思います。  以上で1回目終わります。 20 ◯市長(小嶋善吉君) 合併の思いについての御質問についてお答えいたします。  両市の合併は、この地域の30年来の課題でありましたが、関係したすべての方々の御尽力により、合併という世紀の決定を見ることができました。歴史的な課題が、今、このときに実現をされたということは、長い間の先人の努力のたまものであり、まことに感慨深いことであります。  両市が今、合併という決断を下したということは、この地域に住む人々が多くの利害得失を乗り越えて、いち早く将来に向けての構造改革を実行できる決断と勇気を持っていることを証明したともいえ、全国的にも誇り得るものであると感じています。  この上は、豊かな自然や産業集積に恵まれ、高い能力を持つ人材にあふれた我がまちを、市民のあらゆるニーズを高いレベルで満足させる大都市に雄飛させるべく、全力を挙げてこれに取り組む所存でありますので、市民の皆さんや市議会の皆様の特段の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げたいと思います。  次に、新市が目指す政令指定都市の姿でありますが、新市は国内の市で最大の面積を有し、駿河湾から南アルプスまでに及ぶ豊かな地域資源のもと、農林水産業から商工業まで非常にバランスのよい産業集積が見られ、さらには清水港や高速道路に代表される大規模な社会資本に恵まれておりまして、我が国の都市が備えるべきもののほとんどを持っている都市となります。  このような都市が現行の都市制度の中で、最大の権能と財政力を有する政令指定都市に移行すれば、豊かな天然資源、高次な社会資本、そして東海道の枢軸上のほぼ中央に位置する、地理的優位性などの地域資源を最大限に活用した独自のまちづくりを展開することができます。そして、大都市としてさらに都市機能を集積することにより、すべての人々のさまざまなニーズを高いレベルで満足することができる、質の高い自己完結型の自立した独自性のある新しいタイプの政令指定都市となると考えております。 21 ◯助役(足立徹君) 私からは、新市の顔と題しました一連の御質問にお答えいたします。  まず、訪れる人にとって新市の顔となる北口駅前広場について、どのような整備を考えているかという御質問でございますが、JR静岡駅は1日約13万人が利用し、周辺の市町村を初め県外からも多くの利用者のある県都の玄関口でございます。現在の北口駅前広場は面積約1万 800平方メートルと狭小でありますが、今後は地下駐車場の上部空間を活用し、約1万 7,800平方メートルに拡張する計画でございます。  整備に当たりましては、本市を訪れる人々に美しく魅力ある都市静岡という印象を持っていただくため、中央に十分な広さの修景広場を設けるなど、政令指定都市となる新静岡市の玄関口にふさわしい風格のある景観の形成を目指すとともに、交通結節点としての乗り継ぎ機能の一層の充実を図るため、バス乗り場の集約や、タクシー、団体観光バス、一般車両の乗降場を増設してまいります。  また、地下道につきましては、段差の解消や連絡機能の改善を図り、地上部への連絡はエレベーターなどを配置し、バリアフリー化を図るほか、明るく開放的な地下広場の整備も進めてまいりたいと考えております。  さらに、駅前広場に面した国道1号の交差点改良及び周辺整備につきましても、道路管理者であります国土交通省が市の駅前広場にあわせ、事業を実施していくと伺っております。  続きまして、駅の正面になります紺屋町地区の再開発事業の状況でございますが、紺屋町地区は地区面積約1ヘクタール余の地域で、県都静岡の顔として整備が望まれていることから、平成8年度に再開発事業を目指し準備組合が設立されております。  現在、組合では各地権者の皆様の意向を踏まえ、事業計画及び事業の成立性の検討をしているところでございますが、北口駅前広場の正面に位置しますことから、この地区の整備につきましても早急に進められることが望ましいと考えております。当面は、準備組合の事業活動の推移を見ながら、都市計画決定の準備など積極的に対応してまいりたいと考えております。  続きまして、南口駅前広場を拡張する際のデッキ構想についてでございますが、南口駅前広場は現在約 5,150平方メートルで整備されておりますが、バス、タクシー、一般車両がふくそうし、非常に混雑している状況でありますので、今後、約 8,000平方メートルに拡張する予定でございます。  この整備内容につきましては、学識経験者や公募による市民代表からなる静岡市交通政策協議会におきまして基本構想を御検討いただきましたが、デッキ案につきましては、駅舎の大改造や人の昇降及び費用の面など大きな課題がありますことから、平面利用を主体に整備することが望ましいとの提言をいただいております。しかしながら、将来的には駅前広場周辺の発展、動向などを踏まえ、関係機関と検討してまいりたいと考えております。  最後に、駿府公園に至る御幸町、伝馬町周辺の人の流れ、回遊性、バリアフリー化などの取り組みに対する御質問でございますが、都心部におきまして歩行者の回遊性を持たせることは、中心市街地活性化の観点からも大変重要なことと認識しております。  御幸町、伝馬町地区につきましては、電車、バスのターミナルや商店街があり、駿府公園への主要なルートとなっておりますので、電線類の地中化や案内施設の充実、また駅前や江川町交差点におけるエレベーターの設置などのバリアフリー化を進め、安全で快適な歩行者空間の整備を目指してまいります。  今後につきましても関係者の御意見をお聞きしながら、国、県と協力して取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 22 ◯市理事(井戸一美君) 指定都市に関します4点につきましてお答えいたします。  まず、指定都市移行の手続と課題についてでございますが、指定都市に移行するには、区制に関する決定、県からの移譲事務の確定、区役所の建設、そして同時に県知事、県議会への要望活動や総務省を初めとします各省庁との協議会を行い、市議会、県議会の決議を経て、市長並びに知事の要請、そして指定政令の交付を受けるという手順を踏んでいくことになります。  合併後2年以内を目途に政令指定都市に移行するという合併協議会での目標を達成するには、このように多くの事務を2年間という短期間で確実に、しかも市民や団体への周到なPRや協調のもとに処理をしていかなければなりません。中でも区役所の建設は、2年間に用地の確保や建設を完了しなければならず、大きな課題であると考えております。  次に、県からの移譲事務の処理体制についてでございますが、政令指定都市への移行に当たっては、新市が県からの移譲事務等を着実に処理する事務執行体制が確立をされていることが必要であります。このため、企画部に政令指定都市準備課を新設し、ここを中心に移行にかかわる全庁的な取り組み体制を整備してまいります。  また、移譲事務の処理能力につきましては、新市は中核市の静岡市と特例市の清水市とが合併し、新しい中核市としてスタートすることになりますが、両市とも県からの移譲事務に適切に対応してきた経験を有しているため、その事務処理経験から見て、事務処理能力は既存の政令指定都市と遜色のないものであると考えております。  しかしながら、政令指定都市移行後においてもさらなる発展を目指し、大都市にふさわしい市独自の施策を展開できるよう、その政策立案能力と執行体制を今後ともさらに整えていく必要があると考えております。  そこで、高い見識と政策形成能力を有する職員の養成はもちろんのこと、専門性や資格を有する職員の確保などについても、現在のうちから鋭意これに取り組むこととしてまいりたいと考えております。  次に、指定都市移行によります特例についてでございますが、指定都市には一般市にはない4つの特例がございます。  1つ目が事務配分上の特例、2つ目が行政関与上の特例、3つ目が行政組織上の特例、そして4つ目が財政上の特例でございます。  このうち行政関与上の特例は、現行、府、県と国の二重の関与があるものを、大都市としての能力から、これを廃止しようとするものでございます。具体的には知事の承認、許可、認可などの関与を有している事務につきまして、その関与の必要をなくし、または知事の関与にかえて、直接主務大臣の関与となります。このことにより、地域のさまざまな問題や課題を直接主務大臣に伝えていくことができるとともに、指定都市が事務を直接判断し、執行することにより、総合的で自主的な行政を推進していくことが可能になります。  また、財政上の特例では、移譲事務に見合った道路財源や地方交付税、地方債、宝くじの収益金などの新たな財源が付与されることになります。このように新たな財源の増加と自主的運営によりまして、新市における福祉や保健衛生など市民サービスの充実や、道路交通網の整備などの都市基盤づくりに一層の促進を図っていくことができます。  最後に、区割り審議会の役割などについてでございますが、新市発足後直ちに区割り審議会の設置ができるよう準備を進めているところでございますが、区割り審議会の役割として、新市における行政区をどのように画していくかについて、市長の諮問に対し答申を行うことになります。この審議会の委員には、その職務の重要性から新市の各界各層の代表者や学識経験者の皆さんにお願いして、答申を得た後には、直ちに区役所の建設に着手していくことになるものと考えております。  以上でございます。   〔17番千代公夫君登壇〕 23 ◯17番(千代公夫君) 市長、助役とも活気のある熱の入った御答弁をいただきましてうれしく思っております。  また、政令市に向けても万全の体制で、これを実現する御決意もいただきました。我々議会も大いに研究し、何が必要か、何が市民にとって最善かを考え、実施に向けて努力してまいりたいと思います。このような革命的なことは、本市にとってもうないのでありますから、全力で市長とともに歩みたいと私どもは決意をしております。  さて、新市になっても今の静岡市は、幾つかの課題を抱えております。当然、清水市も同じであり、即解決できる問題ではありませんが、強力にこれに当たり、汗もかく必要があるのです。これらについて何点かお伺いしていきたいと思います。  まず、第1は、環境問題であります。  静岡市は、恵まれた自然、森林、水、空気、そして山、川、海があり、大切に後世に送っていかなければならないということで、平成10年に環境基本条例と基金を設けたわけであります。この条例、基金とも全国有数で、静岡市として誇れるものであります。一方、清水市には、私も勉強させていただいたのですが、興津川保全条例と基金が存在しています。全市的にはなってはおりません。これらを含めて、清水地区全域を包括する新たな条例を早期に制定するべきと思いますが、その方針をお示しいただきたいと思います。  次は、ごみ処理対策であります。新市になっても大変悩まされる問題であります。静岡市のごみの量は一時減少したのですが、昨年また増加したと聞いております。当局が今までいろんな減量の施策を講じてきたことは認知をしております。その最近の状況とその評価はどうかお聞かせください。特にその中で、多くの重量比を占める生ごみについてはどうかお答えください。  さて、この生ごみですが、もう減量対策を講じるだけではなし得ていかない気がします。抜本的な対策を考える時期ではないでしょうか。  それは、私が前議会で提案したバイオマスの考えであります。オガクズやこっぱの木工廃棄物や間伐材、竹材は廃棄物ではなく資源である。やっかいものではなく、燃料として使える資源であると述べたそれであります。生ごみも資源であると解する考えであります。生ごみを発酵させてガスを出させ、燃料として使う、いわゆるバイオマス、この活用策のお考えはどうかお伺いいたします。  次は、安心、安全のまちづくり、災害に強いまちづくりも新市の大きな問題でありますが、時間の都合で地震防災の1点だけお伺いしたいと思います。  阪神から8年、最近テレビでも発災時の対応と、その後の対応の検証が取り上げられておりました。また、阪神の人たちとの連携のシンポジウムも開かれました。静岡新聞では地震防災の長期継続報道を行っております。東海地震が言われております静岡県では、それこそ施設面では全国一の整備がなされており、その点では多少安心、安全と言えます。  しかし、私が前議会で取り上げましたが、ソフト面の防災といいましょうか、これはまだまだであります。机上の訓練はされておりますが、現実問題として突発性地震ではパニックが予想されます。地域での活動として救助活動、医師との連携、ボランティアの対応や民間救急隊などソフト面での訓練や対応も図るべきと思いますが、この辺も含め、方向性と重点施策は何かお答えをお願いいたします。  次は、教育行政について2点お伺いいたします。  小嶋市長は、教育部門においても、幾つかの時代の変化を的確にとらえた政策をとってまいりました。  例を挙げますと、先ほどの防災面での学校の耐震化の積極推進、温かみのある教育環境実現としての木製机、いすの導入等々であります。さらに、現下は少子化の社会環境の変化に対応した学校統合、幼保一元化など困難な課題に取り組み、一定の道筋をつけられて、本市の独自性、主体性を示してきたわけであります。  この改革の総仕上げが、このほど新たに2学期制の導入として示されたものであります。これに至った経過、期待する効果等今後の方針についてお伺いいたします。  教育の2つ目、総合学習についてお聞きしたいと思います。  平成14年度から総合学習が本格導入、本市においても各方面の民間の活用がされていると思います。  皆様方御存じでしょうか、NHKで放映されている番組で「課外授業ようこそ先輩」という番組がございます。この番組は、芸術や文化、スポーツ、産業など各界で活躍されている方々が出身校である小学校を訪ね、後輩である小学生に熱っぽく語るものでございます。これは大変よいと思ってます。苦労話に耳を傾ける子供たちの生き生きした姿、実体験に基づいた話というのは胸を打ちます。感動を与えます。  これと同じで、市内にも超一流じゃなくても、身近に熱く生きている先輩がいらっしゃいます。地道に成功したこの方々のお話を聞いたり、一緒に体験することは、教科書や先生からは得られがたい貴重な時間を持つのではないでしょうか。そこに静岡らしさがあるのです。静岡らしさを総合的な学習の時間でどのように取り組んでいくのかお聞かせください。  次は、福祉行政についてであります。  平成14年の静岡市の高齢化率は18.4%となり、御多分に漏れず急速に進展をしております。介護保険制度も始まって、第2期計画に進みます。少子化傾向もとどまるところを知らない現状と核家族化とで介護施設への入居希望は増加しております。特に特養ホームにおいては入所希望が高く、入所待ちが大勢いる現状があります。  そんなこんなで、このほど静岡市の市有地への公募方式による民設民営の整備が、新しい手法として取り入れられました。富士見団地の複合的手法であります。  市街地に広い土地を確保するのは一福祉法人では至難のわざであり、勢い郊外へとなるわけであります。この特養のその後の進展ぐあいはどうなのかお聞かせください。また、シルバーハウジングも計画されていますが、市街地に近い団地は建てかえだけでなく、これらの手法も考慮していくべきと思いますが、いかがでしょうか。  新市に引き継がれる課題の最後でありますが、都市が活性化していくには産業が必要であり、そこに雇用と消費が生まれます。今回、清水地区を含めますと産業構造が多少違ってまいりますが、基幹産業としてのお茶があることは論を待たないでしょう。  静岡が政令市になりますと農業粗生産も断トツの一番です。売り物がある、それがお茶であります。政令指定都市でこんなところはないのであります。  このお茶でありますが、先日、世界お茶フォーラムが開かれ、花粉症にも効果との特別講演がありました。もちろんそれ以前からがん予防効果も言われ、お茶の効能のすばらしさは多方面から言われているわけであります。  では、茶生産の現状はどうでしょうか。静岡市の粗茶の生産量は減少をしております。当然、栽培面積も減っております。生産農家の高齢化と後継者不足は相変わらずであります。このままいくと静岡の生産は大変危ぶまれます。これは、私が何回か指摘をしていることでありまして、「静岡のお茶がこけたら、静岡の産業がこける」であります。  今、産地表示や農薬問題、偽装問題が大きく取り上げられておりまして、業界としてしっかりと対応しないと、静岡は自分で自分の首を締めることになります。静岡の茶生産がなくなれば、静岡茶もなくなるわけであります。  強力な振興策をとる。行政もその体制をつくる。生産者も自分のこととして努力する。業界も自覚をする。そういう時期であります。この辺の策はどうか、お伺いいたします。  最後でありますが、にぎわいのある町、人の集まる町も本市の目指すものであります。歴史文化があり、観光百選の日本平もある。どうもこの観光が1つの産業として位置づけられていない気がして仕方ありません。この観光も静岡の産業の大きな1つであり、産業としてとらえ、連携して振興していくべきと思いますが、今後の取り組みはいかがかお伺いしまして2回目を終わります。 24 ◯市長(小嶋善吉君) 私からはバイオマスの利用対策について本市の対応ということでお答えいたしますが、現代社会は高度経済成長の影響を受けまして、大量生産、大量消費、大量廃棄をもたらしたことの反省から、資源循環型社会への転換が求められているところであります。  こうした中で、本市のごみの組成分析によりますと、家庭から出る生ごみは約49%とごみ全体の半数を占めているところであります。したがいまして、ごみ減量対策は、この生ごみ対策に尽きると言っても過言ではありません。  そこで本市としましては、生ごみの減量化と同時に再資源化を図るために、1つは、レストランや食堂だけでなく、一般家庭を巻き込んだ形での収集形態の研究、2つ目にバイオマスガス化の研究、検討、3つ目にメタン発酵後の残渣の肥料化、並びにその販路の研究等目的とした生ごみ対策プロジェクトチームを早急に立ち上げてまいりたいと考えております。  次に、富士見団地内へ整備いたします特別養護老人ホームの現状、整備手法、今後の福祉施設整備にどう反映させていく考えかという御質問でありますが、富士見団地内への特別養護老人ホームの公募につきましては、介護施設への入所希望者が増加していることから、その緩和を図るとともに、用地の取得が困難な市街地への整備を促進するという観点から、今回、団地の一角を民間の法人に貸与して、民設民営の手法により特別養護老人ホームの整備を計画したものであります。  今回、整備をする特別養護老人ホームにおきましては、質の高いサービスの提供はもとより、地域に開かれた住居として性格づけをし、十分な交流機能を持たせるなど、いわゆる新型特養として入居者にとって真に快適な生活環境を実現するとともに、同じく団地内に計画をされていますシルバーハウジング──高齢者世話つき住宅といいますが──への支援を担うことを目指しております。  そこで、今回の公募に当たりましては、市内だけではなく、県内に法人本部を持つ社会福祉法人で、特に特別養護老人ホームの運営に経験の深い67の団体に対して案内をいたしましたところ、11の法人から意思表示がありましたが、結果的には締め切りまでに3法人からなる正式な応募がございました。現在、外部の委員で構成をされます選定組織において、応募案件について審査中であります。  なお、整備のスケジュールでありますが、平成16年度に建設し、17年度に開所する予定であります。  今後につきましても、今回の富士見団地での試みを生かし、市営住宅と特別養護老人ホームなどの福祉施設との複合化の促進につなげてまいりたいと考えております。 25 ◯環境監(青島康昭君) 環境基本条例の御質問と、ごみ処理等の現状についての御質問にお答えいたします。  まず、新市の環境基本条例の策定についての御質問でございますが、本市では環境の保全と創造に関する基本理念や、市民、事業者等の責務、そして基本的な施策を定めた静岡市環境基本条例を平成10年に施行し、全市一丸となって環境施策を推進しているところであります。  今回の合併に伴い、環境基本条例について協議したところ、清水市には環境基本条例が策定されていないため、合併後の新市には、新市の特色にあわせた新たな環境基本条例が必要となっております。  そのため、資源循環型社会への対応を初め、自然との共生、環境教育の充実などに向け、広大な市域を有する本市の将来を見据えた環境の基本的フレームを構築し、平成15年度中に策定したいと考えております。  策定に当たっては、両市の学識経験者、事業者、市民団体の代表や市民公募委員等で構成する仮称条例制定検討委員会を設置し、多岐にわたる環境分野の意見を伺うとともに、作業チームとして全庁的に対応するため、庁内プロジェクトチームを立ち上げる予定でございます。  次に、ごみ処理等の現状についての2点の御質問でございますが、まず最近のごみ量の変化とごみ減量化施策についてどのように評価しているかとのことでございますが、本市のごみ量は平成9年度からの推移を見てみますと、可燃ごみ及び不燃、粗大ごみの合計で、平成9年度は20万 9,510トン、10年度21万 5,131トン、11年度18万 7,311トン、12年度20万 1,120トン、13年度19万 2,497トンとなっており、平成14年度は増加傾向にあります。  この間、平成9年4月1日よりペットボトルの拠点回収を開始し、平成10年4月1日からは家庭用生ごみ処理機の購入費の補助を実施いたしました。さらに、平成11年4月1日から家庭用ごみ袋の指定制度の実施、新聞、雑誌などの5種類の行政回収の実施、また平成13年4月1日からは不燃粗大ごみの戸別収集の実施など、さまざまな減量施策を展開してまいりました。特に家庭用ごみ袋の指定制度が実施された際には、ごみ量が前年度比約2万 8,000トン、率にして約13%の減少となりました。また、平成13年4月1日から実施した不燃粗大ごみの戸別収集では 8,600トン、率にして 4.3%の減少となり、家庭用ごみ袋の指定制度と同様、ごみ減量について大きな効果を上げてまいったと認識しております。  次に、2点目の現状本市が行っている生ごみ対策の状況はどうなっているかとのことでございますが、現在、行っている生ごみ対策としては、一般家庭から排出される生ごみの減量化及び再資源化を促進するとともに、ごみ問題に対する市民意識の向上を図るために、コンポスト及び家庭用電気式生ごみ処理機の購入希望者に対し補助金を交付しております。コンポストは平成4年度から補助事業を実施し、平成13年度までに 4,803基を補助いたしました。家庭用電気式生ごみ処理機については、平成10年度から補助事業を実施し、平成13年度までに 2,417台を補助いたしました。両事業とも当初応募者も多く、補助対象者を抽せんしたこともございましたけれども、最近は応募者も減少傾向となっているところでございます。  以上でございます。 26 ◯防災監(中野敏男君) 今後の地震防災対策の方向性と重点施策についてのお尋ねでありますが、地震防災対策初め各種の防災対策は、当面は両市の現行防災計画に基づき、それぞれの地区で実施されますが、新市の防災対策の基本を定める静岡市地域防災計画が策定され次第、この方針に基づいての防災対策が推進されます。  新しい地域防災計画は減災と協働、すなわち災害の力をうまくかわし、被害をできるだけ小さくする減災と、住民と行政、それにボランティアなどが地域全体となって事に当たる協働という考え方が、これまで以上に強化されたものになると考えております。  重点施策としましては、地域防災の核となり、かなめとなる自主防災会との密接な連携のもとに、これまで行ってまいりました防災座談会や通常の防災訓練はもちろんでありますが、シナリオのない、より実践的訓練である発災対応型訓練、さらには静岡市が県下に先駆けて実施し、関係者間の信頼関係が醸成されつつある地域、学校、行政による三者会合をさらに発展させ、地域医療関係者の参加をいただいた四者会合として積極的に実施してまいりたいと考えております。  以上であります。 27 ◯教育長(織田元泰君) 最初に、2学期制に関する2点の御質問にお答えします。  まず、2学期制を導入するに至った経過についてでありますが、平成14年度より完全学校週5日制や新学習指導要領の全面実施などにより、児童生徒を取り巻く学習環境が大きく変わってきました。具体的には平日における授業時間数の増加や、体験的な学習を重視する総合的な学習の時間の導入、さらには多角的な検証、評価を必要とする絶対評価の実施などであります。  今回の教育改革は、ゆとりの中で生きる力をはぐくむことを大きなねらいとしていますが、一方で、アンケート調査によりますと、児童生徒、教員ともに、これまで以上に多忙感を感じており、何らかの対策を求める声が多いという実態がございます。  これらの課題を解決するためには、2学期制が有効であると考え、平成14年7月に8名の市立の校長による2学期制検討委員会を設け検討してまいりました。その結果、基礎的、基本的な内容の確実な習得とともに、みずから学び、みずから考える力などの生きる力の育成を図る教育を推進するためには、学習する子供の時間的、精神的なゆとりが必要であり、このゆとりある教育活動を行うためには、1年を細かく3つに分ける3学期制よりも、大きく2つに分ける2学期制の方がより効果的であるとの結論に至ったため、導入を決定したものでございます。  それから次に、2学期制の効果と今後のことについてのお尋ねでございますけれども、2学期制を導入した場合の効果として、各学期の期間が長くなり、児童生徒にとってゆとりの中で学習や行事へ腰を据えて取り組むことができるようになります。ゆとりが生まれる主な理由ですが、2学期制になりますと10月中旬が学期の区切りとなることから、これまでの3学期制と比べ、始業式や終業式が年6回から4回に減り、また通信表もこれまでの年3回から2回に減ることとなります。始業式、終業式などの儀式的な行事が減ることで、かなりの授業時間が生み出されるとともに、これまで成績業務に追われていた7月や12月などにもゆとりができるため、そこで生み出されたゆとりを授業や学校行事に振り向けることで、落ち着きのある、また基礎、基本に重点を置いた学習に取り組むことができるようになると考えられます。  さらに、児童生徒にとっては学期の途中に長期休養を挟むことで、より長い学習時間が確保できることから、総合的な学習などにおいて、じっくり時間をかけた計画的な取り組みができるとともに、教師にとっても児童生徒の学習などの確かな見届けができるため、評価の信頼度が高まるという効果も期待できます。  以上のように2学期制を導入することで年間のサイクルを見直し、児童生徒にとってゆとりと充実のあるよりよい生活リズムをつくり出し、特色ある学校運営を推進できるものと期待しております。  また、今後の予定ですが、平成15年度は小学校28校、中学校16校が実施する予定です。これらモデル校での成果と課題を踏まえ、17年度から本格的に2学期制に移行する予定ですが、新市での小中学校の実施状況などを見ながら、弾力的に対応していきたいと考えております。  それから次に、総合的な学習の時間での静岡らしい取り組みについてのお尋ねでございますけれども、本市では総合的な学習の時間の中で、専門的な知識や技能を有する地域の人材を積極的に教育活動の場で活用するために、平成13年度より民間教育力活用事業を立ち上げ、大きな成果を上げているところであります。  例えばある小学校では、茶園で農家の方の実演と指導のもと、手摘みや手もみを体験し、静岡市のお茶のよさや農家の努力について実感を伴った学習を進めました。また、竹千筋細工の実技指導のもと、実際に細工づくりに挑戦し、指導者の巧みさと実際の難しさを比べながら、改めて静岡市の伝統工芸のすばらしさや重みを深くを考えていました。
     ある中学校では、保存会の方を招き、地域の神楽を舞ったり、伝承への努力を学んだりして、保存に向けた情熱を肌で感じ、地域への誇りと愛情を持つことができました。  また、林業関係者の指導のもと植林や枝打ち等の森林を生かした野外活動を行い、環境を守る森林の働きや林業の大切さを学び、市域日本一広い面積を持つ静岡市の森林についての理解と誇りを持つことができました。  今後とも静岡市の恵まれた自然を生かした諸産業や歴史文化等に関する学習を学校内外を学習の場とし、地域の人材の皆様方の御協力のもと、体験的に学習する静岡らしい取り組みを展開していきたいと考えております。  以上でございます。 28 ◯産業振興部長(荒木貞夫君) 基幹産業であるお茶の生産の振興策についての御質問にお答え申し上げます。  本市のお茶は、多くが中山間地の急傾斜地で生産されておりまして、他の地域の茶生産地に比べ生産性が低く、また従事者の高齢化や後継者不足が顕著になっております。  このため、認定農業者を初めとする担い手の支援、それから農道や園地の改良、茶改植などの基盤整備や乗用型茶刈機などの省力化機械の導入、それから共同製茶工場の建設等の支援を行い、お茶の生産の一層の省略化、効率化、高品質化を目指してまいりたいと考えております。  また、新市の組織におきましては、お茶の生産から販売までを行うお茶振興担当を新たに設置し、静岡のお茶の振興に取り組んでまいります。  以上でございます。 29 ◯健康文化部長(望月正敏君) 観光行政に対する取り組みについてお答えいたします。  清水市との合併によりまして観光資源がふえ、幅広い取り組みや、新たな観光施設の期待がふくらむなど、観光振興を図る上で絶好の機会となります。  観光はホテル、旅館業を初め飲食業、農林水産業から旅客運送業など地場産業に至るまで関連する産業のすそ野が広く、経済波及効果が大きいことから、文化や人々との交流などを重視しつつも、産業との結びつきを強くし、地域産業の活性化と都市の魅力を高めることが求められているところであります。  このため新市では観光部門を経済部に移し、さらに活発な経済活動を促進するとともに、にぎわいと活気のある町を目指した観光行政を展開してまいりたいと考えております。  以上でございます。   〔17番千代公夫君登壇〕 30 ◯17番(千代公夫君) 3回目です。意見と要望を述べていきたいと思います。  私は、政令市となって全国に誇れるものが、この新静岡市にはたくさんあると思うのであります。何点か示してみたいと思います。  面積は自動的に日本一の政令市になります。日本一人口の少ない政令市、これとて日本一は日本一であります。  先ほど述べましたが農業粗生産額も、農地面積も、そして森林面積も日本一の政令市です。海抜のゼロメーターの大清水港から 3,000メートルの山々を持つのは、静岡市が唯一であります。日本一のお茶と、そして水も言っておきましょう。そのほかに富士を仰ぎ、温暖な政令市。海、山、川の幸がいっぱいの政令市。サッカーやテニスの楽しめる政令市。登呂から今川、徳川の歴史と文化のある政令市。東京、名古屋の大都市から1時間のいやしの政令市などなどであります。  ───────────────────────────────────────────────────────────新静岡市は、自信を持って政令市に向かっていきたいと思います。この静岡のよさをどう生かすかは、市長のリーダーシップにかかっています。  先ほどは自己完結型、独自性のある新しいタイプの政令市をと市長の意気込みを聞かせていただきました。ともに新しい静岡市に向かって頑張っていこうではありませんか。  最後に、数々の思いを、そして提案をさせていただいたこの演壇去るのはつらいのですが、2年後のことはわかりません。ぜひ戻ってきたいという願いを込めております。ありがとうございました。 31 ◯議長(沢入育男君) 暫時休憩いたします。         午後0時6分休憩    ─────────────────         午後1時再開 32 ◯副議長(城内里君) 休憩前に引き継ぎ会議を開きます。  一般質問を続けます。  次は、21番河本泰輔君。   〔21番河本泰輔君登壇〕 33 ◯21番(河本泰輔君) それでは、通告に従いまして2点お伺いいたします。木造住宅の耐震補強助成制度について、吉津地区の焼却灰対策についてであります。  まず最初に、木造住宅の耐震補強制度についてであります。  皆さん御記憶のように、先月の1月17日は阪神・淡路大震災から8年目でした。現地ではいろいろな催しが行われ、終日テレビでもその模様が放映されていたところでありますけども、被災者の中から当時中学2年生で、現在22歳になられた方が震災で友達が8人亡くなった、もう8年もたつのですねと。建物は建ったけれども人の命は返ってこない、震災がどんどん風化しよるけど、絶対に忘れたらあかん。  また、復興市営住宅に住んでおられる66歳の方は、仮設住宅から引っ越してきたとき、最低限必要な家財道具や敷金など大きな出費となり、 100万円の支援資金がすぐになくなった。そういうことから家賃を3カ月も滞納した。給料が安く、医療費、必要なつき合いの出費など、今なお大変な生活苦を強いられている。  また、商売をされている方などは、この不況のもと融資の返済に苦しみ、これから先の見通しがつかない。  また、全壊した前の家のローンと再建した現在の家のローンの二重返済に必死で働いているが、何で影も形もない家に払わにゃあかんのかなど、被災された人たちが寄せられたそういう模様が新聞報道でありました。  これは国や自治体が復興に当たって、被災者の声に十分こたえられず、生活再建は自力でと個人補償を拒否し、抜本的な公的支援を行わなかった、されてこなかったことが、8年たって被災者により厳しい状況がもたらされているのではないでしょうか。  特に、お年寄りや低所得者、零細業者など社会的に弱い層の方々が追い込まれる、深刻になっている被災者の声であります。このように今なお生活再建ができず苦悩する被災者が少なくない事態を示した1日でした。  ことしは、被災者生活再建支援法を付帯決議で5年以内に見直すとした期限の年ですから、被災者生活再建支援法を抜本的に改正するとともに、利子補給など今ある支援制度の継続や拡充、災害援護資金の免除制度の拡充や公営住宅の住みかえの実現や家賃の減免などの継続など、切実な願いの実現に全力を挙げることが求められると思います。  このような状況の方が相当いるなどの報道でもありました。このように8年たっているのに大変な状況であります。  特に、私たちはいつも言われておりますように、いつ来てもおかしくないと言われている東海地震が予想される地域で生活をしているわけであります。あれが言われてもう26年になったわけであります。ですから、これまでもこの市議会におきましても、あの災害から学ぶべき教訓がいろいろと議論をされてきたわけであります。  私自身も昨年のこの2月の議会で質問しておりますけども、今回も市民の暮らしや命を守る、こういうのが地方自治体の役割でありますから、本市におきましても多くの施策、防災施策などがつくられ、実行されておりますけども、さらに充実したものにする立場から質問をすることといたしました。  木造住宅の耐震補強制度でありますけども、皆さん御存じのように本年度から県が始めたTOUKAI-0の制度は、当市でも1戸当たり30万円で 120戸分、 3,600万円の予算が計上されているわけですけども、この補助制度の活用が低調というような新聞記事が、ちょうど1月の阪神・淡路大震災を前後して報道されていたと思うんですけども、この木造住宅の耐震補強制度の活用をするに当たっては、まず耐震精密診断がなされなければ使うことはできないわけでありますが、本市の活用状況がどのようになっているのか、2点お伺いします。  精密診断の受け付け件数をふやすためにどのような取り組みがされてきたか。2つ目には、木造住宅の耐震補強制度の実施状況、これがどうなっているか2点お伺いします。  2つ目は、吉津地区の焼却灰対策についてであります。  前議会でも私は質問しましたけども、この吉津地区の焼却灰対策は、今回は昨年末に元解体業者が行った調査結果に基づいて、今後の対応においても大変この重要な問題があるということでお伺いするわけです。  さて、前議会では、質問の中で、建設残土処理検討プロジェクトチームを結成し、対応を検討する。それらの中身は、処理の仕方にも幾つかの選択肢があり、より効果的で経済的な方法など、他の自治体の処理事例なども含め検討し、できる限り早く具体的な対応策を検討すると。これをほうっておけば環境が汚染されることにもなり、というような中身の答弁でありました。この答弁は、地域の皆さんを含めても、当然求められるものであったと思います。  そして、今回、元解体業者が依頼した調査結果が発表されたわけですけども、これを見ますとA地点では 650ピコグラム、Bが 150、C地点では 1,500ピコグラムの数値が示されておりました。また、地元の皆さんが依頼した総合研究所が行った調査結果では、A地点では前回とは低い数値ではありますけども 2,843ピコグラムの数値が検出されているわけです。どちらをとるにしろ、地点によってはかなり高い数値であると思います。  日本のダイオキシン汚染が全国的な広がりを見せて、深刻な事態になっています。ダイオキシンは発がん性なども指摘される有害物質であり、次代を担う子供たちの健康に悪影響を及ぼすものとして、国民に大きな不安を与えてもおります。  以前、環境庁──現在の環境省ですが、発表したダイオキシン類の大気中の濃度の測定結果によりますと、日本の都市は、欧米各国の都市部のほぼ10倍の濃度が記録されていると。既に全国各地には、ごみの焼却施設やその周辺では、当時の環境庁の暫定基準値を大幅に超える高濃度の土壌汚染を引き起こしているという事例もあります。また、母乳や魚などへの汚染の広がりも明らかになっているところです。ダイオキシンによる汚染問題をめぐって農作物の価格が急落すると、こういう事態も起こりました。農産物への残留基準や損害への補償制度がないなど、ダイオキシン問題への行政の対応が急務になっています。  それだけにダイオキシン類について、汚染状況や原因物質や発生過程、健康への影響や安全性、適切な処理方法などについての対策が急務になっています。国や自治体、事業者は欧米に比べて対策が大きく立ちおくれていることを直視し、この解決に全力挙げることが求められています。  既に汚染の事実が明らかになっている以上、手をこまねいて汚染を放置したまま、次の時代に引き継いではなりません。  このようにダイオキシン問題については、この議場でも以前議論をされてきたところですけども、いろいろな危険性が指摘をされてきたところであります。  そこで、今回の吉津地区の件について3点、こういう視点に立ってお伺いします。  1つ目には、元解体業者が発注した今回の調査の数値は低く出たわけですけども、今後、地元住民に対してどのような対応をされていくのか。  2つ目には、当局はこれからの対応として、元解体業者が発注した調査結果に基づいて進めるというような報道がありましたけども、今回、地元が実施した調査結果にはどう対応されるのか。  3つ目には、当局は解体業者の調査結果で検出をされた焼却灰残土のダイオキシン数値に危険性がないとの認識かどうかお伺いし、1回目の質問とします。 34 ◯都市整備部長(西山隆浩君) 木造住宅の耐震補強の2点についてお答えします。  最初に、精密診断の受け付け件数をふやすための取り組みについてでございますが、昭和56年以前に建てられた木造住宅を対象に精密診断を行っておりますが、より多くの利用を促進するため、本年度より我が家の専門家診断、市政ふれあい講座、防災アシスタントによる戸別訪問などの事業を実施し、広報しずおか、報道機関によるPRを行いまして、平成13年度21件に対して、本年度は76件と3倍余の増加となりました。  次に、木造住宅の耐震補強工事補助制度の実施状況でございますが、木造住宅の耐震補強工事補助制度は30万円を限度として補助するもので、今年度は 120件の予定に対し55件の申請となりました。なお、県内の全申請件数はおおむね 200件で、本市の占める割合は約28%と、市民の関心度も高いものと考えられます。今後、精密診断も踏まえ、増加に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 35 ◯生活環境部長(海野洋君) 吉津地区の焼却灰対策についての3点の御質問にお答えします。  まず、1点目の元解体業者が発注した今回の調査結果の数値は低く出たが、今後、地元住民に対してどのような対応をされるのかということでございますが、既に検査結果は地元にお知らせしてありますが、説明会は地元の要望により延期されておりますので、開催に向けて日程の調整を行っているところであります。なお、地元の皆さんには周辺環境への影響は見られないことを説明し、皆さんの不安解消に努めていきたいと考えております。  次に、2点目の当局は、これからの対応として元解体業者が発注した調査結果に基づいて進めるようだが、今回、地元が実施した調査結果にはどう対応するのかということでございますが、今回、原因者が行ったものは、信頼できるデータであると認識しております。市としましては、分析業者は環境省のダイオキシン類調査の受注資格を有しており、検査に当たっては、国が定めた実施要領に基づき行ったものであること、検体の採取に際して、地元の代表者の立ち会いの上行っているものであることなどから、当該データをもとに対応を検討しているところであります。なお、地元の行った調査結果は、1つの参考数値としてとらえております。  最後に、3点目の当局は、元解体業者の検査結果で検出された焼却灰のダイオキシン数値に危険性がないとの認識かということでございますが、焼却灰におけるダイオキシン類の危険性については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の中で基準が示されておりません。しかし、ダイオキシン類が検出されている結果を踏まえ、この対策の一環としてシートがけによる飛散流出防止措置を行うなど安全性の確保に努めております。  以上でございます。   〔21番河本泰輔君登壇〕 36 ◯21番(河本泰輔君) お答えをいただきましたけども、木造住宅耐震診断、精密診断等についても数々の、その件数の向上のために進められていると、取り組まれるということで、ぜひそういう方向でこれからもいってもらいたいなというふうに思います。  それでは、2回目ですけども、この耐震補強診断の問題で、県は今後、耐震診断を受けやすい環境づくり、診断後に工事費を分析して提示するシステムづくりを進めるという方針で、今、開かれている2月県議会では、利用者が少なくて減額補正ということが出されておりますけども、当初決めた5年で一万件の目標という点では、変えないという方針とのことです。  この補強制度も当初を大きく下回っているという状況にありますけども、やはりこういう背景というのは、東海地震に対する危機感の希薄化があるのではないか、こういうふうな新聞報道もあったわけですけども、先ほど述べましたが、やはり耐震精密診断を受けなれば耐震補強補助制度を使うことはできないわけですから、お答えにあったように、さらにPRなどに努めていただきたいと思います。  それから、前回の答弁では、このようにも述べているんです。住宅の倒壊から市民の命と財産を守るということが、地震対策上重要であるということを認識していると。そして一方では、個人資産に対する公費の助成については、さまざまな考えがありますから、当面は公共施設の耐震対策を急がなければならないと、また県内の他都市も同じような内容ということです。  また、そして平成14年、要するに今年度より実施を予定している専門家による診断及び耐震改修工事への助成については、県と本市を含む特定行政庁5市におきましては、対象となる建物や補助を受けるための条件や制度の内容などについて協議、検討をしているということでした。人口の多い県内の5市では、こういう大体同じような横並びというようなことであったと思いますけども、なぜ住宅の倒壊から市民の命と財産を守ることが地震対策上重要であると、こういうふうに認識しているのであるならば、やはり独自の制度をつくる必要があるのではないでしょうか。  既に当局も御存じかと思いますけども、新年度から掛川市では、耐震補強計画に独自の助成をする制度をスタートすると聞いております。これは耐震補強工事を進める上で、当然設計が必要になるわけですから、その設計に必要な分として、上限としては14万 4,000円ということではありますけども、全額市が負担する中身のようです。つまり1戸当たり30万円が実質建設費に使うことができるというものだと思います。  それで、藤枝市でも10万円と、ちょっと中身のことは細かくわかりませんけども、10万円の今の制度以外に上乗せするというふうにも聞いております。そういうことからお伺いしますけども、診断件数の向上促進へ、先ほども述べましたけれども、さらに努めて進めていきたいという点でお伺いいたします。  それから2つ目には、耐震補強補助制度について、前回お答えになった5市での制度の協議や検討、こういうものについてどのようにされてきたのかお伺いします。  次に、吉津のダイオキシンの問題ですけども、市は地元の行った、マクサム社のやった、出た数字については参考値とするというようなお答えであったわけですけども、それと地元で説明会を開く、地元の皆さんとで、まだちょっと先のようですけども、そういうことをすると。私はやはり住民の要望を真摯に受けとめた誠意ある対応と、合意をするまで粘り強く進めていただきたいというふうに思います。  また、先ほど言った住民側が依頼した環境総研を窓口とするマクサム社の数値でも、参考にすると言われたわけですけれども、大変な数値が示されているし、これはやはり危険きわまりないと思います。やはり両方あわせて参考にするという点であるかもしれませんけども、あわせた対応を強く求めます。  前議会の答弁の中でも、市だけでは手に負えない可能性があり、国や県の指導をお願いするとともに、処分するとした場合、処理費に対する助成の要望なども行っていきたいとか、ダイオキシン類の数値が高かったため、ダイオキシンの特性から考えて、周辺の環境や人体への影響などが懸念されることから、早急に事態の把握をする必要がある。また、生活環境の汚染を第一に考え、地域の皆さんの不安を取り除くために最善の努力をしていく。また現在、国でも過去に不法投棄された産業廃棄物の撤去を目的とする新法の制定を検討しているので、今後はこの問題の解決に向けて、国や県などの機関と対応方法について協議し、産業廃棄物適正センターにも支援の協力を要請していくと、こういうようにも述べています。こういう点では、どのような具体的な対応がされたのですか。  また、吉津川、藁科川から安倍川に注ぎ、市民の飲料水として毎日の生活に欠くことができない貴重な水源であります。環境政策課では、この地区の5カ所の井戸水の調査を実施し、危険性はないと発表されましたが、こんなにも大量な焼却灰残土が取水場の上流にあるわけです。やはり市民に対して納得する説明がされるべきだと考えますが、いかがですか。  そこで2点お伺いしますけども、水道局はこの取水場の上流にあるこの焼却灰残土について、どのような認識をお持ちなのかお伺いします。  2つ目には、この焼却灰残土は、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく土壌基準の 1,000ピコグラムを適用すべきだと考えます。当局は産業廃棄物処理法に基づき対応されるようですけども、何に基づいてこの判断をされたのかお伺いし、2回目の質問とします。 37 ◯都市整備部長(西山隆浩君) 最初に、精密診断件数向上促進への取り組みでございますが、市政ふれあい講座などを通じ、診断の重要性を市民に周知し、また戸別訪問の防災アシスタントについても4名を増員することで、なお一層の普及に努めてまいりたいと考えております。  次に、耐震補強工事補助制度について、5市の協議でございますが、耐震補強工事の補助制度につきましては、昨年度は制度発足のため、その内容、補助を受ける条件などを協議、検討してまいりましたが、さらに市民にとって使いやすい制度となることが耐震対策の促進につながることから、申請手続の簡素化、補助対象の基準などについて、5市で歩調を合わせ協議を行っているところでございます。  以上でございます。 38 ◯水道部長(三浦勝君) 取水場の上流にある焼却灰残土について、どう認識しているのかという御質問でございますけれども、上水道の水源は安倍川、藁科川などの河川の表流水ではなく、地下約 100メートルの深井戸から取水する地下水であります。原水の水質は河川の水質に影響されることのない極めて清浄で安定した水質であり、地下水の安全性に問題はないものと考えております。  以上でございます。 39 ◯生活環境部長(海野洋君) 吉津地区の焼却灰対策についての御質問にお答えします。  焼却灰残土は、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく土壌環境基準の 1,000ピコグラムを適用すべきと考えるが、当局は廃棄物処理法に基づき対応するとの報道であったが、何に基づいて判断したのかという御質問でございますが、燃え殻をまぜ込んだ建設残土は産業廃棄物そのものであることから、廃棄物の処理及び清掃に関する法律により対応するものであると認識しております。  なお、ダイオキシン類対策特別措置法では、特定施設から排出されたばい煙等で不特定多数の者が活動する場所が汚染された場合を対象としております。したがって、同法に基づく環境基準は適用されないものと考えます。  以上でございます。   〔21番河本泰輔君登壇〕 40 ◯21番(河本泰輔君) 3回目です。  御答弁をいただきましたけども、ぜひこの精密診断、耐震診断の件数の向上のために、出前講座とかいろいろ施策考えておられるようですので、ぜひ引き続きそういう方向で取り組んでいただきたいと思います。  この補助制度、5市での協議も進められているようですけども、やはり市長の政治姿勢の決断で、ぜひ決めていただけるものだなというふうに思うんですが、どうでしょうか。  先ほども述べさせていただきましたけども、県が減額したとはいえ、5年で1万件の目標と、変わらないということですので、ぜひ大いにふやす方向を検討していただきたいと思います。  それから昨年、東海地震の防災対策強化地域が見直しされて、新たに強化地域の指定を受けたお隣の愛知県でも、個人住宅への補助制度を創設すると、こういう動きが検討されているようです。地震対策、防災など含めて本市は一般的に進んでいると言われているわけでありますから、私、前回の質問で触れさせていただきましたけども、横浜市でも既に実施をしている制度であります。ぜひ補助を受けられる基準の見直し、今、簡素化いろいろ言われましたけども、手続なども含めて積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。  やっぱり市民の命と財産を守る上からも、今、3回目、冒頭言いましたように、やっぱり市長の決断でこの実施に踏み切っていただけるかどうか、そこでお伺いしますけども、市独自の木造住宅の耐震補強制度、ぜひ創設する考えがないかということをお伺いします。  それから、吉津の件なんですけども、私はやはり大変残念であります。答弁では、焼却灰の不法投棄ということだから、産業廃棄物処理法で対応するという答えであったんですけども、やっぱり私も前回も言いましたけども現地を見たり、そしてまた地元の皆さんや現場を見られた皆さんならだれだって焼却灰ではない土壌ではないかと、こういう人ばかりだと思うんです。私はやっぱり対応そのもので、廃棄物処理法でするというのには納得できません。  この吉津地域というのは、半径 500メートルの円の中に、 3,000は切ったといえ 2,800ピコグラム近い極めて高濃度のダイオキシンを積んだ、野積みの焼却灰残土、土壌が3カ所抱えています。その地域には 123軒の方が生活し、全戸が市の水道ではなくて、井戸水で生活をされているんです、飲料水としているんです。水道局は大丈夫だというふうにお答えなんですけども、やはり地元の住民の皆さんや市民にとっても飲料水の水源、地下 100メートルだから大丈夫だというんですけども、少量とはいえダイオキシンを含んだあの大量の焼却灰残土が放置されていることに対して、不安を持つと思うんです。水道局に対して我々は求めますけども、可能性のある手段を駆使して飲料水は安全だとするなら、市民に対してもこういう公表して知らせることを求めます。  それから、昨年末に当局が解体業者に依頼した調査結果、先ほどの答弁でありますように環境基準をすべてクリアしており、安全だと答えられたんですけども、やはり地元の町内会の皆さんが、ことしの1月10日、これはおかしいということで来られて、抗議の文書が出されたと思いますが、この中で市が安全をアピールする根拠として使用しているのが 3,000ピコグラムの処理基準ですが、これを使うのはおかしいと。この 3,000ピコグラムは、清掃工場など特定の施設内の焼却炉内のばいじんなど管理型処分場に埋め立ててもよいかどうかという判断するための処理基準で、この吉津地域は焼却炉の中でもなければ、最終処分場の中でもないと、こういうふうに問うていると思うんです。
     さらに、今回のこの吉津の当該案件は、土と灰がまじった土壌であり、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、土壌基準の 1,000ピコグラムが適用されるべきだと主張されているわけであります。地元の住民の皆さんが主張する土壌環境基準では、 250ピコグラムを超えた場合問題があるので、継続して必要な調査を実施すると定められている内容の文であったろうと思います。  私は、やはり今度のこの問題の最大の分岐点が、あの山積みされているものを焼却灰と見るのか、土壌と見るのかが、分かれ道だと思うのです。  そこで、2点お伺いします。  水道局は将来にわたってもこの焼却灰残土が原因で、被害が出ることはないと考えられるかどうか。  それから次に、いま1つは、廃棄物処理法の処理基準 3,000ピコグラムであるが、具体的にはどのようなものに適用されるのか、お答えいただきたいと思います。  以上、3回目です。 41 ◯都市整備部長(西山隆浩君) 市独自の木造住宅耐震補強工事補助制度を創設する考えはないかとのことでございますが、建築物の耐震対策につきましては、市民の生命、財産を守る上で重要であります。  したがいまして、市といたしましては、公共的建築物の耐震対策を重点的に推進してまいりますが、個人住宅への補強工事につきましては、既存の助成制度を引き続き実施してまいりたいと考えております。  以上でございます。 42 ◯水道部長(三浦勝君) 将来的にわたっても、これが原因で被害が出ることはないのかという御質問でございますけれども、上水道におけるダイオキシン類の監視につきましては、静岡県が定める水質監視地点において、水道法に基づく水質検査を行っております。その結果、水道水質基準を補完する監視項目の指針値1ピコグラムを大きく下回る0.0031から0.0037ピコグラムと極めて低い数値であります。  こうしたことから上水道の水源である地下水の安全性に問題はないものと考えております。  以上でございます。 43 ◯生活環境部長(海野洋君) お答えします。  廃棄物処理法の処理基準は 3,000ピコグラムであるが、具体的にはどのように適用されるのかということでございますが、廃棄物処理及び清掃に関する法律の 3,000ピコグラムは、大型焼却炉等特定施設から排出された燃え殻を処分する際のものであり、この基準を超えるものは 3,000ピコグラム以下にして、管理型最終処分場に処分しなければならないと規定されています。  吉津地区の燃え殻を含む建設残土につきましては、特定施設から排出されたものではないため、この基準は適用されませんが、仮に管理型最終処分場への処分を検討する場合には、この基準を考慮する必要があります。  以上でございます。   〔21番河本泰輔君登壇〕 44 ◯21番(河本泰輔君) 御答弁いただきまして、最終処分場等にするときには、この土壌基準のあれを使うということもあるということでありますけども、既に皆さんも御存じのように、この元解体業者というのはもう廃業されて、この焼却灰残土を処分する費用は捻出できないと、こういう状態だと。  前回の最後に、私が行政代執行でと求めた質問に対して、産業廃棄物処理基準に適合しない産業廃棄物の処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、または生ずるおそれがあり、かつ支障の除去などの処置を命じられた原因者が、当該命令にかかわる期限までに措置を講じないときなどに、原因者にかわって行政みずからその措置を行うことができると規定されていると答えていますけども、1月10日の地元の皆さんに対して、生活環境部長は住民の不安を取り除くよう対策を検討していきたいと、こういうふうに答えられておるようですけども、具体的にはどのような中身でされるのかお伺いします。  1点、地元の皆さんは焼却灰の完全撤去を求めています。これに対してどのようにお答えになられるかお伺いします。  最後に、木造住宅の耐震補強制度について、1点だけ要望を申し上げます。  市長は、新市の市長選挙に立候補を表明されているわけですけども、そこでこの市長はこの制度についての必要性、今、先ほどの答弁でありましたけども、必要性は認めていますし、公共施設を優先にさせていくと、これもいいでしょう。市民の命と財産を守る、こういう点からもぜひ地震対策上重要というふうに見られているわけですから、そしてさらに市民の目線で行政を進めていくというふうにも述べています。ぜひこの補助制度を市民がもっともっと利用すれば、この不況のもとで地元業者の仕事興しにもつながります。  ぜひ先ほど述べましたけども、掛川市や藤枝市が県と同額でなく、新しい制度をスタートさせたわけです。新市では県と同額の上乗せを実現するよう、新しい市の計画に組み入れられるよう引き継ぐことを要望し、質問を終わります。 45 ◯生活環境部長(海野洋君) お答えします。  地元の皆さんは焼却灰の完全撤去を求めているが、これについてはどのように答えるのかということでございますが、今回の件につきましては、各種の検査、調査により周辺環境に問題がないという結果が出ております。市としましては、現在プロジェクトチームにおいて、国、県等と協議しながら経済的かつ効果的な対応策などについて検討しているところでございます。  以上でございます。    ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 46 ◯副議長(城内里君) 次は、11番鈴木節子さん。   〔11番鈴木節子君登壇〕 47 ◯11番(鈴木節子君) では、通告に従いまして質問いたします。  まず、幼保一元化と学校2学期制について、どちらも導入の目的や効果が不明なまま、また全市民的な議論や検証を踏まえずに全国で試行や検討が始まっており、本市においても2学期制は来年度から実施されます。今回は導入の目的や効果、問題点を明らかにし、必要性があるかどうかを検証する立場で質問します。  まず、幼保一元化については、国は幼稚園に通う幼児数が減少する一方、保育所には待機児童の問題が生じており、働く母親の増加に伴い、待機児童ゼロ作戦を実行するためにも、幼稚園の預かり保育の充実を図り、また保育所でも幼児教育の実施を求めるニーズがあるという理由で、幼稚園と保育所の共有化を進めようしています。  地方分権改革推進会議は幼保一元化について、こう述べています。保育に欠ける児童のための福祉施設である保育所と就学前の幼児教育機関である幼稚園との間には、確かに制度的には超えがたい垣根があると認めるものの、幼稚園と保育所はほとんど均質化し、強固な差異は感じられない。それぞれの地域の判断で一元化できるような方向で、今後見直していくべきであり、まずは児童福祉法にまで踏み込み、保育所運営についての国の関与を見直すべきであると述べています。  この中で、特に問題なのは保育所運営費についての国庫補助負担金を一般財源化すべしと述べていることです。市の幼児教育振興プログラムは、従来の幼稚園、保育園という枠にとらわれるのではなく、保護者の勤務形態や育児に対する考え方に応じた多様な対応が求められるとし、幼稚園と保育所に通う子供たちを同じ就学前教育、保育を受ける子供としてとらえ直し、培われた教育や保育のそれぞれのよさを取り入れた新しい教育や保育内容を提供していくと述べています。  質問の1点目に、本来、幼稚園、保育園それぞれの施設が自立した子育て支援機能を持ち、子供たちの発達や成長過程に見合った教育、保育が保障されるべきですが、それぞれの施設の機能と役割のあり方について、幼稚園、保育園の持つ基本的位置づけや機能についても、そもそもどのように市は認識をしているのか、確認の意味で質問します。  2点目に、全国では千代田区、品川区、福井県、県内各町、各地で幼保一元化が検討、実施され、その結果、問題点も浮き彫りになっています。そのメリット、デメリットをどのように認識されているのかを伺います。  3点目に、平成17年度から実施する仮称安東幼児園は、長時間保育は保育所としての認可を受けるようですが、そのためには児童福祉法のもと保育に欠けるという入所条件が不可欠です。この条件はどのようになるのかを伺います。  次に、学校2学期制について伺います。  学校2学期制についても、なぜ2学期制なのか目的や根拠が示されないまま、また父母や教職員などの理解や議論を踏まえずに導入されようとしています。仙台市、金沢市、宮崎市、京都市などで実施、または実施予定となっていますが、本市でも来年度から小学校で28校、中学校では16校、合わせて44校でモデル校として実施し、平成16年度にはすべての義務教育で実施、17年度には本格実施という計画になっています。  導入の理由は、子供や教師の多忙感を解消するということですが、全国的にも議論が始まったばかりで、何のため2学期制か、子供を主人公にして目的や効果が、父母や教師の間で十分な討論になっているのかが疑問です。2学期制が子供たちにゆとりある教育を保障するものになるかどうかという観点から質問します。  質問の1点目に、市の2学期制検討委員会の報告書によりますと、平成17年度の本格導入を視野に入れて、市全体として積極的に検討し、導入することを提案しています。この委員会の組織はどういう構成で、今までどのように検討されてきたのか、検討経過を伺います。先ほど午前中でも答弁がございましたが、確認の意味で伺います。  2点目に、先ほど述べたように全国各地で2学期制の実践が始まっていますが、その効果のほかに実践によるさまざまな問題点や戸惑いが浮かび上がっています。市は、これらの問題による課題をどのように認識しておられるのかを伺います。  3点目に、学校5日制、新学習指導要領の全面実施、絶対評価の導入などにより、子供も教職員も非常に多忙になっています。これまでの土曜日分の授業日数が平日5日間に上乗せされ、6時間授業の実施、教科内容の3割削減、総合的な学習の時間の新設、選択教科の拡大など大きな変化があらわれています。  静岡県教育文化研究所が昨年6月に行ったアンケートによりますと、学校5日制になって授業時間数がふえた、忙しくなった、宿題がふえた、勉強の内容が難しくなったという子供たちの答えが返ってきています。授業の過密、高速化が進み、子供たちへの抑圧となって迫っているようです。  また、子供たちからは先生と接する機会が減った。部活がふえてゆとりがないという忙しくなった学校現場の様子がうかがえます。市は学校5日制、学習指導要領の全面実施、絶対評価の導入により、子供たちや教職員に与えている影響をどのように認識しているのかを伺います。  次に、国保行政の資格証明書交付について伺います。  資格証明書については、これまでもたびたび質問してきましたが、清水市との合併を目前にし、両市合わせて資格証明書交付が全県の4割にも上る状態は、住民の福祉の増進を図ることを使命とする自治体が、反対に市民の生存権を奪う行為を繰り返しており、厳しく批判する立場で質問します。  長引く不況のもと、不良債権処理の名で中小企業がつぶされ、失業や倒産が相次ぎ、リストラによる失業者が増大しています。市民生活は収入が減ったどころか仕事がない。あすの生活費もない。生活していかれないなど深刻な事態に陥っています。本市は国保加入世帯の15%が国保料を滞納し、その16%が資格証明書を交付されています。市の滞納世帯1万 2,800世帯のうち、半数が年間所得50万円以下世帯です。払いたくても払えない実態が読み取れます。  1点目の質問として、 2,000世帯を超す資格証明書交付世帯の所得別階層はどのようになっているのかを伺います。  2点目に、収入のない世帯や低所得世帯も容赦なく保険証が取り上げられています。この方たちは、もともと保険料を払いたくても払えない世帯です。市は減免制度がある、保険料は高額ではないという姿勢を貫き、保険料を滞納している世帯を悪質と決めつけ制裁措置を行っていますが、保険証がなければ医療にかかることもできず、病気を悪化させ、仕事につけず、ますます収入減になり、生活できないという悪循環を繰り返すだけです。払いたくても払えない人に対し、見せしめのような人権侵害を繰り返すことはあってはならないことですが、その状況を市はどう考えるのかを伺います。  3点目に、資格証明証交付には、要綱2条で、保険料を1年滞納する世帯のうち再三の呼びかけに応じない者、保険料を支払うに足る資力がある者、取り決めた納付方法を誠意をもって履行しない者、意図的に滞納処分を逃れようとした者、4点のいずれかに該当する者に対して資格証明書を交付するとあります。この4要件、それぞれどのような割合かを伺います。  以上、1回目の質問とします。 48 ◯教育長(織田元泰君) 2学期制に関する3点の御質問にお答えいたします。  最初に、2学期制検討委員会の組織と検討内容についてでありますが、平成14年度から完全学校週5日制や新学習指導要領などが実施され、学校を取り巻く環境が大きく変化したことを受け、平成14年7月に小学校長4名、中学校長4名の計8名を委員とする2学期制検討委員会を設け検討していただくことといたしました。  第1回目の会議では、完全学校週5日制の導入などが学校生活に及ぼす影響について意見が交わされ、児童生徒及び教員の生活が多忙になった様子が浮かび上がりました。そこで、さらに詳しい学校生活の実態を把握するため、抽出により教員へのアンケートを実施することといたしました。  第2回目は、さきに実施した教員のアンケート調査結果や先進都市の事例などをもとに、児童生徒及び教員の多忙感を解消し、生きる力をはぐくむ上で2学期制が果たす役割、2学期制を施行する場合の形態や課題などについて意見をいただきました。  第3回目は、導入した場合の効果や課題などを整理するとともに、予想される課題への対応策、並びに導入する場合のスケジュールなどについて検討いたしました。  以上のような検討経過を経て、平成15年度から2学期制を施行するという報告書を取りまとめ、市教育委員会並びに校長会への説明を行い、施行することになった次第であります。  次は、2学期制の導入で、懸念される問題点についてのお尋ねにお答えいたします。  新たに2学期制を導入するに当たっては、児童生徒はもちろんのこと、さらには保護者や地域の皆さんにも十分説明し、理解していただくことが重要であります。  まず、成績表が年2回になることから、子供の学力の様子がわからない。また長期休業に向けての学習意欲の低下への不安などが予想されることから、7月や12月の長期休業に入る際に、親子面接などを行い、それまでの学習の様子、長期休業中に取り組むべき課題などを示すことで解決できると思われます。  次に、1つの学期が長くなることで定期テストの範囲が長くなり、児童生徒の負担が増す可能性があります。この点については、単元ごとに小テストを行うなど、テストの範囲が広範囲にならないように工夫をしてまいります。  3つ目に、評価の時期が10月初旬となり、中学校の3年生にとっては、進学用の調査書との関連が問題になりますが、この点については、県教育委員会とも協議の上、12月末の評価を調査書の評価とすることができる旨を確認いたしました。  その他2学期制を施行していく中で出てきた課題につきましては、教職員が一致協力して、よりよい姿になるように努力してまいりたいと思います。  それから最後に、学校5日制、新学習指導要領の全面実施、絶対評価の導入が児童生徒、教員に与えている影響についての認識はどうかとのお尋ねでございますけれども、平成14年7月に地域や学校規模等を考慮して、静岡市の小中学校の約3分の1に当たる 470名の教員に、「完全学校週5日制や新学習指導要領の全面実施が学校運営に及ぼす影響について」というアンケートを行いました。  小中学校においては、児童生徒の平日の生活の負担が増加している状況にあります。これは完全学校週5日制の導入による平日の授業時数の増加や、体験的な学習を重視する総合的な学習の時間の導入などによるものと思われます。また、学校行事や特別活動の準備などを行うにも放課後の時間に余裕がなく、主体的な活動する時間の確保が難しい状況になっています。  一方、教員については、絶対評価の導入により児童生徒にきめ細かな指導と評価をするために、今まで以上に日常の評価の必要性が増し、ノートの点検やテストの採点などの仕事が多くなっています。  また、休日の児童生徒の生活については、ゆとりができたと感じ、家族や友達と過ごす時間がふえ、自分の好きなことに取り組めている様子を把握しているところでございます。  以上であります。 49 ◯教育部長(栗本裕君) 幼稚園、保育所の持つ基本的な位置づけや機能についてということでございますが、幼稚園は学校教育法による学校として、幼稚園教育要領に基づいて、3歳児から5歳児を教育する幼児教育施設であります。一方、保育所は児童福祉法に基づく児童福祉施設であり、保育所保育指針に基づき、保護者の就労等により保育に欠けるゼロ歳児から5歳児の乳幼児に対して、養護を中心として保育を行う幼児施設であります。  保育時間などについても、幼稚園は1日4時間を標準として、年間39週を下らないように保育が行われます。春、夏、冬の長期休業日があり、土曜日についても小中学校の学校週5日制に準じて休業日をとっている幼稚園もあります。また、保育所は1日8時間を標準として保育が行われますが、幼稚園のように長期休業日や土曜日の休業日はありません。  このように設立の目的や運営形態が異なる両施設ではありますが、近年、急激な少子化などの幼児を取り巻く社会環境の変化などを受け、国においても幼稚園教育要領と保育所保育指針の整合性も図れていることなどを考えますと、幼稚園、保育所双方のよさを取り入れた新しい幼児教育の推進を図る必要があると考えております。  次に、他の自治体で実施されている幼保一元化のメリット、デメリットをどのように認識しているかということでございますが、静岡市では平成11年から、本格的に幼稚園と保育所の新しい関係づくりについて研究を進めてきました結果、あくまでも子供に軸足を置き、幼稚園と保育所双方のよさを取り入れた保育内容の一元化を図ることを静岡市ならではの幼保一元化としてとらえ、推進していくことといたしました。  しかしながら、幼保一元化については各自治体の抱える課題や幼児の実態も異なり、それぞれの取り組みもまだ浅いことなどから、単純にメリット、デメリットを比較することは困難な状況であります。  したがいまして、現在、推進している、あるいは推進しようとしている他の自治体の幼保一元化についての理念や運営方法、保育内容等について、よい面を大いに参考にさせていただきながら、さらに静岡市ならではの幼児教育が推進できるよう研究を続けていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 50 ◯保健福祉部長(渡辺鍵次郎君) 保育所入所要件はどうなるのかとのことですが、長時間保育部門は児童福祉法に基づく認可保育所を予定しておりますので、入所要件につきましても、市内の他の認可保育所と同様と考えております。  以上でございます。 51 ◯生活環境部長(海野洋君) 国保行政における資格証明書について3点の質問にお答えします。  まず、1点目の資格証明書交付世帯の所得別階層はどうなっているかということでございますが、平成15年2月12日現在、資格証明書交付世帯の所得別階層につきましては、総所得金額がない世帯が14%、50万円未満の世帯が8%、50万円以上 100万円未満の世帯が9%、 100万円以上 200万円未満の世帯21%、 200万円以上 300万円未満の世帯が14%、 300万円以上 500万円未満の世帯が7%、 500万円以上の世帯が2%、所得不明の世帯が26%となっております。  次、2点目の低所得者にも資格証明書を交付しているが、その状況をどう考えるかということでございますが、資格証明書は法令の規定に基づき交付するもので、当然、法の定める要件に当てはまる被保険者には、資格証明書を交付すべきものと考えております。  最後に、3点目の資格証明書を交付する際、取り扱い要綱に定める交付が要件があるが、おのおのどのくらいの割合かということでございますが、平成15年1月に新規に資格証明書を交付しました世帯の割合につきましては、取り扱い要綱第2条第1号、「再三の納付指導及び納付相談の呼びかけに応じないもの」が 261件、76%、第2号、「納付指導において市民税課税台帳調査した結果保険料を支払うに足りる資金力があると認められたもの」が21件、6%、第3号、「納付指導等において取り決めた保険料の納付方法を、誠意をもって履行しないもの」が62件、18%、第4号、「保険料に係る滞納処分を行うに当たり、差押財産の名義変更を行う等意図的に滞納処分を逃れようとしたもの」は、該当なしとなっております。  以上でございます。   〔11番鈴木節子君登壇〕 52 ◯11番(鈴木節子君) では、2回目の質問です。  最初に、幼保一元化について。  幼稚園、保育園は、ともに乳幼児期の子供たちの心身の健やかな発達を確かなものにするための幼児教育施設であるとともに、多様で豊かな活動を通して小学校入学前の基礎を築く就学前教育施設としての役割を担っています。  今の社会状況のもと、子供と親の置かれている状況は、身近な地域から子供の遊び場がなくなり、高層マンションに1日中閉じこもり、孤立した子育てをしている家族も少なくありません。子育ての悩みを相談する相手もおらず、悶々とした日々を送る。育児に自信がなくいらいらする。育児の仕方がわからず子供をたたいてしまうなど育児不安を抱えた親が急増しています。また、食事を与えない、無視するなどの育児放棄、児童虐待など命にかかわる深刻なケースもあり、保育園は入所園児だけでなく不安を抱える親にこたえるべき地域全体の子育て支援、子育てネットワークの核としての役割も担っています。  このような多様な福祉活動を担っている保育所機能こそ整備、充実を図ることが求められていますが、幼保一元化のもとでどのように保育所機能を保障し、拡充していく方針なのかを伺います。  2点目に、問題点への対応策について伺います。  福井県内では丸岡町、松岡町などが幼保一元化を施行し、その結果、小学校教師から、以前は落ち着きのない子供がほとんどだったが、人の話をきちんと聞けて、発表もできる子供がふえたと歓迎する声も報告されています。一方で、成果や課題を探るための保護者や教育委員で構成する連絡協議会には、問題点を行政を相談にしても、その問題は教育委員会、それは子育て支援室へと回される。責任があいまいで、たらい回しにされる。責任を明確にしてほしいと、一元化を目指しながらも分かれる対応に不満が出ています。管轄が分かれ、どこが責任を持って対応するのかが不明では職員や父母は混乱し、問題や課題が生じても解決できません。  また、保育にかかわる職員が不足し、保育所としての機能が果たせないという声もあります。朝夕の保育を非常勤などの配置で間に合わせ、職員の打ち合わせも不十分ということのないよう正規の職員を採用し、充実した体制を整える必要があります。  また、職員の配置基準は満たしているものの、仕事が学級担任のほか事務や預かり保育施行に伴う雑務が加わり教員への加重負担となり、保護者の手をかりて対処しないと回っていかないという報告もありました。  いずれも地域特有の課題ではなく、幼保一元化に伴いあらわれた問題です。これらの課題に市はどのように対応しようとしているのかを伺います。  次に、学校2学期制について。  学校5日制の導入や新学習指導要領のもと、子供たちは、そして教師は行き詰まりや矛盾を抱えていますが、その認識について伺います。  今、教育現場で問われている最大の課題は、すべての子供たちに基礎的な学力をどのように保障するのかという問題です。  かつて大学生の学力低下が社会問題になり、その原因論が小中高の教育にも及んでいます。子供たちは楽しくわかりやすい授業を切実に求めていますが、授業がわかる、楽しいものになっているでしょうか。塾に行くのが当たり前と言われるような異常な事態は、学習内容が系統性を欠いた断片的な知識を詰め込むというゆがみを持っているとともに、基礎的な課目に必要な授業時間を保障していないことも大きな原因の1つと思われます。  また、総合的学習の時間の創設により、教師は何を課題とすべきか下調べや準備に追われ、ますます多忙になりました。  今の子供たちはすぐ疲れたというように、過密な生活スケジュールや過度の競争と管理によるストレスによる慢性的疲労に陥っています。1998年に出された国連子どもの権利委員会の日本に対する意見は、極度に競争的な教育制度のもたらす発達のゆがみ、余暇や遊びなどの欠如、学校嫌い、学校における暴力、いじめ、体罰を指摘しています。また、現在は不登校という大きな社会問題も生じています。
     このような学校現場の抱えている問題を解決していくことに2学期制が不可欠というであれば、その根拠をはっきりと示し、全市民的な議論を起こしていくべきです。問題とされている学力の危機、教育のゆがみは、2学期制で解決するという根拠をお示しいただきたいと思います。  次に、2学期制の持つ問題点について、幾つかの角度から触れてみたいと思います。  1つ目に、学期制は国によって異なり、イギリスやフランスは3学期制を、アメリカやドイツ、フランスなどを2学期制をとっており、いずれにしても2学期制も3学期制も絶対的なものではないと思います。我が国で3学期が制度として明確に定着したのは、1900年に小学校令が改正されてからで、それ以来今日まで 100年もの間3学期制が途中変更されることなく続いてきたのは、3学期制がそれなりの合理性を持っていたからではないでしょうか。  高温多湿の真夏の時期に長期の夏休みを設け、寒さの厳しい正月という民俗行事の季節に冬休みを設けたことによって、1年間の学校行事と子供の生活にリズムが生み出されたと言えます。1学期は学校生活や授業を軌道に乗せる時期、2学期はそれを受けて授業や学校生活を充実発展させる時期、3学期は集大成を図りながら1年間を振り返る時期ともとらえられます。  教師は年間の見通しをとって授業や生活指導の計画をつくり指導に当たっているのではないでしょうか。学区のくくりを見通しを持って活動し、学期末に達成度を評価し、課題を明らかにすることでめり張りをつけることにもなります。  2つ目には、市は2学期制の導入の理由についてゆとりの中で生きる力をはぐくむとし、もたらす効果としてゆとりある学校、活動期間が保障される、儀式的行事が減ることにより授業日数、授業時間が確保され、教育活動にゆとりが生まれることを上げています。ゆとりが生まれると繰り返して言うのであれば、教育からゆとりを奪ったものは何なのかをはっきりさせるべきです。授業にゆとりがないのは、教師の抱える子供の数が多過ぎて、どの子にも行き届いた教育が保障されていないからではないでしょう。  静岡県は教師1人当たりの生徒数が多い方から小学校で全国5位、中学校で全国3位です。現在22の自治体が独自に少人数学級を実施し、ゆとりある教育の実践を目指している中、本市は多くの教職員や父母、子供たちの願いである少人数学級には背を向け続け、2学期制でゆとりが生まれると繰り返すのは、責任回避としか言いようがありません。  また、学校5日制に伴い習熟度別授業が導入されていますが、できる子を優遇することだけが強調されるのであれば、子供の自尊心を傷つけ、一層の学力格差を拡大されるおそれがあります。  3学期制が教育からゆとりを奪ったという根拠は示されないまま、2学期制がゆとりを取り戻すという論法も説得力がありません。  また、長期休業の位置づけをめぐって、これまでの3学期制は学期の間に夏休み、冬休みがあり、ほどよく年間のリズムがありましたが、2学期制ではこのリズムが崩され、学期が分断され、学習意欲の継続が保たれなくなります。  現在、試行中の各自治体ではさまざまの問題点や課題が報告されています。仙台市教職員組合が実施したアンケートによりますと、ゆとりを目指したものの現実はゆとりなく忙しい、楽しくわかる授業にはほど遠い、行事との関係で学期末が多忙になり、始業式、終業式も6時間授業でゆとりがない、通信表を示すことなく夏休みに突入し、子供との話し合いの機会が失われ、親からも課題を持った休みを過ごさせたいという要望がある。行事が9月から12月に集中する結果になり、子供にも負担を強いたなどです。  子供からは3学期は、夏休み、冬休みを挟んで新学期だというめり張りがあった。2学期制になって先生が生徒をきちんと見てくれないようになった。質問したいときに先生がいない。先生が忙しそうで質問すると悪いと気を使う、このように2学期制は多忙感を増大させただけで……(発言する者あり)いえ、違います。これは2学期制によるあらわれです。2学期制は多忙感を増大させただけで、効果を分析した上での改革ではなく、なぜ2学期制なのかという戸惑いだけが広がったことがうかがえます。  以上のように浮かび上がった問題について、どのように対応しようと対策を立てているのかを伺います。  1点目に、1学期が長期休業に挟まれ、学習の継続性に逆効果であるという意見について。  2点目に、9月は評価作業や文化祭、体育祭、遠足などの学校行事が重なり、ゆとりどころか多忙になった。  3点目には、2学期制のメリットが不明、区切りが不自然でスパンが長過ぎるというものについて。  次の質問は、2学期制を導入するためには、制度面での改正が必要になります。市の学校管理規則は、静岡市教育委員会が所管する学校の管理運営の基本的事項について定めてあるもので、条文の中で学期について現在は3学期と明記されています。このままでは2学期制は導入できませんが、まず2学期制ありきで、規則を改定するような乱暴な行為があってはならないことです。学校現場に混乱を招くような改定はすべきではありませんが、学校管理規則の扱いについて伺います。  次に、国保の資格証明についてです。  資格証明書世帯のうち、先ほどのお答えでは2割が所得がないか、50万円以下世帯であり、所得不明も合わせれば5割に上ります。資格証明書交付世帯の76%が納付相談に応じないというだけで悪質と決めつけられ、人権侵害が行われています。納付相談に応じないことは、直接その世帯の個別具体事例は把握できません。例えば病人がいないか、収入はあるか、生活実態はどうかなど一切つかむことなく機械的に交付しているのではないでしょうか。  保険料滞納を余儀なくされている方は、滞納しているだけで市からの手紙は怖くてあけられない。また、再三来る手紙は払え払えというもので、払えなければ市役所に行かれない。弁明書なるものは、裁判所からの差し押さえのような感覚に陥り、怖くて書けないと述べています。  このような市民の苦しみに対して、国が決めたことだから仕方がないといって納付相談に応じない世帯の保険証を取り上げ、人の命が奪われるような事態を自治体が傍観していることは絶対に許されません。納付相談に応じないというだけで、資格証明交付の76%に及ぶ 1,600世帯の市民の健康状態や生活実態を把握することなく、一律機械的な交付は許されません。これらの世帯の個別具体事例を直接本人からきちんと把握しての措置だと言い切れるのかどうか見解を伺います。  静岡県は、昨年11月5日に資格証明書交付について通知を出しています。倒産や失業などで収入が途絶えた世帯、病気で高額な治療を受けたことのある世帯について、特別の事情の有無を判断することが必要であるという内容です。特別な事情については、国が事例として世帯主の病気や事業の休廃止、著しい損失を受けたなど5項目を上げていますが、市は国が決めた取り決めに沿って実施しているという姿勢です。しかし、これは国の例示にすぎません。特別の事情について判断の仕方は、国会答弁では、「法の趣旨にのっとって地方自治体が判断する」、2001年3月、また「自治体が個別具体な事情を考慮して判断する」、2002年10月と答弁しています。  長引く不況のもと失業や倒産やリストラなど多くの国民が生活にあえいでいるとき、生活できているのかどうか、市民の立場に立って判断することこそ自治体の役割です。命綱である保険証を取り上げたらどうなるか、これ以上手おくれによる不幸な事例をふやさないためにも、きめ細かな対応が必要です。市は特別の事情の有無の判断について、どのように対応しているのかを伺います。  以上、2回目の質問とします。 53 ◯保健福祉部長(渡辺鍵次郎君) 保育所機能をどのように保障するのかとの御質問にお答えします。  今回の計画では幼稚園部門が保育園部門を肩がわりするのではなく、認可保育施設としての長時間保育部門で保育所としての保育を実施することから、本来の保育所機能に何らの支障も来すことはないと考えております。  以上です。 54 ◯教育長(織田元泰君) 学校2学期制に関する御質問にお答えいたします。  まず、学力の危機などの問題は、2学期制で解決すると考えるかとのお尋ねでございますけれども、現在問題となっている学力の低下などについては、単に学期制に起因する問題ではないため、学期の変更だけで解決するものとは考えておりません。  しかし、2学期制を導入した場合の効果として、各学期の期間が長くなり、児童生徒にとってゆとりの中で、学習や行事へ腰を据えて取り組むことができるため、児童生徒にとってはゆとりある落ち着いた生活リズムの中で、基礎、基本の定着を重視した学習に取り組むことができます。また、教師にとってもこれまで成績事務に追われていた7月や12月にゆとりが生まれるため、休みの直前まで授業や学校行事などで子供たちと触れ合う時間を持つことが可能となります。  以上のように2学期制を導入することで年間のサイクルを見直し、児童生徒にとってゆとりと充実のあるよりよい生活リズムをつくり出すことができるものと考えております。  それから次に、試行中の自治体で生じているさまざまな問題点、特に3つの点を上げておられますが、その点についてどう考えるかとのお尋ねにお答えいたします。  まず、学習の継続性の問題ですが、1つの教材を長期休業で区切り、残りを休業明けに行うのではさきの学習との持続性がなく、教育的な効果が望めません。学校では各教科の年間カリキュラムを作成しておりますので、学期の途中に長期休業があっても、教材を中途で区切るような心配はないと思われます。  次に、評価や学校行事との関連ですが、9月の評価の時期に4月からの評価をまとめて行うのでなく、7月までの評価のまとめについては、夏休み中に実施できます。9月の評価の時期は、7月までの評価に夏休み明けの学習の評価を加えることになり、教師としても成績事務に大きな負担を強いるものではないと考えます。  また、学校行事についても2学期制のサイクルに合わせた見直しを行い、一時に集中することのないよう各学校での工夫を期待します。  最後に、2学期制のメリット、学期の長さについてでありますが、まずメリットとしては始業式、終業式などの儀式的な行事が減ることで授業時間が生み出されるとともに、これまで成績事務に追われていた7月や12月などにもゆとりができます。そこで生み出されたゆとりを授業や学校、学年行事、体験学習などに振り向けるだけでなく、基礎、基本に重点を置いた学習に取り組むことができるようになると考えられます。  また、学期の長さについても、1つの学期が 100日前後と長くなることで、授業時数の少ない技術・家庭、音楽などの教科についても確かな見届けができるとともに、他の教科においてもゆとりの中で、きめ細かな指導と評価ができるものと期待しております。  それから、第3に、学校管理規則についてのお尋ねでございますけれども、学校管理規則についてはモデル校での試行が始まる平成15年度の当初に改正しまして、3学期制を基本として2学期制も実施できる形にする予定であります。  以上です。 55 ◯教育部長(栗本裕君) 幼保について各地でデメリットが報告されているけれども、その解決策ということでございますが、幼保の一元化の取り組みにつきましては、各地で地域の実態に合わせた取り組みが進められておりますけれども、所管部署や人的配置などが異なるため、本市が取り組もうとしている事業とは直ちに結びつかない点が多いと思われます。  他市におけるデメリットのうち、所管が分かれ、責任が明確でないことにつきましては、本市としては教育委員会が主体で運営することとなりますので、今後、保健福祉部と細部にわたりまして協議を行い、具体的な事務や責任の分担を明確にしてまいりたいと考えております。  次に、人的配置についてでありますが、長時間保育部門につきましては、保育士資格を持つ幼稚園教諭で運営することから、既に平成14年度から保育士と幼稚園教諭の研修交流を1年単位で実施しており、保育所の養護と教育の経験を積み、確かな実践ができるよう努めております。  また、短時間保育部門、長時間保育部門ともに他の市立の施設と同様の人的配置を考えており、さらに事務内容も多岐にわたりますので、事務員や用務員の配置も考慮していきたいと考えております。  今後、他市の取り組みも参考にしながら、静岡市ならではの幼児教育のあり方を追求し、就学前教育の充実を図りたいと考えております。  以上です。 56 ◯生活環境部長(海野洋君) 国保の資格証明書について、2点の御質問にお答えします。  まず、1点目の資格証明書の交付において、その世帯の生活状況や健康状態などの特別な事情を判断して交付しているかということでございますが、資格証明書は保険料の滞納世帯のうち、再三の納付指導及び納付相談の呼びかけ等に応じない者など、取り扱い要綱第2条各号の規定に該当する世帯に対し、特別な事情の有無を判断して交付しております。  次に、2点目の特別な事情の有無を判断することが必要とあるが、市はどう対応しているかということでございますが、文書による納付相談の呼びかけ、電話による折衝、休日納付相談の設定及び戸別訪問などにより生活状況等の把握に努めております。  以上でございます。   〔11番鈴木節子君登壇〕 57 ◯11番(鈴木節子君) では、3回目の質問をいたします。  最初に、幼保一元化についてですけれども、国の保育に関する動向を見てみますと、幼稚園教育と保育をそれぞれ地域の判断で一元化できる方向に見直し、その見直しに関しては、国の補助負担事業見直しの見地で行うと主張しています。さらに、保育所の運営への国の関与が強過ぎるがゆえに一元化できないのであれば、児童福祉法にまで踏み込み、国の関与を根本から見直す。また、保育所の設置、運営について、全面的に地方の判断にゆだねるべきとの合意が形成されるなら、保育所運営費国庫負担金の一般財源化も検討されるべきとしています。  1997年、児童福祉法が改正され、保育所は措置制度から外され、実質的な措置制度の解体を進め、その後も民間企業参入を認め、財務負担の削減を図ろうとしています。  幼保一元化を理由に児童福祉法の見直し、国庫負担金の一般財源化などは、現行の保育制度の後退だけが論点にされているように思えます。今後の行政責任の大幅な後退に拍車をかけるものと危惧しております。  少子化社会への対応に向けた取り組みが進められているとき、国の責任はますます重大です。保育所運営費は、国と地方自治体が保護者とともに子供を育成する責任を明確にしたものであり、現行制度を変えることは、それぞれの責任をあいまいにします。幼保一元化の目指すものは、結局、国の公的責任の後退につながるものであってはなりません。この国の動向を踏まえ、市はどのようにお考えかを伺います。  2点目に、今後の体制について伺います。  市の幼児教育振興プログラムは、園内外の保育交流の促進、幼稚園教員と保育士の研究、交流の推進、新しい幼児教育の研究、研究実施園の開設などを事業として挙げています。まだまだ実践はこれからというものですが、多くの父母から求められている本来の幼保一元化とはどうあるべきか、まだ議論は不十分です。  実践しながらも問題点があれば解決を図り、必要であれば計画の見直しを行うための組織づくりが必要ですが、どのように体制をつくっていくのかを伺います。  次に、学校2学期制について。  3学期制がゆとりを奪っているという根拠も、2学期制でゆがみや矛盾が解決するという明確な説得力もないまま、子育て、教育に直接かかわっている親や、教師や、市民の意見を聞くことなく、トップダウン方式で強硬に2学期制を押しつけているような感じを受けます。  また、子どもの権利条約では、子供自身に関するすべてのことについて意見表明権を認められているにもかかわらず、彼らの意見を聞くこともなく、強行に推し進めることは問題です。  私は、2学期制か、3学期制か、どちらがすぐれているかというような矮小化した議論に終始するつもりはありません。子供たちにゆとりを取り戻すというのなら、ゆとりを奪ったのは何が原因か、教育行政そのもの、根本にメスを入れる取り組みこそ必要です。乗りおくれるなと慌てて駆け込むような拙速な導入は、学校現場に混乱を来すだけです。まず教職員、保護者、市民、子供を対象として十分議論を尽くし、納得と合意が得られるまで、強引な導入はすべきではありません。そのお考えについて伺います。  3つ目に、国保の資格証明書について伺います。  今、国の悪政のもとで医療や年金、雇用保険など社会保障の改悪に次ぐ改悪で、国民に負担増と給付削減を押しつけ、市民生活は大変な苦労を強いられています。このようなときにこそ、国の悪政から住民を守る防波堤としての自治体本来の役割が求められています。  むだな大型開発は温存し、一方で不況にあえぐ市民に容赦なく保険証を取り上げる冷たい政治を押しつけているのでは、市長の姿勢が問われています。新市の市長選に立候補を表明している市長が保険証を取り上げ、命や健康を脅かす行為を今後も続けるのかどうか問われているところです。  今、改めて国民の生存権をうたった憲法25条や社会保障及び国民保健の向上に寄与するとした国保法第1条に立ち返って対処することが必要です。  滞納を理由に保険証を取り上げるのでなく、社会保障の原点である、いつでも、だれでも、安心して医療にかかれるというこの精神で、正規の保険証を交付すべきと考えますが、どのようなお考えかを伺います。  以上、3点目といたします。 58 ◯保健福祉部長(渡辺鍵次郎君) 幼保一元化は、現行保育制度後退の危険性があるのではとの御質問ですが、今回の幼保一元化は、幼稚園児、保育園児を同じ就学前児童ととらえ、双方のよい部分を取り入れるという趣旨がございます。その中で、長時間保育部門におきましては、児童福祉法や児童福祉施設の最低基準を遵守し運営しますので、現行保険制度の後退にはつながらないものと考えております。  以上です。 59 ◯教育長(織田元泰君) 2学期制について十分な検討がなされていないのではないかとのお尋ねでございますけれども、2学期制を導入するに当たりまして、検討委員会でさまざまな視点から検討をいただきましたが、その中で、既に評価の2学期制を施行した市内の学校の様子を聞いてみますと、保護者、生徒、教師ともに2学期制により学校生活にゆとりが生まれたという意見が多かったと聞いております。  また、仙台市を初めとして既に施行している他市の成果と課題も参考にし、これらを報告書として取りまとめ、市立のすべての小中学校に配付いたしまた。これらの結果、平成15年度に試行を希望する学校は、小学校が28校、中学校が16校になりました。これは完全学校週5日制、新学習指導要領の全面実施に伴って、児童生徒及び教師が非常に多忙となり、ゆとりを生み出すために2学期制への期待が大きいことがうかがえます。  来年度から試行する学校については、教師、保護者、児童生徒に対して2学期制に取り組む理由、その効果などについて十分説明していただくよう教育委員会としても指導しているところであります。  また、平成15年度にはモデル校における成果と課題をまとめ、未実施の学校の参考にしていただくなど、2学期制について繰り返し説明することを通して、保護者を初め関係する皆様方に御理解をいただきたいと考えております。  以上です。 60 ◯教育部長(栗本裕君) 問題点の解決や計画の見直しを行うための組織づくりをする考えはあるかということでございますが、静岡市ならではの幼保一元化については、これまで幼稚園、保育所関係者を含めて組織された静岡市幼児教育検討委員会において研究を続けてきたところでございます。当検討委員会においては、新しい幼児教育の研究園において実践する教育課程の研究などを行いますが、開園後も引き続き新しい時代の幼児教育のあり方について検討を進めていきたいと考えております。  以上でございます。 61 ◯生活環境部長(海野洋君) 国保の資格証明書についての御質問にお答えします。  市は、すべての被保険者に正規の保険証を交付すべきと考えるがいかがということでございますが、資格証明書は特別な事情がなく、長期に保険料を滞納している世帯に法令の規定に基づき交付するもので、当然法の定める要件に当てはまる被保険者には、資格証明書を交付すべきものと考えております。  以上でございます。    ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 62 ◯副議長(城内里君) 次は、43番藤田卓次君。   〔43番藤田卓次君登壇〕 63 ◯43番(藤田卓次君) それでは、質問させていただきます。  本市にとりましてこの2月議会は、現静岡市政を閉じる最後の定例会となりました。21世紀を迎え、我が国は少子高齢化、国際化、高度情報化の時代となり、そして政治、経済、社会は大きな大きな変革の中にあります。この変革は、明治維新の武家政治から明治政府に変わったような大きな構造改革が求められている現状ではないでしょうか。これらの変化に柔軟に対応し、活力ある社会を築くためには、地方自治体の役割が大きく期待されるところであります。  今回の新静岡市の誕生は、成熟した都市と都市との合併であり、これによって地方分権や全国各地の市町村合併に大きなはずみを与えたことも大きく評価されております。このことについて、市長並びに執行機関、関係者の皆さん方の御努力に対し感謝申し上げる次第であります。  それでは、何点かについて質問いたします。  まず、予算編成について。  最近の経済情勢は長引くデフレ状況の中にあり、金融機関における不良債権問題は予断を許さない状況で、一部では3月危機説もうわさされており、県内の中小企業の倒産、リストラによる人員整理なども後を絶たず、過日の報道によりますと、昨年度の全国の自己破産件数は対前年比で34%も増加しており、静岡県でも増加率は全国平均と同じ34%となっております。  これらのことは、1月の景気ウォッチャー調査結果でも景気の現状判断指数は5カ月連続で悪化しており、消費者心理の冷え込みや企業に景気感が悪化しているためであり、これを裏づけるものとして消費者心理を図る消費者態度指数は38.1と、昨年9月の調査に比べて 1.5ポイント低下したと発表されておりました。この消費者調査は平成6年からの調査で4年半ぶりに全項目が悪化、特に雇用の下げ幅が大きかったと発表され、依然として消費者動向の向上はないものが予想されているのであります。  こんな社会、経済状況の中で、予算編成についてお伺いいたします。  まず、14年度の決算の見通しについて。  市税収入と補助金、交付金の現状と前年度の対比について、まず市民税としては、個人市民税、法人市民税、固定資産税、そして国、県の補助金と交付金はどうであろうか。そして地方債残高と公債費比率の状況と財政調整基金と各種基金の合計額はどんな状況になっているのかお伺いいたします。  次に、繰越金についてであります。  静岡市として最終の会計決算となります。通常は、標準財政規模の3%と言われておりますが、15年度への繰越額はどの程度のものかお伺いいたします。  次に、ペイオフ対策について。  平成13年度末における財政調整基金は約55億円、各種基金の合計約 281億円余、合計で 336億円余に達しており、この公金の安全な保管、運用は最も重要なことであります。  昨年、実施されました一部預金のペイオフの解禁、そして全面的な解禁は本年4月からの予定が、2年延長となったのでありますが、17年以降、普通預金が対象となってまいります。昨年の議会において、ペイオフ対策として安全な金融機関の選択が必要であり、そのために情報収集、判断指標の分析、解析可能な体制を整備するとのことでありましたが、その後の状況については、どんなことに進行しておいでになるのかお伺いいたします。  次には、暫定予算編成についての考え方であります。  4月から3カ月間は暫定予算となるのでありますが、これは通年予算の案分と考えられるが、政策的な事業で市民生活へのサービスに支障を生ずることはないこととは思いますが、この暫定予算の考え方をお伺いいたします。
     次に、本予算の編成についてであります。  どんな考え方で15年度の予算を編成したのか、7月以降の予算は、当然、新市の中で対処することとなると思いますが、新静岡市の建設計画と両市の総合計画との調整、またはその規模は、現段階においてどの程度になるものと予想されておりますか、お伺いいたします。  次に、旧静岡市と旧清水市との調整は、具体的にはどんな形で考えていくのか。特にインフラ整備などであります。静岡市の独自性なものはどのようにしてこの予算に反映されていくのか、また新年度の税収見込みについて、国、県との補助金、交付金については、前年対比でどんなふうに変わっていきますか。市民税といたしましては、個人市民税、法人市民税、固定資産税と補助金と交付金、そして、なお合併に関連する特別交付金はどんな程度のものを予想しておいでになるのか。  次に、今後の財政の見通しであります。  平成15年度の国の一般会計予算は約81兆 8,000億円。これは対前年比でプラス 0.7%となり、しかしこれの財源となる税収入は41兆 8,000億円、対前年比マイナスの10.7%であります。そして、その収支は40兆円のマイナス予算となります。また、静岡県の一般予算も支出1兆 1,700億円、対前年比マイナスの 1.3%と発表されているが、静岡市の状況はどうであろうか、見通しについて御説明いただきたいのであります。  次には、事務事業一元化についてであります。  静岡、清水の両市の合併論議の中で、市民にとって最も関心が高かったのが、市民サービスはどうなるだろうか、どう変わっていくのかでありました。合併協議会の結論として、サービスの水準は下げない、負担は高くならないように調整するとの原則が決定され、以来、今日まで両市の関係者の努力により、全体の事務事業 2,192件のうち、4月1日の合併と同時に一元化しなければならないものが 863件、合併後において一元化するもの及び両市の制度をそのまま存続されるものがそれぞれ六百数十件となって、この4月1日を迎えることになりました。  ここでお伺いいたしますが、負担が高くならないための経費はどのぐらいか。このための財源はどんなことを考えておいでになるだろうか。また合併準備として何回となく補正予算が計上されてきましたが、14年度のこの準備経費がどのぐらいを要したか教えてほしいのであります。  次に、一元化により事業の見直しは、どちらかの市に統合するものと、新たに再編される件数についてどんな状況かお伺いいたします。  次には、1国2制度によって、市民はそれぞれ別々の取り扱い、異なったサービスなどを生ずることはやむを得ないのでありますが、これが市民の生活面や法律面においてどんな影響を及ぼしてくるであろうか、この点についてお伺いいたします。  次に、4月1日から中枢本部、静岡総合事務所、清水総合事務所が設置されるのでありますが、この3カ所におよその職員数はどんな配置になるであろうか。そして、静岡の収容能力は約 2,100人と聞いており、合併に伴い清水側から約 230名程度の異動があるということでありますけれど、事務所の配置状況はどんなふうにお考えかお伺いいたします。  次に、今申し上げましたように1国2制度が相当数残っております。本当の一元化は、これからでありましょう。この1年間、関係者の努力によって今までの生計の状況、歴史、それぞれの風土、習慣などで諸条件があり、統合できなかった事柄でありましょう。  ここで考えてほしいのは、今日の時代認識であります。  御承知のように現在の政治、経済、社会は、今までの考え方では対処できない時代であります。今、何が必要か、変わらなければならない時代を迎えております。21世紀は、それを求められております。地方の時代、地方分権の時代に行政は何をなすべきかの認識を持つべきでありましょう。  さらに申し上げれば、今までの行政は中央集権時代、行政がやりやすいようにすべてが整えられた時代でありました。  また、市長はさきの議会において、政令都市実現のためには、行政運営はみずからの判断と責任、市民と行政の協働する姿勢、そして職員の資質向上、人材育成を強調されておりました。要するに職員の意識改革を強く求めたのでありました。  4月から新しい静岡市が誕生します。すべての事務事業も新しい考え方で見直すには絶好の機会であります。今まで何回となく繰り返してまいりました、事務事業の合理化もそれなりの効果を上げたことは承知しておりますが、この大きな大きな変革の時代に事業そのものの総点検をすべきときでありましょう。  これからの行政は、生活者が基点の時代ではないでしょうか。そしてあるべき姿をつくり上げてこそ、真の一元化が完成することになるのであります。新市発足を機に事務事業の目的、そして効果の総点検を行い、その必要性まで見直すべきではないでしょうか。  市長のお考えをお伺いいたしまして、第1回の質問を終わります。 64 ◯市長(小嶋善吉君) 合併を機に新しい視点で事務事業の総点検が必要であると考えるが、市長どう考えるかということでありますが、おっしゃるとおりだと私は思います。  今回の合併は、首都圏と中京圏の中間に位置するという地の利を生かし、そして両市が有するそれぞれの個性や特性を高め合いながら、住民福祉の向上と地域の飛躍的な発展を実現していこうというものでありまして、将来に対する戦略性が極めて高いものであります。また、その先には、現行の地方自治制度の中では最大の分権と言われます指定都市への移行という大きな目標も達成していかなければならない状況にあります。  このように行政、そして市民を取り巻く環境が激変しつつある中で、自立した都市として個性と独創性を発揮し、活力に満ちた市民生活を市民と協働してつくり上げていくためには、御指摘のような従来の制度や施策、慣習など前例にとらわれない生活者の視点に立った新しい発想で、大胆かつ抜本的な改革が必要と考えます。  それで、市民の皆様が何を願っているのか、それに的確にどう対応すべきかという視点に立って事務事業の総点検を行うことが、市民の信頼と満足を得られ、ひいては市民が主役となるまちづくりにつながるものと確信をいたします。  まさに合併というゼロからのスタートを絶好の機会ととらえ、新しい静岡市が日本をリードする、あるいは変えるという意気込みで、行財政改革に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 65 ◯収入役(山口敦君) ペイオフ対策のその後の取り組みについてお答えいたします。  平成12年度に金融庁から平成15年4月にペイオフ全面解禁の方針が示されて以来、公金の安全性の確保を図るため、本市では国債を中心とした債券を購入するとともに、普通預金の預け入れ先として初めて都市銀行3行を加えるなど、公金の預け入れ先の金融機関の選定に努めてまいりました。  また、昨年12月の制度改正によりまして、当座預金などで一定の条件を満たす決済性預金については、引き続き全額保護されることになり、あわせまして収納金融機関から指定金融機関に入ってくるまでの滞留している収納金につきましても、決済性預金とみなして全額保護されることになり、公金の保護が一段と確保されることになりました。  しかしながら、金利のあります預金の公金の管理、運用につきましては、17年4月からは全面解禁となります。今まで以上の注意が必要となりますので、現在、公金の管理運用の指針となります静岡市資金管理方針を策定しているところであります。  あわせまして、その体制整備の一環といたしまして、金融機関の経営評価等について専門家の経験と識見を活用するため、資金管理アドバイザー制度を本年1月に創設いたしました。新年度からは、この策定いたしました資金管理計画を試行しながら、迅速かつ的確な判断による公金の管理運用に心がけ、市民への説明責任を果たすように努めてまいります。  以上でございます。 66 ◯財務部長(竹内良昭君) 予算と合併一元化に関します大きな3点の質問にお答えいたします。  初めに、14年度の市税等の決算見込みでございますが、市税では約 820億円を見込んでおり、平成13年度決算に対しましては22億円、 2.6%の減と厳しい経済情勢の中、5年連続の減収となる見込みでございます。  主な税目では、個人市民税が対前年度比8億円減の 238億円、法人市民税が11億円減の77億円、固定資産税が2億円減の 369億円程度を見込んでおります。  また、市税以外では、地方交付税は特別交付税の12月交付確定分まででは前年度対比7億円減の99億円で、一方、地方交付税とみなされる臨時財政対策債は27億円増の51億円でございます。  また、国県の支出金は9億円増の 206億円を見込んでおります。  次に、14年度末の市債残高見込みは、一般会計で 2,008億円、特別会計で 1,550億円、総額で 3,558億円程度になる見込みでございます。前年度末に比べ一般会計では14億円、特別会計では22億円、合わせて36億円の増加が見込まれます。  また、公債費比率につきましては、平成13年度15.7%に対し、本年度は16%台の前半になろうかと予測しております。  次に、基金の年度末残高の見込みですが、財政調整基金は27億円、市債管理基金25億円、森林環境基金30億円など全体では 273億円程度となり、前年度末に比べますと約77億円の減少となる見込みでございます。  また、15年度への繰越金は30億円程度と予測しております。  次に、2点目の仮予算の編成についてでございますが、初めに暫定予算でございますが、4月から3カ月間の暫定予算につきましては、両市がそれぞれの財源を用いて編成した通年の仮予算案から、経常的、義務的経費を中心に所要額を算出し策定する方針でございます。政策経費でも福祉施設等の管理運営費補助金や、資源回収事業及び不況対策として市単独工事費等市民生活に根づいている事業費などは計上する予定でおりますので、市民生活には支障が生じないものと考えております。  次に、平成15年度の本予算編成の考え方と独自性でございますが、静岡、清水の両市がそれぞれの財源を用いまして、現行の総合計画に基づいて通年予算を仮編成し、これを統合して新市の仮予算案といたします。新市発足後、この仮予算案の内容について改めて検討を加え、予算案を編成し、6月市議会に提案したいと考えております。  また、この本予算の規模につきましては、このようなことから現時点では未確定でございます。  次に、現在の静岡市における新年度の税収、補助金、地方交付税等の見込みと、それから合併支援分はどの程度かということでございますが、初めに市税は14年度決算見込みに対し30億円程度の減、 790億円程度を見込んでおります。  主な税目では個人市民税が8億円減の 230億円、法人市民税が2億円増の80億円、固定資産税が18億円減の 350億円程度になるものと見込んでおります。  また、地方交付税は4億円減の約95億円でございますが、地方交付税の振りかえとなる臨時財政対策債は、24億円増の約75億円を見込んでおります。合併支援の地方交付税は、このうち7億円程度を見込んでおります。  なお、国県支出金につきましては、事業予算規模により変動いたしますので、現時点では未確定でございます。  また、合併支援策としての補助金や合併特例債につきましては、新市誕生後に政策予算を検討する中で、対象事業を選定していくことを考えております。  次に、今後の財政見通しでございますが、景気が依然として回復しない中で、市税を初め歳入の増加は期待できない状況にあります。一方、歳出面では維持管理費等の物件費や扶助費、公債費等の義務的経費が年々増加し、今後もこの傾向は変わらず厳しい財政状況が続くものと考えております。  次に、3点目の合併一元化についてでございますが、まずサービスの水準は下げない、負担は高くしないの原則を実施することによって、現在の静岡市の増加経費は、防犯灯維持管理費補助金や乳幼児医療扶助費、生活習慣病予防健康診査費等の歳出の増額分と保育料等の収入の減額に伴う負担増分などがございますが、現在これらの金額を調査中でございますので、まとまり次第また御報告をさせていただきたいと思います。  この所要財源につきましては、地方交付税の増加分等一般財源で対応できるものと考えております。  また、本年度の合併準備関係の予算は、各会計間の重複を除いた実質的な金額で約25億円となっております。  最後に、合併後の事務所の配置についてでございますが、静岡庁舎の新館と本館を合わせ、本庁機能に約 700人、静岡総合事務所に約 1,400人の合計 2,100人程度を配置いたします。また、清水庁舎には教育委員会の教育総務課ほか4課、約 140人、清水総合事務所としては約 760人、合計 900人程度が配置をされます。  なお、静岡総合事務所の配置につきましては、原則として新館の8階から14階に本庁機能を、7階以下に静岡事務所を配置いたします。  以上でございます。 67 ◯市理事(井戸一美君) 事務事業の一元化に関します2点につきましてお答えいたします。  まず、一元化の件数についてでございますが、事務事業の一元化につきましては、何よりも合併時に市民生活に大きな支障を及ぼさないよう、合併時に一元化すべき事務事業 863件について、現行の市民サービス水準は下げない、市民の負担は上げないよう調整するという合併協議会が定めました基本原則に沿ってすり合わせを行ってまいりました。  その結果、いずれかの市の制度に統合するものが 281件、両市の制度や仕組みを改編し、新市として新たなものに再編するものが 581件、そして現在、調整中のものが1件となったところでございます。  次に、1国2制度についてでございますが、合併時にすべての事務事業を一元化してしまうことは、市民生活に激変もたらすことにもなり、かえって大きな支障や混乱を生じさせることにもなりかねません。  そこで、合併後も法令の規定上、1国2制度的な取り扱いをせざるを得ないものや、1国2制度的な取り扱いをする方がより適切であるとした事務事業につきまして、そのような取り扱いとなったわけでございます。  主なものといたしましては、国民健康保険事業、上水道事業、下水道事業、敬老事業、ごみ収集などがございます。  国民健康保険事業につきましては、被保険者に対しますサービスの均一化や負担の公平に留意をいたしまして、合併後1年以内を目途に統一していく予定となっております。  上水道事業及び下水道事業につきましては、合併後、速やかに新市における事務事業計画を策定し、料金体系等の検討を行ってまいります。  敬老事業につきましては、地域社会とのかかわりの深い事業でありますので、当面はそれぞれの地域で、今までの方法を基本に実施することとなりますが、今後、新市にふさわしい方法を検討してまいります。  ごみ収集につきましては、日常生活に最も関係の深い事業でありますので、不燃粗大ごみについて、清水地域が4月から静岡と同様の戸別収集になること以外は、当分の間現行どおりとしております。  したがいまして、現在、市民の皆さんがお持ちの指定袋やレジ袋等の認定袋につきましても、今までどおり御利用いただけることになっております。  以上でございます。 68 ◯副議長(城内里君) 暫時休憩いたします。         午後3時5分休憩    ─────────────────         午後3時21分再開 69 ◯議長(沢入育男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  〔43番藤田卓次君登壇〕 70 ◯43番(藤田卓次君) それでは、2回目の質問をさせていただきます。  静岡市の森林面積は全面積の約83%にも及び、このことから森林都市と考えても過言ではないでありましょう。そして、この森林状況から官民一体となった森林政策が必要であります。  私は、平成10年第6回定例会において申し上げました。今までの森林政策はすべてが入り口論であり、そして実施された事業は間伐事業、下刈り、草刈り、枝打ちの作業であり、このような事業に10年間に 114億円が投資されてまいったのであります。  伐採期に入った山林を放置すれば、治山治水の将来はどうなるであろうか。森林は山の崩壊防止で下流地域を守り、森林によって涵養された水は飲料水として、また産業用として貴重な資源となり、また森林の持つ環境機能は伐採期の森林、そして再植林への循環型が原則であります。  現在、当市の森林は、この原則が崩壊の危機に瀕しております。なぜ、森林が放置されているであろうか。木材の価格の下落、そのための事業として意欲低下が原因であります。森林政策として、間伐、下刈り、枝打ちなどが補助事業として長年にわたり実施されてきましたが、現在の林業面からは先の見えない入り口であり、樹木は樹齢に達すれば伐採し、再造林を行わなければ山林は荒廃する。要するに今、出口が見えない、したがって入り口も価値がないのであります。  市長から森林の整備は国土保全から重要であり、森林環境基金の創設、木材の需要拡大策として住宅建設、公共事業施設等への使用拡大など、全庁的に取り組むとの答弁でした。では、その後の状況はどうであろうか。  次に、静岡市の林業の現状を改善されたであろうか。民有林の面積は9万 142クタール、うち人工林が41%で3万 6,953ヘクタール、天然林は4万 6,877ヘクタールの52%であり、人工林の54%の1万 9,922ヘクタールは樹齢45年以上のものが伐採期に入っており、その本数は約 2,000万本の多きに達し、中でも樹齢75年以上の杉、ヒノキは 1,796ヘクタールで 120万本に達していると思われます。  ここで需要開拓の緊急性、すなわち出口が必要となります。このため昨年、林野庁は文部科学省と連携して、地域材利用促進を図るための学校における内装の木質化や関連施設の木造化の促進策として、補助率2分の1の適用を制度化し、静岡県としても川上から川下までのそれぞれの役割を促進しつつ、取り組みにより県産材利用推進システムの構築を図り、住宅への県産材の活用のため利子補給制度化を図っており、特に庁内に公共事業分野での利用促進のための目標数値を設定し、取り組んでおります。  それでは、地方自治体ではどんな状況か。秋田県が平成13年から開始した乾燥秋田杉プレゼント事業があります。地域材の活性化のため、住宅新築に秋田杉材1戸当たり90本を限度として無償に提供するものであり、予想外の応募があり、増量を検討中だとも聞いております。  また、高知県の檮原町、これは人口わずか 5,000人の小さな町でありますが、若者定住対策として地場産材の活用、地元産業の振興策として最高 200万までの補助金制度が創設され、昨年は5件この適用を受けて木造住宅を新築しております。  このほかに県内においては島田市、県外では三重県の飯高町、岐阜県の加子母村などが森林保全と林業対策として、そして地場産材の活用にいろいろな対策を官民一体となって励んでおります。  このように全国各地において、林業の需要開拓として木造住宅に官民一体となって取り組んでおり、これは以下何よりも地元産業にとって木造住宅が一番すそ野が広い産業であるからであります。  ここでお伺いいたします。今まで申し上げたように林業政策のポイントは、木材の需要開拓ではないでしょうか。ここ数年、国産材の需要低迷により林業経営は大変厳しい状況になっておりますが、森林保全と林業活性化のための施策は、どのようにお考えになっているかお伺いいたします。  次に、行政として最も木材の使用の多いと考えられる学校関係の具体的な面について申し上げます。  市内産のヒノキを主体とした小中学校の木製机、いすの導入については、平成3年から今日まで約2万 2,600組の机、いす、金額にして約4億 4,000万円が投資されております。このように学校施設関係については、木材の需要に大きな影響があります。よって、学校施設等における木材使用状況についてお伺いいたしますが、14年度の木材使用実績はどうであろうか、15年度の木材使用の計画はどんな計画をお持ちになっているのか、さらに、今後の木材使用をどのように考えておいでになるのかお伺いいたします。  次に、学校教育施設以外の公共施設の木材利用状況について、14年度の木材使用実績はどんな状況だったのか、今後の木材使用方針はどんなお考えかお伺いいたします。  次に、耐震事業について。この問題については、先ほども質問がありましたので、ごく簡単に申し上げます。  14年度の県のTOUKAI-0作戦の主要事業である昭和56年以前の古い木造住宅の耐震補強工事の前提となる耐震診断の実施が予想外に少なく、診断の結果、補助金が適用できる補強工事の申請もわずか 195件にとどまっているようであります。これによって、県は補正予算で減額を決めております。東海地震間近の中でこれでよいであろうか。  反対に、静岡市が実施しました個人住宅の倒壊防止のため、我が家の専門家診断、先ほどの話によりますと 1,200件以上で予想を大きく上回っておる。こんなことから耐震対策というのは、住民の防災意識によって左右されることでありましょう。  我が国の建築基準法は全国一律で最低基準であり、静岡県はこれ以上ものが必要でありましょう。また現在、公共建築の耐震対策は進んでいるが、民間は不十分とも指摘されております。地震の最大の被害は家屋倒壊にあることは、さきの阪神・淡路大震災で実証済みであります。  県は平成13年5月の県防災会議において、今までの被害想定からこれを大きく見直し、予想される死傷者はおよそ2倍、建物は大破でおよそ6割増しとなる第3次地震被害想定を発表しております。地震の発生をとめることはできませんが、それぞれの適切な対策によって被害防止は可能であります。  最近、減災という言葉が各所において使用されております。被害を最小限に抑えることを目的とした減災は市民にとっても必要であり、これから民間建築物の耐震対策はどのように進めておいでになるかお伺いいたします。  次に、固定資産税について。  平成15年は3年に一度の固定資産の評価替えが行われるのですが、地価公示、県地価調査等によれば、商業地区及び住宅地区の下落傾向が甚だしいことは御承知のとおりであります。バブル時代から比べると考えられないほどまで地価が下落したところもあり、これらが金融機関の不良資産の大きな要素となっております。  平成12年度から平成15年度までの固定資産税の標準宅地の下落推移は、商業地区で31%、普通商業地区で23%、住宅地区で14%、併用住宅地区で16%、市全体でも平均17%と大きく下落しております。  平成9年度から税制改正によりまして地価が下落した場合は、基準年度以外でも価格を修正することが可能となりました。このことは地価下落が直接税負担に反映されるなど最近の資産デフレの実情からも、地価に沿った課税標準を適用する方法に変わったことと思います。  依然として地価が下落していることにかんがみ、平成15年度の固定資産税はどのような影響を与えることになるのかお伺いいたします。
     2回目の質問を終わります。 71 ◯市長(小嶋善吉君) 森林の需要拡大についての考え方について御説明いたします。  本市の森林面積は約9万ヘクタールを有しまして、ヒノキ・杉等の人工林の占める割合は約41%であります。そのうち標準伐期を超えている森林は、過半数を占めているのが現状であります。本市は、市民共有の財産としての森林を次の世代に伝えていくため、平成11年静岡市森林環境基金を創設し、間伐の推進や作業道の開設など森林整備を促進するためのさまざまな事業展開をしてきております。  しかしながら、外国産材の輸入増加により国産材需要の減少と木材価格の暴落を引き起こし、林業及び木材業界は大変厳しい状況であります。このため森林整備がおくれ、森林の持つ公益的な機能が発揮できなくなっているのが現状であります。  本市といたしましても林業の活性化を図り、森林の公益的機能を高めるためには、日本の気候に合った地場産材を活用することにより、森づくり等木材生産との循環を保つことが必要であると認識をいたします。  このようなことから、森林環境基金の事業として、地場産材の需要拡大の施策を今後とも推進してまいりたいと考えております。 72 ◯教育部長(栗本裕君) 教育施設への木材の使用状況でございますが、平成14年度工事での木材使用は長田西小学校体育館、川原小学校校舎耐震補強工事、そのほかの施設で構造材や造作材、仕上げ材等全体で約74立方メートルを使用しております。  平成15年度工事での木材使用計画は、田町小学校体育館建設工事、清沢幼稚園園舎及び公民館合築工事、また校舎及び体育館の耐震補強工事等に構造材、造作材、仕上げ材等の木材使用を計画しております。  今後の木材使用でございますが、今後は学校の改築計画にあわせ、保健室、図工室、美術室、ランチルーム、玄関回り、廊下等の内装材にできるだけ使用してまいりたいと考えております。  また、大規模改修工事、耐震補強工事におきましても、木材の特徴を生かし、温かみと潤いのある施設の改善に努めてまいります。  以上でございます。 73 ◯建築監(徳谷律一君) 学校以外の公共施設における14年度の木材使用状況についての御質問でございますけども、木材につきましては積極的に利用推進を図っており、平成14年度での木材使用実績は井川合同庁舎建築工事等13件で約 300立方メートルとなっております。  次に、今後の木材使用方針についてでございますが、平成13年度に策定した公共部門での静岡材の利用推進に関する基本方針において、公共施設の建設に当たっては、木造、木質化の推進を図るとともに、地域材を積極的に利用すると定められ、14年度工事では井川合同庁舎を純木造建築とし、また国立病院跡地に建設予定の保健福祉複合棟、保健所棟、心身障害児福祉センター棟では、法規制で許される壁等に積極的に木材使用を図るよう設計を進めております。  公共施設の建築に当たっては、法律的な規制、生産流通における問題等課題が残っておりますが、今後も可能な限り木材の利用推進を図ってまいります。 74 ◯都市整備部長(西山隆浩君) 減災による民間建築物の耐震対策についてお答えいたします。  減災とは被害を可能な限り減らしていこうとする考え方であります。耐震対策におきましては、地震発生前までに行う予防措置が最重要と考え、昭和56年以前に建てられた木造住宅に対して、我が家の専門家診断、市政ふれあい講座、防災アシスタントによる戸別訪問など、直接市民に呼びかけ、相談に乗ることで減災に努めております。  以上でございます。 75 ◯税務監(大村吉正君) 固定資産税の御質問についお答えします。  平成12年と平成15年を比較すると宅地が平均約17%下落しているが、平成15年度の税負担にどのような影響を与えるかとの御質問でございますが、平成12年度から平成14年度までの税負担については、最近の地価下落傾向に伴う都市部の商業地等の税負担感に配慮して、課税標準限度額を70%に引き下げるなどし、負担水準の高い土地の税負担を引き下げつつ、負担水準の均衡を促進するために、税額の負担調整措置を講じております。  平成15年度の税負担につきましては、同様の負担調整措置を講じるものと仮定した場合、税負担が引き下げとなる方の割合は、商業地で約24%、住宅用地で約8%、また税負担が据え置きとなる方の割合は、商業で約47%、住宅用地で約51%、負担水準の低い土地には、均衡を図るための調整措置が講じられるものと考えております。  これに伴い固定資産税、都市計画税合わせた土地全体では、前年に比較して約6億円程度の減収になるものと見込まれております。  以上でございます。   〔43番藤田卓次君登壇〕 76 ◯43番(藤田卓次君) それでは、意見といいますか、感想といいますか、申し上げてみたいと思います。  新市発足を間近に控えた今回の議会でありますので、予算その他については、なかなか数字的な御答弁が難しかったこととは思います。しかし、私の感じは、財政の見通し、そういうことについては、国、県も状況を既に発表しております。市財政もある程度予想という数字の中で、数字面で発表してほしかったなという感じがしてなりません。  なぜなれば、当局側の本会議での発言という重さはわからないわけでもありませんが、今日の時代、あるべき姿を市民に周知する。財政もこれだけ大変だというふうなことを、この議会で語っていただくことが市民に対する説明責任の1つではなかろうかと、こんなふうに考えております。それが感想です。  それから、先ほども申し上げましたけれど、国民、市民は現在あらゆるものが、この閉塞状況を何とか打開してほしいと望んでいるのが現状ではなかろうかと思います。そんな中で、行政の総点検について、先ほど市長から明確なる決意をはっきり表明されまして、安心しているわけでありますけれど、市長から自立した都市としての独創性、市民とともにつくり上げること、前例にとらわれない、特に前例にとらわれない生活者本位の改革をなすんだと、そして静岡を変えていこう、さらにはそれが日本をリードする気持ちで行財政改革に総点検を実施すると、こんなふうな力強いお言葉をいただきました。  混迷する時代であります。今、強力なるリーダーシップを必要とする時代であります。小嶋市長がトップダウン方式によって、今までの政令市とは環境も違った、新しい形の都市としての新静岡市を目指して、このまちを発展させるためのリーダーとして、小嶋市長の手腕を大きく期待するものであります。  4月の選挙にはぜひ頑張っていただいて、この決意をぜひ実現させてほしいことを願って、私の質問にかえさせていただきます。ありがとうございました。    ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 77 ◯議長(沢入育男君) 次は、37番望月晃君。   〔37番望月晃君登壇〕 78 ◯37番(望月晃君) 私は、まちづくりは人づくりこそ最大のテーマとして議会に取り組んでまいります。今回は、2点の項目についてお伺いいたします。  初めに、静岡市総合歴史博物館についてお伺いいたします。  静岡市総合歴史博物館は、静岡市第8次総合計画に基本構想を策定すると位置づけられており、合併協議会でも新市まちづくりの教育文化部門において、新市建設プロジェクトとして歴史文化の里整備を推進と明記されております。  カウントダウンの議会にお伺いさせていただくのは、特例で在任させていただく私ども議員と、今後のリーダーシップをとっていただきたい方と当局の皆様に、明確に静岡市総合歴史博物館早期建設を確認させていただくようお伺いいたします。  過去の議会に多くの議員が質問され、静岡市総合歴史博物館のイメージは定着してまいりました。この平成15年1月28日に静岡市総合歴史博物館基本構想に関する提言が、同基本構想検討委員会により市長に手渡されました。市制、明治22年4月1日、静岡市が施行されまして 115年目の最後の市長として、また新静岡市の門出を祝す意味で、待望の静岡市総合歴史博物館基本構想に関する提言に対する市長の抱負と決意を初めにお伺いいたします。  次に、今後のスケジュールはどのような計画になっているのか。また建設も含め、事業を進めていく中で、財政的基盤はどのように確保していくのか、最大のポイントだと考えます。提言には今後、基本構想、また建設計画等の作成を期待し終了しております。  この提言後、当局は具体的な計画をどのように推進していくのか、そして期間はどのぐらいのスパンで、またさらに完成までの見通しについてどのように考えておられるのかお伺いいたします。  財政的基盤については、建設に先立ち、その財政的基盤が最重要であります。現在の社会情勢下、本事業の取り組みで一番苦労されるのが、先立つものとお察し申し上げます。したがいまして、財政的基盤が静岡市総合歴史博物館実現の命綱であります。この課題についてどのように考えておられるのか。  既に森林環境基金等すばらしいアイデアで全国の耳目を集めました市長の手法に注目するところでありますが、国、県の文化施策の補助金等を含め、どのような手法をお考えでおられるのかをお伺いいたします。  次に、静岡市総合歴史博物館の立地については、どのように考えておられるのかであります。  提言4に5点の条件が示されております。すなわち1博物館機能からの要件、具体的に歴史情報発信の拠点、博物館の目的と機能を果たし得る面積。2都市環境の要件、特に博物館の建設により周囲の都市環境へ良好な波及効果を期待できる場所。3歴史環境の要件、特記できる歴史的な素材に近接あるいは囲まれ、かつ歴史的に意味のある場所であること。4災害の要件。5アクセス等の要件がございます。  そこで現時点、私個人としては、1)駿府公園を中心にしたエリア、2)城北公園をエリアとした地域、3)日本平エリア、4)駅南の登呂遺跡エリア、5)東静岡駅周辺等、候補地として頭に浮かんでまいります。当局のお考えをお聞かせください。あわせて施設について、どのように考えておられるのか、お伺いいたします。  この項目の最後の質問は、静岡市総合歴史博物館の機能について、とりわけ関心がございます。私の議員活動でのライフワークとして、人間教育の環境づくりそのものであるからと考えているからであります。  確認としてお伺いいたします。提言に博物館機能に触れて、資料の収集、保管、資料の調査研究、資料の公開活用等とともに、静岡からの情報発信を強調されていると私は受けとめておりますが、当局は静岡市総合歴史博物館の機能について、どこに力点を置き、市民や学校とどのように連携し、かかわっていかれるのかをお伺いいたします。  次に、2つ目の項目といたしまして、自然環境マップについてお伺いします。  この自然環境マップの発想は、私が議員にさせていただいた12年前、我が会派で公害対策と、また環境政策などの勉強会から始まり、先輩であった故永山勝司議員が、私の初の視察として名古屋市に同行してくださり、視察のノウハウを教授された際、ヒントをいただいたものであります。  平成7年の9月議会では、環境教育の対策に麻機遊水地等静岡に残された自然のデータを記録し、環境教育の一環として環境マップの提案をいたしました。担当課はいち早くこれに対応してくださり、バードマップが小学校4年生の環境教育副読資料として作成され、完成したわけでございます。  私は、さらに昆虫などのシリーズ化を要望いたしておりましたが、IT導入の後、飛躍的にこれを進化させられております。自然環境マップを平成13年度に自然環境データを作成されました。今年度は内容などがさらに充実したものができたと思いますが、今年度における自然環境マップの特徴について、どのようになっているのかお聞かせください。  いよいよ清水市との合併により市域が日本一となりますが、それに伴い、清水地域の自然環境マップは、当然作成すべきだと思うのでありますが、清水地域の自然環境マップはどうするのかお伺いいたしまして、第1回目の質問を終わります。 79 ◯市長(小嶋善吉君) 静岡市総合歴史博物館基本構想に関する提言に対する私の抱負と決意ということの御質問にお答えいたします。  本年の1月に、博物館に造詣の深い5人の専門家の方々からなります静岡市総合歴史博物館基本構想策定委員会より、足かけ4年にわたる熱心な御協議の結果、静岡市総合歴史博物館基本構想に関する提言をいただいたところであります。  御提言の内容は、これまで市民の皆様が久しく待望してやまなかった本市の総合歴史博物館の骨格を初めて明らかにしたものでありまして、今後、私は、歴史の各分野の専門家や市民の皆様の御意見を伺いながら、総合歴史博物館実現に向けて全力を挙げて取り組む所存でありますので、御協力をまたお願いしたいというふうに思います。 80 ◯教育長(織田元泰君) 総合歴史博物館に関する3点の御質問にお答えいたします。  最初に、今後のスケジュールと財源についてのお尋ねでございますけれども、静岡市総合歴史博物館基本構想検討委員会からいただいた提言をもとに、本年3月末までに基本構想を策定いたしまして、平成15年度からは先進的な博物館の状況などを含めた調査研究を行いますとともに、博物館の機能、施設規模や建設の日程などを内容とする基本計画の検討を行ってまいります。  また、建設を含めた財源につきましては、議員御指摘のように極めて重要な問題でございますけれども、それはこれからの新市における総合計画の中に位置づけをしてまいりたいと考えております。  それから次に、総合歴史博物館の立地や施設についてのお尋ねでございますけれども、静岡市総合歴史博物館につきましては、議員御指摘のように博物館の機能、都市環境、歴史環境、災害、交通アクセスが示されておりまして、これは議員の方から御指摘をいただいた具体的な場所については、御示唆をいただいたような部分がございますが、こうした点を含めまして、今後の基本計画の中で具体的に検討し、静岡市にとって最もふさわしい場所を選定していきたいと考えております。  また、施設につきましては、提言の中に展示施設、資料整理保管施設、研究施設などが示されており、この点につきましても基本計画の中で、さらに具体的な検討を加え、新時代にふさわしい機能を備えた博物館の建設を目指していきたいと考えております。  それから最後に、博物館の機能及び市民や学校とのかかわりについてのお尋ねでございますけれども、静岡市総合歴史博物館の主な機能としては、提言の中で、資料の収集保管、資料の調査研究、資料の公開、活用及び情報の収集、発信、ネットワークが上げられておりまして、これらの点は博物館本来の機能を発揮する上で、いずれも欠かせないものと考えております。  特に、博物館がその建物の中での活動にとどまらず、地域の歴史遺産や文化財を基盤とするとともに、歴史情報の収集、発信、ネットワーク機能を充実させ、広い視野を持った歴史情報ネットワークの核となることを目指していきたいと考えております。  このことによりまして、市民の皆様が国内外の歴史情報に容易に接することを可能にするとともに、さらに学校教育における体験型の学習に寄与するため、学校との連携を密接にしていきたいと考えております。  以上であります。 81 ◯生活環境部長(海野洋君) 自然環境マップについて、2点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の今年度における自然環境マップの特徴についてはということでございますが、平成13年度作成の自然環境マップは、主に市街地における夏から秋にかけての動植物の現地調査を実施いたしました。本年度は冬と春を主体として現地調査を実施し、これにより四季を通じた自然環境の把握が可能となります。  また、今までに見つかった動植物に関するより詳細な属性データの表示とともに、安倍川、藁科川など身近な自然環境の写真を交えて、視覚的にもわかりやすいマップの作成を目指しております。  一方、市民と行政との間で双方向にデータの共有化を図り、市民から寄せられた情報などをマップに反映させる仕組みを構築したため、市民と行政が一体となって活用できるよりよいマップの作成ができるものと考えております。  次に、2点目の、合併により市域が日本一となるが、それに伴い清水地域の自然環境マップはどうするのかということでございますが、清水地域につきましては現在、自然環境マップがありません。そこで、合併後は現在の静岡地域のマップと整合性を図りながら、清水地域における原図を作成するよう事務のすり合わせを行いました。これにより広大な市域を一元的に見ることができるよう、両地域においてバランスのとれたマップの作成を目指していきたいと考えております。  以上でございます。   〔37番望月晃君登壇〕 82 ◯37番(望月晃君) 御答弁をいただきました。  私は財政的基盤について、この建設事業の最大のポイントであると申し上げました。幸いにして文化芸術振興基本法施行により、この分野の予算措置が注目されております。同基本法第3章第13条には、「国は、有形及び無形の文化財並びにその保存技術(以下「文化財等」という)の保存及び活用を図るため、文化財等に関し、修復、防災対策、公開等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。」また、第26条に、「国は、美術館、博物館、図書館等の充実を図るため、これらの施設に関し、自らの施設等に係る施設の整備、展示等への支援、芸術家等の配置等への支援、文化芸術に関する作品等の記録及び保存への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。」したがいまして、新市に移行した後、文化芸術振興基本法を最大の根拠に国、県に働きかけることを要望しておきます。  そして近い将来、政令指定都市での予算措置は、政令市誕生の記念事業として、世界中の皆さんが注目してやまない事業の実現を尽力していただきたいものでございます。  過日、江戸東京博物館を視察させていただきました。ここ4年間の当初予算をお伺いいたしましたが、平成10年に54億 300万円余、平成11年には48億 1,700万円余、平成12年に40億 5,200万円余、平成13年度ではついに40億円を割っておりました。平成14年は34億 8,500万円と減少の傾向でありました。また、観覧者数は平成5年オープニングの年は 332万 2,466名と、これは別格として、平成13年度まで 1,625万 7,126名、9年間の年平均は 180万名余となっております。平成10年から13年の4年間合計は 591万 7,133名で、年間平均 147万 9,283名となっております。予算の傾向と観覧者の関係の分析は、かなり深刻に検討されておられて、この4年間の観覧者数は大変な健闘であることを力説されておりました。  私は、東京都の予算についてとやかく言う資格はありませんが、これからの運営の視点にスポンサーシップの導入が不可欠ではないかと投げかけましたが、そのことが今後の資金運営等検討すべき課題であるとの認識を、担当課長さんの個人的意見でございましたが賛同されて、私は意を強くいたしました。  そこで静岡市総合歴史博物館の財政的基盤に民間企業、団体、個人等の資金支援等を検討することを提案させていただきます。  また、静岡市総合歴史博物館の体制づくりで、完成後の存在価値が問われると考えます。そこで職員配置と人材登用については、職員の希望を満たせてあげることは当然ながら、広く、また世界公募で最高のスタッフをそろえられるように強く願っております。  例えば平成12年度の当局の企画事業であった講演とシンポジウムで、国際的に著名な東京大学名誉教授でアメリカ、イリノイ大学教授のロナルド・トビ教授、そしてドイツ、ボン大学ヨーゼフ・クライナー教授の講演、またスピーチは、今も耳朶に残り感動がよみがえってまいります。  このことを踏まえ、例えばさきの教授たちに加え、この企画に賛同し、参加されたオランダのライデン大学、W・J・ボート教授等をスタッフに名を連ねていただき、国際歴史フォーラムを静岡市総合歴史博物館をベースに、世界の博物館での巡回をされながら、静岡市を拠点とする博物館の学術情報ネットワークをつくり上げていただきたいのでございます。  これはちょっと余談で恐縮ですか、このシンポジウムに招待されたそれぞれの教授に指導されたいわば愛弟子たちが、日本の江戸時代の徳川家康、駿府に夢をはせ、東京大学、京都大学、両学の資格がありながら、わざわざ静岡大学入学を熱望された方々がおりました。当時、静岡大学の女子留学生でロシア人のユーリアさん、この方はボン大学のクライナー教授に師事されていました。そして、アメリカ、イリノイ大学ドクタークラスの院生で、論文調査のため来静したレオニード氏は、トビ教授に指導されておられる方でありました。徳川家、また駿府の歴史の世界的権威に学ぶ俊英たちは、ロシア、シベリアでの同高等学校の先輩、後輩の間柄でありました。このシンポジウムに期せずしてヨーロッパ、アメリカを拠点に学研活動をする若者たちが、学術という運命的な赤い糸で結ばれ、図らずも静岡市を舞台に国際的ロマンの花を咲かせていた話は、このシンポジウムの心温まるエピソードの1つでもありました。まさに歴史を超えて、世界の若者たちを引きつけてやまない静岡の魅力を心から実感したものでありました。  彼らは現在、ボンとモスクワで研さんを続けておりますが、このような青年たちがさらに続けて学究生活を日本に希望し、なかんずく静岡市を熱望した場合、彼らの夢を受け入れるところは、現在のところ皆無といっていいぐらいです。また、彼らにまさるとも劣らない留学生の中にも、リピーターとして静岡市を第2のホームグラウンドとして希望する逸材を知っております。  それはさておき、静岡市出身の若者たちが首都圏などで就職を余儀なくされる理由に、我が地元に学術的な研究施設がほとんどないことであります。これらの方々の受け皿の1つに、静岡市総合歴史博物館などを提供できるよう真剣に考えていただきたいと訴えておきたいのであります。  その意味からこの事業により、職員配置等世界をターゲットにした人材登用が静岡市総合歴史博物館建設の意義の1つであることを言いたかったわけであります。  何よりも人間教育の環境づくりと、そのひのき舞台で活躍乱舞する職員と市民のふれあいが、まさに次代を担う子供たちの最高のプレゼントとなると考えているからであります。  基本構想には、静岡市総合歴史博物館の中身といいますか、内容等については現在触れていないように思います。私は、この静岡市総合歴史博物館のコンセプトは徳川家康であり、駿府を中心とする日本史と世界史をトータル的に考慮すべきである博物館と訴えたいのであります。この1点だけでも静岡の歴史と文化の光彩が世界に発信できると自信を持って提案させていただきたいのであります。  次に、自然環境マップについてであります。  この資料づくりとデータ管理と展開を環境政策課がされておられることは大変な驚きであります。基礎データ収集も初めの数カ月は、雲をつかむ話であったに違いありません。資料提供者とのコミュニケーション、野外の記録写真等その対応、大変御苦労であったと思います。  現在、先ほどの答弁からは今後のデータ活用、教育委員会との連携など大変楽しみな事業展開が期待されます。清水市からの新しいスタッフとの連携で、今後の御活躍を期待し、またお願い申し上げるところであります。  さて、平成13年11月議会で自然博物館、エコミュージアムについて紹介、また提案をさせていただきました。現在、日本の各地で地域おこしの施策として歴史的遺産や自然を再発見しつつ、環境政策として、この自然博物館、エコミュージアムに取り組む自治体が急増しております。インターネットで検索いたしますと、その多さに驚きます。  私は、今月の初めに千葉の市川市に視察に参りましたが、大東京のベットタウンとして、成田国際空港を結ぶ沿線地域として、まさに都市化が進み、今では貴重な江戸川や東京湾の自然環境をわずかに残している市域であります。文化行政に力が入っているようで、小さいながら歴史博物館、また自然博物館、考古博物館等がございました。また、国分寺、法華経寺等の旧所名跡を生かしたまちづくりをされ、市民の皆様のアイデアをいただきながら、散策コースを提供されておりました。これはかなりの評判でありまして、部長さんは大変胸を張ってこのことをおっしゃっておりました。  さて、ホームページをのぞかせていただく中で気がつくことですが、先ほど静岡市の自然環境マップ基礎データ収集量と比較しますと、何と質、量ともに全国のどこよりも抜きん出た基礎データに驚きを禁じ得ません。静岡市の自然環境は、まさに日本一ではないでしょうか。  そこで質問ですが、今後、日本の最高水準と考えられますこの自然環境マップを利用して、地域の特性を生かしたエコミュージアムのような展開はできないものかをお伺いいたしまして、2回目の質問を終わります。 83 ◯生活環境部長(海野洋君) 自然環境マップについての御質問にお答えします。  今後、この自然環境マップを利用して、地域の特徴を生かしたエコミュージアムのような展開はできないかということでございますが、今回、自然環境マップの作成の目的の1つは、本市の全体にわたって、動植物から自然景観等地域の特徴を身近に観察できるようにしたということであります。  今年度調査を行った結果、環境省作成のレッドデータブックに掲載されている希少種も幾つか発見されましたが、このままの状態で放置すれば、これらの希少種は絶滅してしまう可能性があります。このため自然環境マップの活用を図り、その地域の自然や生活を含む環境全体の保全のあり方を地域住民や学校等の協力により、自然観察会などの野外活動を通して研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。   〔37番望月晃君登壇〕 84 ◯37番(望月晃君) 御答弁ありがとうございました。  自然環境マップを利用して地域の特性を生かしたエコミュージアムについて、展開はできないものかということでお答えをいただきまして、心強く思いました。これからもぜひ早目に頑張っていただきたいと思います。  昨年、国連総会で採択された「持続可能な開発のための教育10年」の決議をリードしたのは我が日本でありました。先ほど答弁いただいたように、本市といたしましては、学校教育の場を通じて取り込んでいかれる報告をいただいたように受けとめております。
     今回、私どもは意見書案として、環境教育学習推進法仮称の早期制定を求めることを提案させていただいております。家庭、地域社会、経済活動などあらゆる分野を視野に入れた総合的な環境教育学習を通じて、人を育てていくということを願うものであります。  自然に恵まれた私ども郷土静岡市は4月1日より清水市との合併により、文字どおり風光明媚な日本を代表する市となります。エコミュージアム、自然博物館の展開は、自然を生かすサンクチュアリースタイルを初め、郷土に現存する歴史的建造物を対象に展開するパターンなど、幾通りものイメージで創出できるものと考えます。  静岡市総合歴史博物館建設により、念願の静岡の歴史を包括する情報発信拠点が整うことができるわけです。ですから、私はここを中心に各地域に存在する史跡と歴史を散策するコースを紹介しつつ、終日これらを堪能していただけるまち全体を文化と歴史の博物館構想と検討していただいたらいかがかと思います。  先日、静岡県がまとめた自然系博物館建設のための自然学習研究機能調査検討会の資料を目にいたしました。自然系博物館に対する県民ニーズの把握と整理、これを踏まえて求められる自然学習研究機能及び拠点整備などに関して提案しております。しかしながら、現在のところ着地に困難をきわめていると聞いております。  近年開館した自然系博物館は、その目的として自然の仕組み、人と自然とのかかわりについて理解を深めるための生涯学習に貢献するため、博物館を通じて学術文化の発展に貢献する。自然と歴史に関する知的需要にこたえ、生涯学習に貢献する。そして科学の進歩による自然環境等への理解を深め、自然に親しみ学習する施設とする。自然を愛する豊かな人間性を育てるなどが挙げられております。  私は、千葉県立中央博物館、滋賀県立琵琶湖博物館等に視察をさせていただいことがあります。それぞれの特徴とテーマに沿った展示方法と学芸員等のスタッフ等がしっかりされていたことが記憶にあります。  静岡県でもこの自然系博物館の設立に、自然学習、研究機能調査検討委員会で議論されていると伺っております。新市誕生と政令市への展望に、南アルプスの分水嶺から安倍川、そして駿河湾の大自然を背景とした自然学習総合拠点として、県と協調していただきながら、県が進めている自然系博物館の誘致に新たな着手をしていただきたいと要望しておきます。  いずれにいたしましても、南アルプスから駿河湾、富士山を背景とした清水港と日本平、清水と静岡が手を取り合って、町全体が地域文化の振興と生態系を最重視したエコミュージアム、自然博物館いわゆる自然と歴史の博物館づくりで、模範の政令市を目指していっていただきたいと思います。  いずれにいたしましても、新市が人を育てるまちづくりの人間教育都市として世界をターゲットにしたコンベンションシティであることを念願いたしまして、新市誕生まであと41日となりました。静岡市議会としての私の43回目の一般質問を終わります。ありがとうございました。    ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 85 ◯議長(沢入育男君) 次は、3番前田由紀子さん。   〔3番前田由紀子君登壇〕 86 ◯3番(前田由紀子君) 本日は、まず行政と市民のパートナーシップについてというテーマで質問をします。  自治体の行政と市民活動、NPOやボランティアの皆さんの力というのは、非常に密接な関係を持つ時代になりました。生活の基盤をつくることが最優先されてきたような時代、こうした時代が終わりまして、中央集権システムが極めて効果的、効率的に機能してきた時代は終わり、国が全体的な視野に立って整備計画や整備給付水準を定めた事業を計画的に実施すればいいという時代ではなくなったと。  今のような時代にあっては、自治体の役割は独自性を発揮することが大事です。そして、今までのように国の意向を忠実に実施すること、それが市民の利益というような単純な時代ではなくなったと。  ところが、こうした生活基盤整備が一応達成されているので、市民の関心が経済的にも、物質的にも、豊かさから潤いやゆとりといった精神的なものにも移ってまいりました。市民の求めるものが個性化、多様化してきています。この個性化、多様化した市民ニーズに対しては、国が中央集権的に細部まで決定したり、あるいは直接サービスを国が提供するというようなやり方では極めて非効率、コストもかかります。こうした市民ニーズにきめ細やかに対応するのに、地域住民に密着している自治体が非常に重要になる。地方分権の流れは、このような社会経済的な流れからも、必然性を持って生まれてきていると思います。  こうした分権の時代に地方政府として、自治体がこれまでのように国の政策を実行しているだけでは不十分です。地域の実情を踏まえて、みずからの判断で最良の政策を決定、実行していくことが求められます。自治体の仕事の進め方の中には、そうしますとおのずと市民や企業との協働によって政策を進めるという手法が生まれてきました。  ここで自治体の政策が成功するかどうかは、市民の声をどれだけ行政政策に結実できるかにかかっております。審議会、協議会への市民の委員公募、それから住民投票、それから市民団体、NPO団体への事業委託などいろいろな手法が今検討されて、また進められています。市民が支持する政策は正当性を持ち、そうでない政策は絵そらごとになっていく時代です。自治体が政策課題を解決して、その役割を果たせるかどうかは、自治体が市民やNPOとの連携をどう構築できるかどうかにかかっています。  それでは、現在、行政サービスの各分野で市民ボランティアが活動していると思いますが、その内容についてお聞かせください。  そして、次にですが、行政と市民とのパートナーシップが無原則に適用された場合はどうなるか。自治体サービスの公共性は薄れていきます。そして、結果的には安上がり行政の手段に市民の力が利用されてしまう。自治体の責任はあいまいになってしまうというような批判が起こってくることが心配されます。  パートナーシップが進められてきたアメリカやイギリスでは、実際のところは政府の経済再建、小さな政府の実現というのが大きな背景であったことを考えると、ここは非常に気をつけなければならないところだと思います。  そこでお聞きしたいのですが、行政と市民ボランティアとの関係について、統括的に検討が進んでいると思いますが、その状況についてお答えいただきたいと思います。  2つ目は、生活保護の運用についてお聞きします。  何回か議場でも取り上げましたように、昨年の8月に日本で初めてホームレスの自立支援法が公布されました。この法律は、民主党のホームレス問題対策ワーキングチームが作成しまして、提出した法案をもとに与党3党がまとめ直したものです。この法律は、ホームレスに対して雇用や住居の確保、医療の提供など、総合的な自立支援策を国と地方公共団体が責任を持って行うことを目的としています。職も住居もなく、日々の食事にさえ事欠くほどの極度の困窮な状態にあるホームレスの人々に対する最低生活保障を行う、このための法としては、実は既に生活保護法があります。ホームレス自立支援法は、安定した雇用の場の確保など生活保護法では行うことができない施策の実施を国と地方公共団体に義務づけています。生活保護法の生活最低保障をこれで補強するものとなることが期待されています。  これまで国は、生活保護施策の適正化と称して保護実施機関、つまり静岡市福祉事務所のような実施機関による恣意的な運営を見過ごしてきました、野放しにしてきました。野宿者、ホームレスの人たちを最低生活保障の枠組みの中からは排除してきたんです。その中で、国の無策ぶりに対して声を上げた人々、当事者、そして支援団体の方々の運動が結実したものだということは申し添えておく必要があると思います。基本となる生活保護法の真に適正な運用がなされているかどうかは、改めてここで検証していく必要があると思います。  実は、その実態を暴露するような行政不服審査請求が、昨年、静岡市に対して起こされ、11月の末に裁決されました。これについては、当局の方から答弁の中でお聞かせいただきたいと思うんですが、昨年11月28日に裁決されました元野宿者Nさんの行政不服審査請求について、これの事実経過はどうだったのか。それから、静岡市福祉事務所の主張と裁決の内容はどのようなものだったのか。裁決後生活保護運用にどのような改善、変化になったのかについてお聞かせいただきたいと思います。  それから、3つ目の問題ですが、吉津地区の燃え殻を含む建設残土問題についてです。  これについては、11月議会から引き続き大きな問題になっております。既に倒産した元解体業者によって放置された燃え殻を含む建設残土は、これがまず存在すること、そしてこれは法に従って適正な処理がなされていないということについては一致を見たと思います。  当局からは、記録に残っているだけでも監視指導票の交付5回を含む39回の厳しい指導をしてきたという答弁が得られました。しかし、10年来訴え続けてきたという住民の声と比較しますと、多少かみ合わないものがありました。原因者である元解体業者の負担によるダイオキシン類調査とシートかけは実施されています。ここで住民の調査に後押しをされて、市がようやく立ち上がったということに希望を見出した住民も多かったと思います。  現在、吉津地区の状況、現況はどんなような状態になっているのか、11月にシートかけをして以降、その後はどのようなのかお聞かせいただきたいと思います。  そして、11月からすぐに生活環境部内5課による、燃え殻を含む建設残土処理検討プロジェクトチームが結成されたわけですが、先ほど国、県と協議しながら対応を検討しているというお答えがあったんですが、それは11月、12月のときにもお聞きしてわかっているんですが、その検討内容は、どのような選択肢をどういう道筋で検討していただいているのか、結果はまだ出ていないということですから、結果はここで聞いても出てこないと思いますけれども、検討の仕方、内容について具体的にお聞きしたいと思います。  また、業者負担によって得られました、先ほども出ましたけれども、ダイオキシン類調査結果についてですけれども、ダイオキシンの周辺環境調査の結果について、それから焼却灰調査の結果について、それぞれどのように受けとめているのかをお答えいただきたいと思います。  1回目を終わります。 87 ◯生活環境部長(海野洋君) 市民ボランティアと吉津地区の建設残土問題についてお答えします。  最初に、市民ボランティアの2点について。  まず、1点目の現在、行政サービスの各分野で市民ボランティアが活動しているが、その状況と市とのかかわりについてはということでございますが、現在、静岡市内のボランティアやNPOなど民間の社会貢献活動を行っている団体は約 500団体ほどあります。活動分野で主なものは、文化・芸術、スポーツの振興や保健、医療、福祉の増進、子供の健全育成、環境の保全などであります。市とこれらの団体とのかかわりは、平成14年6月に行ったNPO等との協働事業状況調査によりますと、福祉関係などの事業委託13件、事業を行う際の補助11件、ガイドボランティアなどのその他の活動が25件となっており、年々ふえてきております。  次に2点目の行政と市民ボランティアの協働については、市民活動懇話会で総括的に検討しているが、この内容についてはということでございますが、市民活動懇話会は、昨年6月、市民活動との協働を促進するための市の基本的な考え方や方向性、施策の展開等を検討するため、公募委員を含む15名の委員により設置され、現在までに10回を超える御審議をいただき、今月初めに市民の皆様に提言内容の中間報告を行ったところであります。  懇話会での議論は、まず行政も市民もともに今まで何をし、何をしてこなかったのかという点を省みた上で、市民と行政の自己変革、目指すべきビジョン、それぞれの活動領域を尊重した協働、市民活動の自主性、自立性に配慮した活動しやすい環境づくりなどを中心に審議を重ねてきております。今後は中間報告における市民の御意見も反映しながら、今年度中に提言をまとめ、この提言を踏まえて新市静岡市において基本指針を策定し、具体的な施策の展開を図っていきたいと考えております。  続きまして、吉津地区の建設残土問題の4点について。  まず1点目は、吉津地区のその後の経過と現場の状況についてということでございますが、吉津地区の燃え殻を含む建設残土問題につきましては、周辺環境等の調査の必要性から原因者にダイオキシン類の検査を行うよう指導し、昨年12月27日に地元町内会にその結果を伝えるとともに、記者会見において地下水等について環境基準を下回ってた旨、公表いたしました。  また、今回の検査結果を踏まえて、庁内プロジェクトチームにより燃え殻を含む建設残土問題の対応策を引き続き検討しているところであります。  現在の状況につきましては、応急対策としてシートがけを実施させておりますが、風によりシートがめくれるなどの影響が見受けられますので、原因者に対して定期的に点検するよう指導するとともに、職員により現地を確認するようにしております。  次に、2点目のプロジェクトチームでは何を検討しているのか、その内容についてはということでございますが、プロジェクトチームの主な目的はダイオキシン対策であります。昨年11月以降4回の会議を行っておりますが、初期の段階では、現状の法的位置づけや適用法令、他市町村の対応事例、無害化処理方法等の事例や課題の検討、またダイオキシン処理には多額の経費がかかることから、経済的かつ効果的な対応策などについて検討してきました。  現段階では、これらの事項のみならず専門機関である産業廃棄物適正処理推進センターの指導も受けながら、全国の事例を参考として対策を検討しているところであります。  次に、3点目の原因者が行ったダイオキシン類の周辺環境調査結果について、市はどのように受けとめているかということでございますが、ダイオキシン類対策特別措置法は人の健康を保護し、生活環境を保全する上で、これを維持することが望ましい基準として環境基準を定めております。  今回、原因者が行ったダイオキシン類の周辺環境調査結果においては、地下水では5カ所を採取いたしましたが、1リットル当たり 0.047から 0.049ピコグラムで、環境基準の1ピコグラムを大きく下回り、また全国平均の 0.097ピコグラムの約半分という数値でございました。そのほか河川水等すべての検体で環境基準に適合しており、現時点においては周辺環境に対するダイオキシン類の汚染は考えられず、安全性は確保されていると判断しております。  次に、4点目の原因者が行ったダイオキシン類の焼却灰調査結果について、市はどう受けとめているかということでございますが、3地点において 150から 1,500ピコグラムという範囲の結果が出ておりますが、これは産業廃棄物であることから廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、数値に対する基準が示されておりません。しかし、燃え殻を含む建設残土からダイオキシン類が検出されたことは事実でありますので、これを真摯に受けとめているところであります。  以上でございます。 88 ◯福祉事務所長(青島一寿君) 生活保護法運用についての3点の御質問にお答えいたします。  行政不服審査についての事実経過はどうだったのかとのことですが、平成14年6月28日に野宿者であったN氏より生活保護の申請があり、資産、扶養、稼働能力等について調査した結果、保護の必要性が認められたため、同年7月10日を保護の開始日としました。その後、申請人は、福祉事務所の開始決定処分に対し、その開始日を不服として、同年9月9日に審査長である静岡県知事に審査請求したものでございます。  次に、静岡市福祉事務所の主張と裁決の内容はどうだったのかとのことですが、福祉事務所としては生活保護法による居宅保護の原則に基づき、ホームレスのままではなく、居宅が確保された日をもって保護の開始としました。審査長である静岡県知事は、申請日において保護の必要性が認められるとの判断で、平成14年11月25日に保護の開始日を申請日に変更するとの裁決をしたものです。  次に、裁決後、生活保護運用にどのような改善がされたのかとのことですが、裁決の趣旨を踏まえ、個々のケースについて適切な対応をしてまいります。  以上でございます。   〔3番前田由紀子君登壇〕 89 ◯3番(前田由紀子君) 市民活動懇話会については、広報でも大きく出ていますし、ホームページでもかなり公開されておりまして、大変私も注目しております。中間報告に対して、市民からどのような意見が寄せられるのか楽しみではありますけれども、大変積極的な委員の意見が展開されています。  ただ理念、そしてビジョンというのは大変大事なので、ぜひ続けてはいただきたいのですが、実態がかなり先行しているということと、行政のあらゆる分野に市民とのパートナーシップ、そして市民参加というものがある状況ですと、なかなかそこが追いつかないというのが現状だと思います。  2月1日の広報しずおかで、図書館ボランティアの募集というのがありました。面接をして25人募集して、今月の26、27に面接するということなんですが、図書館内の案内や図書の整理、読み聞かせ、資料の収集、整理をするというものです。図書館というのは大変魅力のある場所ですし、本好きの方も多いので、ボランティアでもぜひ参加したいという方でかなり反響が多いようで、これ自体は大変喜ばしいことだと思うのですが、この時期に突然なぜ中央図書館でボランティア募集なのかということを考えますと、1回目の質問でも申し上げたように、これが単に安上がり行政に使われてしまうというような懸念がどうしてもあります。  図書館側が広報を使って募集するのに何か背景があるか、そしてどのような問題が考えられるか、そして試行錯誤しながらどのようなパートナーシップをつくり上げていくかということが大事だと思います。  図書館を舞台にしたボランティア活動には、大変長い歴史がもちろんあります。私も19年前になりますが、市立図書館で初めて朗読ボランティアの研修会があったときに、6カ月の子供をおぶって参加したのを覚えています。まだ、葵図書館のときでした。その受講生が中心になって、今や「ひびきの会」として広報や各種のパンフレット、それから小説などもテープに録音して盲人の方に喜ばれているそうです。ほかにももちろんボランティアの方による読み聞かせの会や、子供の本を学ぶ講座の企画、運営など、図書館はボランティアの団体の皆さんを抜きには考えられないところです。  したがって、このボランティア導入に当たって、これまでまさに市民の自発的な意思によって図書館行政とコラボレーションしてきた図書館関係のボランティアの皆さんは寝耳に水だったわけです。この皆さんとの十分な協議を重ねるべきだったと思うんですが、その点はどのように行われたんでしょうか。  また、個人のボランティアの受け入れというのが、団体ではなく、導入が進められてきたということが、どうしても昨年来の開館時間延長、そしてローテーションを組んで図書館を回していかなければならなくなったことと連動しているように思えてならないわけです。単に職員の補強として見られても仕方がない側面があります。  やはりこういった中で、「静岡市の図書館をよくする会」、また「静岡子供の本を読む会」など幾つかの団体から、今回のボランティア募集については要望が出されています。受け入れ側である図書館のボランティア担当職員は、非常な重責になります。そのことが予想されるので、専門的職員を配置してほしいというようなこと、それから直接子供たちにかかわる活動に対してのボランティアには、責任ある研修をするべきである。また、ボランティアを表彰するというようなことが要項に盛り込まれているんですが、ボランティア活動ということの性格にはそぐいませんので、表彰などはやめた方がいいんではないかというような、大変重要な指摘がたくさん盛り込まれています。  また、もう1つ、一方で、これは学校図書館なんですが、清水の学校図書館では、無資格者が司書補助員として募集されています。図書館業務の専門性、そして継続性、そしてたゆまぬ研修の必要性について、静岡でも大変長い間運動なさってきたボランティアの皆さんからしてみますと、この辺のことは理解に苦しむと。肝心な教育委員会自身の中で、図書館の職員の仕事の重要性というのが、非常に軽ろんじられてきているんではないかという危惧を抱かざるを得ないということが明らかになっています。  そこで、図書ボランティアについて5点お聞きいたします。  公立図書館でのボランティアの活用は、今までどのように進められてきたのか。2点目、図書館の個人ボランティアの導入の検討は、いつ、どの部局で始まったものなのか。そして、導入に当たってどのような議論や検討がなされたのか。4つ目、今回募集されている個人ボランティアの仕事の内容は、もう少し細かく言いますとどのようなものなのか。5つ目、利用者の戸惑いが予想される懸念はないか。接触する利用者、市民の皆さんは、どの人が職員で、どの人がボランティアさんなのかわかりませんので、その辺でトラブルが発生する、何か戸惑いが発生するようなことは考えられないか、もし考えられるなら対策はあるかという点についてです。  2つ目のテーマ、生活保護行政についてですけれども、静岡市の福祉事務所は、住居のない人が来た場合は生活保護はしないと。住居がない人には、生活保護の申請すらさせないというような態度を確かにとってまいりました。ただいま居宅保護の原則という言葉がありましたが、居宅保護の原則というのは居宅がある場合の人のことで、ホームレスや野宿者の人たちに対して使う原則ではありません。そこの辺、私と随分見解が違います。  しかし、当時者の粘り強い申請者での訴えによって、少しずつ申請して受理をされるケースも出てきました。それでも現在、野宿者であることがわかるとなるべく申請させないために、あの手この手で追い払っている現状を私も目にしております。根本的に家のない人に対して怠け者であるとか、生活保護の対象でないとかといった差別的な対応が、職員の言動の中にあることに変わりはありません。  ただいまのNさんの場合ですが、説明がちょっとあいだが抜けていると思うんですけれども、Nさんは職を失って、心臓病を患っていました。2001年の末から市内で野宿状態に陥ったわけですが、半年ぐらいたって6月ごろついに耐え切れなくなって、生活保護の申請に来ました。それが先ほども説明があった6月28日ですが。申請の意思表示をしましたが、相談に当たった市の職員は申請を受け付けず、追っ払いました。その日の夕方のうちに友達、支援者ですけれども、支援者に付き添いを依頼して、もう一度申請に出かけて、やっと申請を受理してもらったと。しかし、その際に職員から住むところは自力で確保しなさいと。確保したら生活保護が受けられますよというふうに命じられまして、2週間かかって7月10日にアパート契約にこぎつけて、福祉事務所を訪れたと。そしたら福祉事務所の方は、その7月10日の日を保護開始の日にしたということ、それが事実なんですね。そして、御本人は保護の開始の申請日、6月28日にさかのぼって生活保護をしてほしいということで訴えたわけです。これが県に対する行政不服審査請求となりました。県知事はNさんの請求を認めまして、申請日から保護を開始するよう処分を変更する裁決を行ったわけです。  このように裁決以前は住居がない人には、生活保護は行えないという方針に沿って運用されていたということは事実なんでしょうか。そして、この基本方針は、この個々の例というふうな言葉が出ましたけれども、Nさんだけでなく慣例として定着しているように見受けられますが、それはいかがなんでしょうか、お聞かせください。  次に、吉津の問題ですけれども、ダイオキシンに対する認識なんですが、ちょっと一概には比べられないんですけれども、大阪の能勢町で焼却炉の解体工事があって、ダイオキシンの汚染が非常に問題になりました。何年かたってしまったわけですけれども、解体したのは99年1月です。先ごろ日本消費者連盟のリポートに報告されたんですけれども、環境ホルモン学会というところで、「こどもの体と環境を考える会」の水野玲子さん、それから金蘭短期大学の桑垣豊さんが、能勢町の出生統計の異常と出生児の成否という報告を発表いたしました。  それによりますと新生児の死亡数、それから早期新生児の死亡数と周産期死亡数、乳児死亡数などを近隣の大阪と比べているんです。ここ20年間ずっと大阪と能勢町は同じ数字をたどっているんですが、ダイオキシンの高濃度暴露のあった解体工事があった年、その前後のところだけが数字が25倍になっているんです。これは科学的に分析してもほかのものと紛れるようなものではなくて、優位な変化だというふうに言われています。  比較は簡単にはできないんですけれども、こういうふうに数字で出たり、実際こうやって死んでいるわけです、赤ちゃんが。こういうふうになってからでは遅いわけですので、水に出たとか、土に出たとかっていう、そんな数字が出たとかということになってからではもう取り返しがつかない、そういう大きな目に見えない、ひたひたと迫ってくるような恐怖を住民は味わっているし、そのぐらい大きな問題なんだということの認識が非常に甘いんではないかなというふうな、答弁を聞いていてそういうふうに思いました。  住民が最初に依頼した調査というのも環境総合研究所によるものですし、これは信頼できる数字です。ですから、当局の方は即座に動いてくださったんだと思います。この数字を重く受けとめたからこそ、またプロジェクトチームの立ち上げというような進展もあったわけです。  しかし、今度の数字はそれほど高くなくて、半分以下だったわけですが、そうしますとこれでは子供がジャンケンして、勝つまでもう1回やってよと言っているようなもので、こういうことには納得できないわけですね、住民は。きちんとした信頼おけるところで調査した結果が、高い濃度が出ているわけですので。  そこで数値に対して、先ほどは参考にしますという答弁をいただいたんですが、住民が依頼した調査の数値と12月に出た数値、そして12月には同じ検体も住民が調べているわけですが、この幾つかの数値の開きについてどのように解釈したらいいのか、説明をしていただきたいと思います。  住民は調査結果の発表と、そしてそのときの当局の一方的な記者会見によって、非常にショックを受けています。これによって問題が終息させられる、終わりにさせられてしまうということに不安を募らせている。だからこそ住民説明会というのが、いまだに開けないでいるのではないかと。こういうことをとってみても住民の不安やいら立ち、そして当局が力で押しつけているというのがよくわかると思います。  当局も認めているように違法な状態であることは確かですので、住民がした調査の結果も重く受けとめたからこそ対応が進んでいるわけですから、地元住民に対してはもっと誠意を持って、一方的な説明ではない形で、情報公開と説明が行われるべきです。  そうしますと、例えば住民説明会と一言で言ってしまいましたけれども、住民参加による公聴会というような形、またはいろんな立場の人がいますので、学識経験者から地元の農業従事者、そしてお子さんのある方、あるいは行政側の方、そういう人たちがみんなで並んでパネルディスカッションをするとか、そういう皆さんが納得できるような形式を市民の側に提案する、またそういった形式が適当であると考えますが、住民にはどのような説明をするおつもりなのかをお聞かせいただきたいと思います。  それにしても、前回の生活環境部長の答弁は、部内のプロジェクトチームでは処理の仕方にも幾つかの選択肢がありますので、より効果的で経済的な方法について、「ほかの自治体における処理事例を含めて比較検討し」というところが先ほどと全く同じなんですけど、12月下旬に予定されているダイオキシン調査結果をにらみながら、できる限り早く具体的対応について検討を進めるということで、12月下旬の調査は出たんですけど、調査は出てもにらみながらというのは、何か調査をただ見るだけなのかということが今わかったんですけど、具体的な対応についての検討を進めるというからには、産業廃棄物適正処理推進センターと協議するというようなことが言われていたわけですので、私が聞いた限りでは産業廃棄物適正処理推進センターの方では、1回電話で問い合わせがあっただけですよと言ったもんですから、本当に協議してくださっているのかどうか、ちょっと不安になったもんですからお聞きしているんですが、私が問い合わせた後に熱心に協議が進んだのかもしれませんので、その協議がどのように、どこまで進んだのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。 90 ◯教育部長(栗本裕君) 図書館でのボランティア活動はいかに進められてきたかということですが、現在、静岡市立図書館ではお話会、紙芝居等の児童サービス部門と図書の録音テープ吹き込み及び対面朗読の障害者サービス部門におけるボランティア団体の受け入れをしております。  児童サービス部門のボランティア団体活動については、家庭文庫関係者等が追手町図書館を除く各図書館で、開館当時から自然発生的に活動をしております。障害者サービス部門については、追手町図書館と藁科図書館を除く各図書館で活動しており、図書館主催の朗読ボランティア入門講座を受講した上で希望者が団体に入会し、さらなる技術の向上のために朗読ボランティア養成講座を受講し、障害者サービスの向上に努めております。  個人ボランティアの検討はいつから、どの部局で始まったのかということですが、平成12年に行われた市立図書館利用者調査アンケートによりますと、約半数が図書館のボランティアに応募してみたいという回答をしており、日本経済新聞のやってみたい、または興味のある、これならできると思うボランティア活動の調査でも、図書館ボランティアが1位となっております。また実際に、図書館の電話や窓口においても図書館ボランティアとして活動希望の話があるため、こうした状況のもとで図書館としても本年度に具体的に検討し、個人ボランティア受け入れ事業計画及び要綱を平成14年11月に策定したところでございます。  導入に当たって、どのような論議をされたかということですが、個人ボランティアの導入については、これまで館内で検討を重ねてきたところですが、平成15年1月に個人ボランティア導入に理解を得るため、既存ボランティア団体への説明会を行い、会員の方からボランティア活動を行う上で、倫理面、サービス面等において一定の水準を保つようにとの御意見が寄せられました。図書館としてもこうした御意見、御要望を参考に、個人ボランティア活動がより一層の市民サービスの向上へつながるよう検討を続けていきたいと考えております。  なお、平成15年度は静岡中央図書館のみで施行し、その評価、検討まであわせて実施したいと考えております。  次に、ボランティアの仕事の内容ですが、ボランティアの担当する仕事は、図書館内の案内、書架整理、図書館行事への協力、資料装備、地域資料を初めとする日本語資料や外国語資料の収集、障害者への資料の宅配等でございます。  ボランティアが入ることによって利用者の戸惑いがということですが、利用者にわかりやすいように図書館個人ボランティアが活動中は、グリーンのエプロンと名札を着用し、一目で職員や利用者と区別できるように考えております。  以上でございます。 91 ◯福祉事務所長(青島一寿君) 裁決以前は住居がない者には生活保護は行えないという基本方針に沿って運用されていたのか、またその基本方針は慣例として定着していたのかとの御質問でございます。  生活保護の運用に当たりましては、稼働能力の活用、資産の有無など生活保護法の保護の要件に該当するかどうかを総合的に判断しており、野宿生活者からの保護申請についても生活保護法及び厚生労働省の指導に従い対応しております。  以上でございます。 92 ◯生活環境部長(海野洋君) 吉津地区の建設残土問題について3点の御質問にお答えします。  まず、1点目の住民の依頼した調査との数字の開きをどう解釈するかということでございますが、今回、原因者が調査を依頼した分析業者は、環境省ダイオキシン類調査の受注資格を有しており、国が定めた実施要領に基づき行った、信頼できるデータであると認識しております。  また、現在の分析技術を考えれば、厳重な精度管理により、けた違いな数値が出ることはないと考えます。しかし、ダイオキシン類の分析は、1兆分の1グラムを単位とするような極めて微量の検出を行うことと、採取したときの状況が土砂の割合の多寡にもより、ある程度の違いが出ることはやむを得ないのではないかと考えております。  次に、2点目の住民にはどのように説明するのかということでございますが、当初は本年1月10日に地元の公民館に出向いて、今回の調査結果等について説明会を開催する予定でありましたが、地元の要望により延期されております。なお、現在は開催の日程等について、地元と調整中であります。  地元の皆さんには周辺環境への影響は見られないことを説明し、皆さんの不安解消に努めたいと考えております。  次に、3点目の産業廃棄物適正処理推進センターとの協議はどのように進んでいるのかということでございますが、平成14年11月28日、産業廃棄物適正処理センターへ出向き、本事案の概要を説明するとともに協力要請を行いました。本年1月7日には同センターの職員に来静していただき、現地視察をした後、本事案の対応策などについて意見交換等を行いました。その後も引き続き協議を進めているところであります。  以上でございます。   〔3番前田由紀子君登壇〕 93 ◯3番(前田由紀子君) 図書館ボランティアについては、図書館ボランティア団体の方については、説明しましたということなんですけれども、ボランティア団体の皆さんにとってみれば、一方的に説明を受けたというのが実感だと思います。(発言する者あり)協働というのはパートナーシップなので、剣持さん、両方が対等な関係で意見を言ったり、話し合ったりしないとコラボレーションとは言えないんです。合併も本来そうだと思うんです。ひとり立ちできない人が、どうにもなくなって合併するとか、結婚だってそうだと思うんですけれど、ボランティアと、そして行政の関係というのが、やはりどうしても行政側の方が情報も多いですし、優位に立ちがちなんですが、そこをやっぱり上手なボランティアとの連携をつくっていくために、そのために懇話会というのは非常に期待されるところはあるんですが、現実的にはその懇話会との情報交換もなく、図書館側の方でどんどん進めていった話がボランティアの募集という形になってきています。検討していただくといいながらも、もう既に広報で募集してしまって、今月中には面接もするわけですので、もちろん試行錯誤しながらというのもいいんですが、やっぱりその中には利用者がいるわけですから、その人たちに迷惑がかかるということもありますので、その辺は慎重にしていただきたいし、せっかくの懇話会の提言ですので、そこと現場との連携というのは図っていっていただきたいと思います。それは意見です。  生活保護法の運用の問題なんですけれども、国の指導に従ってというふうに言っていただいたんで、大変ありがたいんですが、国の方では野宿者、ホームレス、家のない人に対しても一般の人と同じ要件で、生活保護の認定をするようにというふうに指導しています。ところが、家がないから家を見つけてこなきゃ申請させないよというようなことが現実に行われているので、先ほど住居の有無というのは要件の中に大きく扱われるんですかということを伺ったんですが、総合的な判断というふうなお答えしかいただけませんでした。
     今回の行政不服審査請求で、静岡市福祉事務所が差別的な法運用をしたということは違法であると、はっきり判断されたわけです。今でも65歳未満だと障害や病気がないと保護しないよといったような、差別的な行政は横行しています。実は、そういった慣例というのは、他都市の福祉事務所でも多いのが実情です。静岡市だけではないわけです、残念ながら。そうしますと実際に、野宿者状態にある人たち本人の間でも、65歳までは何とか頑張るよと、頑張るしかないんだといったような思い込みで非常に体を悪くして、困窮状態に陥っても頑張っている、あるいは助けを求めたり、福祉事務所に駆け込む気力すらもう失せているといった人たちがたくさんいます。  この国は98年から皆さんも御存じのように4年連続して自殺者が4万人を超えています。もう緊急に対策を講じるべき社会問題であるわけですが、本来、最後のとりでとして機能すべき生活保護というセーフティーネットがこのような運用の状態では、とてもこれから緊急対策を進めていくのに残念な状況だと思います。  静岡県の今回の判断の中で、「保護を要する可能性が高いと見られる場合、再度路上に戻すことはできないので、状況に応じ医療機関や宿所提供施設に おいて、何らかの保護等援助を図る必要があります」というふうにはっきり書いていただいています。このような判断をしていただいています。生活保護上は、住居の確保を図る義務が保護実施機関の側にあるということ、本人が住居を見つけてこなければいけないんじゃなくって、保護を実施する機関の側にその責任があるということをこの判決は明確にうたっていただいています。  ホームレス支援法の成立を見たわけですので、静岡市も一刻も早くこの法解釈を生かして、ホームレス対策を進めるべきであると思います。もう一度、今回の行政不服審査請求の結果をどう受けとめているのか、御感想をお聞かせください。  吉津の問題ですけれども、住民ももちろん説明会を開きたいし、開いてほしいと思っています。先ほど石上さんから住民は説明会を望んでいないというふうに声をかけていただきましたけれども、住民も話を直接聞きたいと思っています。小さい子供を抱えた家もあれば、酪農や米づくりをする人もありますけれども、そして長く住んでいる人もあれば、最近来た人もいますが、住民はダイオキシン問題に対して、とにかくこの焼却灰を含む建設残土がもうなくなってほしいというのは、その点1点では一致しているわけです。なぜかというと、そのダイオキシンに対する恐怖から一刻も早く開放されたいからです。そして、安心して子供を育てて、安心して農業をしたいからです。とにかく無毒化よりも撤去を希望しているわけですが、そんな皆さんの思いというのが署名活動という形をとって、小さな地区ですので、 100世帯ちょっとですので、まだまだ少ないんですが、署名活動を始めたというふうに聞いております。それが少しずつ静岡市全体に広がりまして、 100世帯の小さな集落からの発信ですが、 1,000ぐらいの署名が集まっているというふうに聞いております。ということは、そこの地域の人以外の人も皆さんが関心を持って、その署名活動に協力しているということなんです。  これらの皆さんの行動は、遅々として進まない行政への訴えであり、叫びであると思いますので、11月議会で小嶋市長が答えてくださったんですが、本市としましても生活環境の保全を第一に考え、地域の皆さんの不安を取り除くため、最善の努力をしていきたいと考えていますと市長がお答えくださったので、ぜひこの住民の署名活動について御感想を、エールなり、何なりを送っていただきたいなと思うので、住民が即時完全撤去を求める署名活動を始めたと聞いているが、住民の心情と市民の関心の高さについてどうお考えか、ぜひお聞かせください。 94 ◯福祉事務所長(青島一寿君) お答えします。  今回の行政不服審査請求の結果をどう受けとめているかとのことですが、今回の裁決を踏まえ、今後につきましても生活保護の適正実施に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 95 ◯生活環境部長(海野洋君) 吉津地区の建設残土問題についての御質問にお答えします。  住民は即時完全撤去を求め署名活動を始めたと聞いているが、住民の心情と市民の関心の高さについてどう考えるかということでございますが、今回の件につきましては、地域住民の皆さんの安全面を考慮して、市が早急に実施した重金属類の水質検査、また原因者が行ったダイオキシン類調査を含め、その結果が周辺環境に問題がないということで、ひとまず安堵しているところであります。  しかし、このダイオキシン問題については、万が一のことを考え、今後も地下水のモニタリング調査を実施するなど、住民の皆さんの不安解消に取り組んでいく所存であります。  なお、こうした事例が全国にも数多くあることから、国ではこの解決に向けて、弁護士、公認会計士、環境問題の専門家、学者等で構成する研究会を立ち上げるということでありますので、その動向に強い関心を持っているところであります。  以上でございます。 96 ◯議長(沢入育男君) 本日の一般質問は以上で打ち切ります。  本日はこれにて散会いたします。         午後5時10分散会    ─────────────────        会議録署名議員           議 長  沢 入 育 男           副議長  城 内   里           議 員  田 形 清 信           同    中 山 道 晴 Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...